F1イタリアGP、バリケロ3勝目

2002.09.16 自動車ニュース

F1イタリアGP、バリケロ3勝目

F1世界選手権第15戦イタリアGP決勝が、2002年9月15日、イタリアはモンツァ・サーキット(5.783km)を53周して行われた。優勝は、ルーベンス・バリケロ。今シーズン3勝目、通算4勝目をあげた。2位にミハエル・シューマッハーが入り、フェラーリは地元GPで今年7度目の1‐2フィニッシュを達成した。
ジャガー・コスワースのエディ・アーヴァインがチーム最高位タイの3位入賞を果たした。
以下、4位ヤルノ・トゥルーリ、5位ジェンソン・バトンとルノーがダブル入賞、6位にはBARホンダのオリヴィエ・パニスが入り最後の1点を獲得した。
佐藤琢磨のジョーダン・ホンダは12位完走だった。

■「最速記録」樹立

1922年に創設された伝統あるサーキット、モンツァは、4本の直線をコーナーとシケインで結んだ、超高速コースとして知られる。
記録ラッシュにわく2002年、ここでも新たなレコードが樹立された。といっても、圧倒的な強さを見せつけているワールドチャンピオンのシューマッハー/フェラーリによって、ではなかった。

土曜日の予選、ウィリアムズBMWのファン・パブロ・モントーヤは、1分20秒264を叩きだし今シーズン7回目のポールポジションを獲得した。1周の平均時速は259.827km/h。1985年にケケ・ロズベルクのウィリアムズ・ホンダがシルバーストーン・サーキットで記録した最速の平均時速、259.005km/hを上回るレコードが生まれた。
1000psを超えるホンダのターボエンジンを搭載していた17年前のウィリアムズ。新記録は、1万9050rpm(!)も回るBMWユニットによりもたらされた。

■最初だけ、エキサイティング

決勝上位グリッドは、1位モントーヤ、2位ミハエル・シューマッハー、3位ラルフ・シューマッハー(ウィリアムズBMW)、4位バリケロというオーダー。
好スタートを決めたラルフは、直線でモントーヤに並び、第1コーナーをショートカットするカタチで1位の座を得た。2位モントーヤの真後ろにバリケロ、4位はミハエル。ハイスピードな2強の接近戦は、しかし長続きせずに終わった。
トップのラルフは、最終コーナー「パラボリカ」手前で失速、白煙をあげて4周でリタイアした。
その数秒後、バリケロがモントーヤをパスし首位へ。第2シケイン手前で挙動を乱したモントーヤはシューマッハーにもオーバーテイクされ3位に脱落。このときコースオフしマシンにダメージを負い、モントーヤのレースは33周で終わった。

ライバルの自滅であっさりと1‐2体制を築いたフェラーリ。2ストップのバリケロが軽いマシンでペースセッターとなり、1ストップのシューマッハーは危なげなく周回をこなした。紅いトップの2台には、競り合う気配すら感じられなかった。
フェラーリと「ティフォシ」(フェラーリの熱狂的なファン)にとって、最良のレースとなった。

■好調、ジャガー

シーズン当初から低迷していたジャガーが、後半にきて好調だ。前戦ベルギーGPで開幕戦以来の6位1点を得たアーヴァイン。今回も予選5位から着実に順位をあげ、昨年モナコGP以来のポディウム・フィニッシュに成功した。
かつてのフェラーリ“セカンドドライバー”だったアーヴァインは、レース後の記者会見で、「フェラーリ時代はよくポディウムに乗っていたよねえ」と(いたずらっぽく)コメントした。
なおチームメイトのペドロ・デ・ラ・ロサは、フィリッペ・マッサ(ザウバー・ペトロナス)と接触しリタイアした。
4位トゥルーリ、5位バトンのルノー勢は、1ストップ作戦があたり計5点を獲得。6位フィニッシュのパニスは、2回目のピットイン前に3位まで上昇。予選16位から6位入賞は上出来だ。

1周目にフロントウィングを落としたデイヴィッド・クルタードのマクラーレン・メルセデスが7位。チームメイトのキミ・ライコネンはマシントラブルで29周リタイア。
佐藤のチームメイト、ジャンカルロ・フィジケラ(ジョーダン・ホンダ)が8位、ジャック・ヴィルヌーヴ(BARホンダ)9位、ニック・ハイドフェルド(ザウバー・ペトロナス)10位、トヨタのミカ・サロ11位、佐藤12位、2戦ぶりのレースとなったアレックス・ユーンのミナルディ・アジアテックが13位で完走した。

■不本意なレース

予選18位、決勝12位完走の佐藤琢磨は、今回の結果を「不本意」と語った。
「レース序盤は本当に厳しい戦いを強いられました。クルマはとても扱いにくく、このためかなり遅れをとってしまいました。ピットストップをしてからは状況も良くなり、特に最後の15周くらいは思い切って走ることができましたが、難しいレースだったことには変わりありませんね。」

マシンの不調に加え、予選では大クラッシュにも見舞われた。最後のアタックに入っていた佐藤の前方に、ピットからコースに出たばかりのライコネンのマシンが。スピードにのっていた佐藤はライコネンを避けきれず、1コーナー手前で接触、両車とも部品を飛ばしながらコースアウトした。幸い大きな怪我はなかったようだが、ツキがない。
なおレーススチュワードは、ライコネンの非を認め、ペナルティとして予選のベストタイムを剥奪した。

来シーズンの動向も気になる佐藤。残りは、最終戦日本GPを含め、2戦だ。

■激戦の中堅チーム

ドライバーズランキングは、チャンピオンのシューマッハーがさらに6点を加算し、128点を獲得。2位バリケロは3位モントーヤに17点差をつけ、“フェラーリ完全制覇”に王手をかけた。

コンストラクターズランキングでは、既にタイトルを手中に収めているフェラーリが189点、2位はウィリアムズで86点、3位マクラーレン57点、4位ルノー20点。
ジャガーの表彰台で中堅チーム間の争いが面白くなった。11点の5位ザウバーを、6位にジャンプアップしたジャガーが3点差で追う展開。以下7位ジョーダン7点、8位BAR6点と、残り2戦で熾烈さが増している。

次戦は9月29日、アメリカGPだ。

(文=webCG 有吉/写真=本田技研工業)


扱いにくいマシンに手を焼いた佐藤琢磨は12位フィニッシュ

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。