日産のハイトワゴン「キューブ」がフルモデルチェンジ

2002.10.09 自動車ニュース
 

日産のハイトワゴン「キューブ」がフルモデルチェンジ

日産自動車は、コンパクトカー「マーチ」をベースとしたハイトワゴン「キューブ」をフルモデルチェンジし、2002年10月8日に発表、同日販売を開始した。


TOP写真:日産自動車の社長兼CEOカルロス・ゴーン氏と、「キューブ」を開発する際にリサーチをとった、“ポスト団塊ジュニア”。
 

■「コンパクトワゴンのトップブランド」

「キューブ」は、「マーチ」(先代)のプラットフォームに背高ボディを載せたコンパクトワゴンとして、1998年2月にデビュー。おりからの“ハイトワゴン・ミニバンブーム”に乗り、月間平均で約7000台、合計40万台以上を売り上げ、日産の苦しい台所事情を支えた。

「コンパクトワゴンのトップブランド」(日産自動車のカルロス・ゴーン社長兼CEO)を標榜する2代目キューブは、水平・垂直を基調とした、名前の通り四角いハコ型デザインとなって登場。“ポスト団塊ジュニア”と呼ばれる20代半ばの男性をメインターゲットに、収納装備が充実した広い室内空間をもつ道具としてのハコ=「Magical Box」として開発されたという。



 

プラットフォームは、もちろん2002年3月発売のマーチのもの。機関は、1.4リッター直4エンジンと、4段ATあるいは6段マニュアルモード付きのCVT「エクストロニックCVT-M6」の組み合わせ。駆動方式は、FFに加え、後輪を電動モーターで回す電動ヨンク「e-4WD」を用意する。価格は、119.8万円から162.2万円まで。

ゴーン社長兼CEOは、新車販売ランキングで3位に入ったマーチ(2002年度上半期。日本自動車販売協会連合会調べ)、日産初の軽自動車「モコ」(スズキ「MRワゴン」のOEMモデル)、そしてキューブの3車種で、「日産エントリーモデルのラインナップが揃った」としている。月間販売目標台数を7000台に設定し、さらなる販売増を狙う。


リアドアからみた、シートアレンジの様子。前後席のアームレストを倒し、シートを倒さずに長尺物を積むことが出来る。ディーラーオプションの固定ベルトを使えば、スキーなどを積むことも可能だ。
 

■キューブを視野に入れたプラットフォーム

思わず「ギョッ」とするくらいのハコ型デザインを採用するにあたり、日産社内では賛否両論があったという。デザイン本部の池山悦朗主任は、「“カドを丸めたシカク”をモチーフにすることで暖かみを表現するとともに、ボディ4隅に配したタイヤで踏ん張り感を、フェンダーの盛り上がりで“クルマ感”を演出した」と説明する。
左側から開くバックドア周辺の、左右非対称デザインが特徴的。ボディ色8色、内装色3色、計24通りのバリエーションを揃える。

インテリアには、ソファのような分厚いクッションのシートや大型アームレスト、家電やオーディオをイメージしたセンタークラスターなど、最近流行りの「自分の部屋でくつろいでいるような感覚」を取り入れた。ドアトリムやダッシュボードには、角を丸めた四角のシボを配し、道具感を演出したという。
収納スペースはジマンのひとつ。運転席を中心に、最高で22カ所(グレードによる)のボックス、ポケット、フック、ホルダーなどが備わる。一見クッションの継ぎ目に見える前席ベンチシート中央の溝は、「センタースリット」と呼ばれるリッパな収納場所。高速道路のチケットやCDを差し込むことができる。


リアドアのヒンジがあるボディ右側は、CピラーとDピラー間のクォーターガラスがない。左側は、濃色ガラスでブラックアウト化される。
 

ボディサイズは、全長×全幅×全高=3730×1670×1640mm。先代より全長で20mm短いが、全幅は60mm、全高は15mm大きくなった。ホイールベースは70mm長くなり2430mmと、ベースのマーチと同じ。商品企画本部の國見真志氏によると、マーチの開発段階でキューブを造ることが決定していたので、ホイールベース長はキューブを念頭におき設定したという。取り回しのしやすさの目安、最小回転半径は、先代5.0mから、マーチと同じ4.4mに縮小された。

延長されたホイールベースのおかげか、室内の広さは、旧型に較べて30mm長く、35mm幅広く、10mm高くなった。後席は、7段階の角度調節と220mmのスライドが可能で、最大602mmの「シーマ並のニールーム」(プレス資料)を作り出せる。ダブルフォールディングはできないが、シートバックを前に倒して前へスライドさせれば、荷室を307リッターから最大460リッターまで拡大できる。



 

■約7割をU-LEVに

エンジンは、マーチ譲りの1.4リッター直4DOHC「CR14DE」。最高出力98ps(4WDは97ps)/5600rpm、最大トルク14.0kgm(同13.9kgm)/3200rpmと、パワー、トルクともマーチのものと同じだ。
全車、平成12年基準排出ガス75%低減レベル「超-低排出ガス車」(U-LEV)認定を受けているのはポイントだ。日産は、販売するクルマの8割をU-LEVにする自社目標を掲げている。現在は約6割だが、キューブの発売で、さらに1割上乗せする予定という。
コラムシフトを採用したトランスミッションは、ギア比含めマーチと同じ4段ATに加え、新開発の6段マニュアルモード付きCVT(無段変速機)「エクストロニックCVT-M6」を、2WD仕様の上位2グレードに設定。走行に応じて「スポーツモード」と「マニュアルモード」を選ぶことができ、ステアリングホイールに設けられたスイッチでシフトアップ&ダウンする。
駆動方式はFF(前輪駆動)と、マーチと同じ、後輪をモーターで駆動させて滑りやすい路面など必要に応じて4WDとして作動する「e-4WD」をラインナップする。


サイドビューとこの写真を見比べると、左右非対称であることがわかる。
 

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビームと、形式はマーチのものと同様。ただマーチよりも重量があるためか、フロントサスペンションにはスタビライザーが標準で備わり、操縦安定性や乗り心地の向上が図られた。

安全装備は、アクティブセーフティーではEBD付きABS、ブレーキアシストが全車標準装備。受動安全装備は、前席SRSエアバッグやロードリミッター付きプリテンショナーシートベルトに加え、追突時にヘッドレストが前方に移動してむち打ちを軽減する「アクティブヘッドレスト」が備わる。

グレードと価格は、以下の通り。

「BX」(2WD/4AT):119.8万円
「SX」(2WD/4AT):124.8万円
「SX」(2WD/CVT):129.6万円
「EX」(2WD/4AT):144.2万円
「EX」(2WD/CVT):149.0万円
「SX」(4WD/4AT):142.8万円
「EX」(4WD/4AT):162.2万円

(webCGオオサワ)

日産「キューブ」:http://www.nissan.co.jp/CUBE/

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