【F1日本GP】トヨタ、「とにかく完走を目指す」

2002.10.10 自動車ニュース

【F1日本GP】トヨタ、「とにかく完走を目指す」

2002年のF1最終戦日本GP開幕を2日後に控えた10月9日、「パナソニック・トヨタ・レーシング」は、東京の臨海副都心にあるトヨタ自動車のアミューズメント施設「メガウェブ」において、記者会見を開いた。

■ルーキーとして及第点

会見に出席したのは、チームのデビューイヤーを戦った2人のドライバー、ミカ・サロ、アラン・マクニッシュをはじめ、冨田務 トヨタ自動車常務取締役兼トヨタ・モータースポーツGmbH(TMG)会長、陣頭指揮をとるオベ・アンダーソンTMG社長、チーフデザイナーのグスタフ・ブルナー、そして高橋敬三テクニカルコーディネーターの6人。

冒頭に挨拶をした冨田会長は、「1999年のF1参戦表明から3年でデビューを果たした。今年は早くも最終戦、鈴鹿を迎える。準備の3年間も、初年度の今年も、あっという間。私にとっては、ふたつの“あ”でしたね」と、トヨタF1の歴史を振り返った。

これまでの16戦、完走は2人あわせて18回。シーズン序盤、開幕戦オーストラリアGPと第3戦ブラジルGPでサロが6位入賞を果たし、チャンピオンシップポイント2点の「ボーナス」(冨田会長)を獲得、コンストラクターズランキングは現在9位。参戦前の(やや控えめな)目標であった「全戦予選通過」は、問題なくこなしている。

冨田会長は、デビューイヤーの戦い振りについて、「ルーキーとしては及第点」と評価する一方、「ルーキーであることを抜きにすれば、まだまだ」とし、さらなるレベルアップを目指していることをアピールした。
初の母国GPとなる鈴鹿での目標は、「とにかく完走を目指したい」。17戦目となれば、各チーム、マシンの熟成度は最高値に達している。シーズン序盤の“混乱”にも助けられたポイント獲得が、困難になってきていることを認識した、地に足のついた目標といえる。

2年目の来シーズンは、サロ、マクニッシュともチームを去り、現BARホンダのドライバー、オリヴィエ・パニスを迎える。残るもうひとつのシートに関しては、「発表の時期は近づいているので、もう少しお待ちいただきたい」。日本人ドライバー起用の可能性については、「我々の夢。将来的には考えられる」とした。

■2002年は学習の年

トヨタとともにラリーで名をはせたアンダーソン社長。フィールドをF1に移しての感想は、「実際にやってみると、本当に大変だった」。
「今年は、F1の“政治”を含め、様々なことを学習する年。各サーキットのデータ収集など、基本的なことは済ませたと思う。来シーズンは、各レースでポイントを稼げるようにしたい」と、今年の総括と来年への抱負を述べた。

今シーズンのマシン「TF102」を手がけたブルナーは、「マシンにとっても学ぶことが多かった」と言う。
前述の冨田会長はTF102について、「開幕戦でマシンのポテンシャルが分かってしまった。以後改良を続けてきたが、限度はあった」と言及。ブルナーもこれを認めた上で、来シーズン用のニューマシン「TF103」は「空力面を改良したものになる」とコメントした。TF103は、既に6月1日に設計が始まっており、発表は、2003年1月中を予定しているという。

■量産車のノウハウを投入

「今ではトヨタの社員いち有名なひとになった」と司会者に紹介された高橋テクニカルコーディネーターは、各媒体に度々登場するトヨタF1の顔的存在。質疑応答の時間、彼には「トヨタ生産方式」についての質問が投げかけられた。

「量産車のノウハウをF1の世界にも投入するというもの。生産のみならず、ピット作業のやり方など、全般にわたって取り入れています」。
ドイツはケルンにあるTMGの工場にトヨタの技術者が赴き、エンジンの組み付けや部品の加工過程など様々な場面でアドバイスをしているという。量産メーカーならではの手法だ。
その効果だが、「ピット作業には即座に出ましたが、生産などにはもっと長い時間が必要でしょう」。

鈴鹿への対策については、「空力が重要と考え、4つの専用パーツを持ち込みます。またエンジンは、スパ(ベルギーGP)で使ったものをベースに、専用チューニングしたものです」と説明した。

■金曜日にうまくセットアップできれば・・・

前戦アメリカGP後、賀子夫人と“ベイビー”とともに日本でリラックスして過ごした結果か、髪を青く染めて登場したサロ。全日本F3000選手権(現フォーミュラニッポン)でのレース経験をもつ彼にとって、鈴鹿は準ホームGPのようなものだ。
「金曜日にうまくセットアップできれば、いい結果が残せるかもしれない」とサロ。初日にうまくいけばいいのだが、躓くと挽回するのが難しい、というのが両ドライバー共通の意見だった。
マクニッシュは、「日本の“トヨタチーム”の一員として鈴鹿を走ります。日本のファンの方、期待してください」と抱負を述べ、チームとともに鈴鹿へと向かった。

(webCG 有吉)

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髪を青く染めてきたサロ(左)。どうしたの?との質問を、「別に」と軽くかわした。チームをスポンサードする「ウェラ」を使ったかどうかは、定かではない

髪を青く染めてきたサロ(左)。どうしたの?との質問を、「別に」と軽くかわした。チームをスポンサードする「ウェラ」を使ったかどうかは、定かではない

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