「G-BOOK」は最強のネットワークサービスになるか?

2002.09.05 自動車ニュース

「G-BOOK」は最強のネットワークサービスになるか?

クルマと外部との情報通信、いわゆるITSに熱心なトヨタ自動車が、いよいよ形を見せてきた。「G-BOOK」がそれだ。2002年9月4日に行なわれた記者発表会で、詳細な内容とともに、この秋に発売が予定される新型車にG-BOOKを標準搭載するとアナウンスした。利用料金などに関してはまだ未定で、これも車両搭載時に発表される。

トヨタがこれまで押し進めてきた情報通信ネットワークとしては、MONET(モネ)が有名である。モネが単なる情報を配信する第一世代のカーテレマティクスサービスであったとすれば、G-BOOKは第二世代。双方向通信であること、通信手段が携帯電話を使わないこと、サービス内容もさまざまな業種のものまでカバーすること、などが特徴である。これらの先端機能を活かしたサービス内容についてはのニュース(トヨタの新しいテレマティクス「G-BOOK」)に詳しいが、ここではその内容補足と突っ込んだ解説をしてみよう。

まず、通信手段であるが、DCM(データ通信モジュール)とはKDDIが開発した高速の通信インフラ「CDMA 2000 1X」を使ったもの。フロントガラスにプリントされたアンテナを介して送受信し、144bpsのスピードで高速転送する。いくら高速とはいえ頻繁にセンターにアクセスするのでは通信料金がバカにならない。事実、モネは通信料金が最大のネックとなって姿を消した。その痛い経験からG-BOOKでは利用時間は勘案せず、驚くほど安い月額基本料金(金額は未定)を設定するという。

ナビゲーション機能に関してはハード面でも考え方の点でも、これまでの概念とは一線を画する。驚くことに本体にはこれといった記録媒体を持っていない。ハードディスクはもちろん、CD-ROMやDVD-ROMさえない。ではどこで地図情報を蓄えているかといえば、たった1枚のSDカードである。
この256MBの小さなメディアにナビを含めたすべてのOSと、50mスケール(100m地図をズームアップしただけのものだが)以上の全国地図を収めているのである。これまでのカーナビの概念からしたら、まず不可能なように思われるが、データをコンパクト化したのと、検索データを車両の端末ではなくサーバー側に置くことでここまでスリムにしたという。したがって電話番号なり住所などで目的地を検索しようとすれば、情報センターにアクセスすることが必要になる。このメリットは常に最新のデータベースが使えるということ。日々刻々変化するガソリンスタンドやコンビニをはじめ、旬なレストラン情報も、センターのデータベースに加わった時からユーザーの検索対象になるわけである。

では、市街地詳細地図(25mスケール)は見られないのかといえば、さにあらず。カラオケ曲や最新音楽と同じように、コンビニ等に設置された端末「E-TOWER」で有料ダウンロードできるのである。必要な時に必要なエリアだけを、という考え方だ。約10km四方で数百円というのがおおよその料金である。現在のところサービスの予定はないが、いずれは基本となる全国地図の更新もこのやり方で可能だという(料金は未定)。

機械操作が苦手な人のために電話でオペレーターとやりとりする、日産のコンパスリンクのやり方をそのまま頂戴したような、ちゃっかりした部分もあるが、実際の走行距離などから割り出した「リモートメンテナンスサービス」や、自分の停めた場所を忘れてしまった時にその場所を携帯電話などで知ることができる「マイカーサーチ」、さらには自動決済が可能な「Eコマース」など、独自かつ魅力的なサービスが多いG-BOOK。モネをはじめ、これまでまったく根付かなかった情報通信サービスだが、それは本当にユーザーが欲しい情報、サービスが提供されていなかったから。その点、G-BOOKは明らかに使ってみたいと思わせるサービスが多く、トヨタが総力を挙げて作り上げただけの内容になっている。

詳しくは、ホームページ:http://g-book.com/

(カーナビの達人編集長・尾沢英彦)

 
「G-BOOK」は最強のネットワークサービスになるか?の画像

説明会場では、実際に「G-book」を使ってのデモンストレーションがされた。
 

	説明会場では、実際に「G-book」を使ってのデモンストレーションがされた。
	 


 
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コンビニなどに設置されている端末「E-TOWER」からSDカードにダウンロードした最新音楽などを、車内で聞くことができる。
 

	コンビニなどに設置されている端末「E-TOWER」からSDカードにダウンロードした最新音楽などを、車内で聞くことができる。
	 

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