F1第14戦ベルギーGP結果

2002.09.02 自動車ニュース

F1第14戦ベルギーGP、シューマッハー10勝目で新記録

2002年9月1日、F1世界選手権第14戦ベルギーGP決勝が、ベルギーはスパ・フランコルシャン・サーキット(6.963km)を44周して行われた。フェラーリのミハエル・シューマッハーがポール・トゥ・ウィンで今シーズン10勝目を飾り、自身(とナイジェル・マンセル)が保持していたシーズン最多勝記録を更新、通算勝利記録を63勝とした。
2位はルーベンス・バリケロで、フェラーリは今シーズン5回目の1-2フィニッシュ。3位はファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)だった。
以下、4位デイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)、5位ラルフ・シューマッハー(ウィリアムズBMW)、6位エディ・アーヴァイン(ジャガー・コスワース)が入賞した。
佐藤琢磨(ジョーダン・ホンダ)は、最後尾の11位完走だった。

■記録の地、スパで

シーズン最長のコース、スパ・フランコルシャンは、緑豊かなベルギーのアルデンヌ地方にある。自然の地形をいかしたコースには、名物の「オールージュ」を始め、高中低速すべてのコーナーが揃い、名うてのドライバーズサーキットとして知られている。

1991年、新興チームのジョーダンから、ひとりの若手ドイツ人ドライバーがスパでデビューした。予選で7位の座を得、非凡な才能を世に知らしめた。
その翌年の同じ地で、この男はベネトンを駆り初優勝。それから9年後、場所はやはりスパで、彼はアラン・プロストの打ちたてた最多勝記録を抜く52勝目を標した。

スパ・フランコルシャンとミハエル・シューマッハーの関係は、かくも深いものがある。

2002年、5回目のワールドタイトルを獲得したシューマッハーは、同地で初のポールポジションを奪取。レースでは誰からも脅威を受けることなく、まさに異次元の速さで今シーズン10勝目を掻っ攫った。シーズン最多勝記録樹立。また新たなレコードがスパで生まれた。

すっかり見慣れた、紅いマシンの1-2フィニッシュ。フェラーリは、1999年マレーシアGP以来、一度も表彰台を逃したことはなく、今回は記念すべき50回目のポディウムフィニッシュだった。この数もGP史上最多で、2位はフェラーリが1950年-1955年に記録した34連続の表彰台、3位はウィリアムズの17回となる。

フェラーリとシューマッハーの記録樹立ラッシュは、この先いつまで続くのだろうか。

■音をあげたホンダエンジン

「スパ・ウェザー」という言葉があるくらい、スパでは天候が変わりやすいのだが、今年は、金曜日の霧以外に天気が崩れることはなかった。

ポールのシューマッハーはクリーンなスタートをきめ、鋭角の第1コーナー「ラ・ソース」へ。予選で健闘し自身最高の2番グリッドを得たキミ・ライコネンのマクラーレン・メルセデスは、3番グリッドのバリケロにパスされ3位に後退。ライコネンは、山岳セクションの「プーホン」で姿勢を崩し、モントーヤにも先を越されてしまう。

シューマッハーは、序盤からファステストラップを連発し独走態勢を築く。3位モントーヤに1周あたり1〜2秒、同じマシンに乗る2位バリケロに対しても約1秒速いペース。誰も追いつくことはできない孤高の首位だった。バリケロもその後ろで孤独なドライビングに終始した。レースの真ん中22周目、1位シューマッハーと2位バリケロの差は18秒、3位モントーヤはトップから40秒後方。

一方で中堅チームは接戦を繰り広げた。特にBARホンダのジャック・ヴィルヌーヴは、久々にやる気を感じる(!?)アグレッシヴなドライビングを見せ、アラン・マクニッシュ(トヨタ)やジャンカルロ・フィジケラ(ジョーダン・ホンダ)らとバトルを演じた。ヴィルヌーヴは結局8位でレースを終えた。

レース後半、エンジン全開時間が長いスパで、音をあげるマシンが続出した。ライコネン(35周)、ザウバー・ペトロナスのフェリッペ・マッサ(37周)、フィジケラ(38周)、BARホンダのオリヴィエ・パニス(39周)と、派手なエンジンブローでリタイアするマシンたち。なかでもホンダは2台が白煙をあげて戦列を去るという、不名誉な結果を残してしまった。

5位走行のヤルノ・トゥルーリ(ルノー)はマシントラブルに襲われ35周でリタイア。
これに喜んだのがラルフ・シューマッハー。“宿敵”モントーヤを上まわる予選グリッド4位のラルフだったが、スタートでモントーヤとクルタードにかわされ、17周目に自身のミスでスピンをきっすなど、いいところがなかった。5位2点は上出来といえよう。
ラッキーなのは、6位入賞のアーヴァインも同じ。ジャガーは開幕戦以来の貴重なポイント1点を獲得した。

終盤、4〜5秒もペースを落としクルージングしたシューマッハーが余裕の勝利。2位バリケロは約2秒後、3位モントーヤは約19秒後にチェッカードフラッグを受けた。

ポイント圏外は、7位ミカ・サロ(トヨタ)、8位ヴィルヌーヴ、9位アラン・マクニッシュ(トヨタ)、10位ニック・ハイドフェルド(ザウバー・ペトロナス)、11位佐藤琢磨のジョーダン・ホンダだった。

■ひどいオーバーステア

予選16位からスタートした佐藤は、結局11位でゴールした。

「厳しい戦いを強いられた週末でした。スタートも良くなく、まだデータを見ていないので何とも言えませんが、クルマはひどいオーバーステアでナーバス、しかもあちこちで跳ねてしまい、これだけで2、3秒はロスしたと思います。」

決まらないマシンは、チームメイトのフィジケラも同じ。昨年のベルギー、ベネトンで3位入賞をはたしたことは今は昔、フィジケラは予選14位と低迷した。1ストップ作戦に賭けたレースでも、オールージュを抜けた「ケメル・ストレート」で今回一番の白煙と炎をあげリタイア。名手をもってしてもいいところなく、ジョーダンの第14戦は終わった。

来シーズンはホンダと袂を分かち、巨人フォードとタッグを組むジョーダン。14戦を終えた今シーズン、フィジケラによる7点でコンストラクターズランキングは6位だ。

■2位バリケロが足固め

残り3戦。チャンピオンのシューマッハーはさらに10点を加え、122点をポケットに収めた。
コンストラクターズタイトルも手に入れたフェラーリの次の目標、バリケロのランキング2位も、徐々にだが現実味を帯びてきた。6点を加算し51点。3位モントーヤに7点の差をつけた。

コンストラクターズランキングは、チャンピオンのフェラーリが173点、2位ウィリアムズ86点、3位マクラーレン56点というオーダーだ。

次はフェラーリの地元GP、イタリア。稀にみる独走状態を誇る“跳ね馬”に死角はあるのか。決勝レースは9月15日。

(webCG 有吉)


スパ・フランコルシャンは、鈴鹿と並びドライバーに人気のあるサーキット。下って左、上って右の「オールージュ」は、F1きっての難コーナーだ(写真はトヨタ自動車)


チームメイトのジャンカルロ・フィジケラ同様、佐藤琢磨は苦戦を強いられた。予選16位、決勝11位(写真は本田技研工業)

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