イギリス勢では2台のニューモデルに注目【ジュネーブショー2013】

2013.03.11 自動車ニュース
ロールス・ロイスのブース。
ロールス・ロイスのブース。

【ジュネーブショー2013】イギリス勢では2台のニューモデルに注目

世界的な高級車の代名詞たるロールス・ロイスを筆頭に、長年の歴史と伝統に裏打ちされたブランドを数多く擁するイギリス。今回のジュネーブショーでは2台の注目車種が世界初公開され、イタリア勢とは趣を異にする華やかさで、会場の話題を集めていた。

「ファントム」「ゴースト」に続くロールス・ロイス第3のモデル「レイス」は、優雅なハッチバックスタイルのクーペとして登場。
「ファントム」「ゴースト」に続くロールス・ロイス第3のモデル「レイス」は、優雅なハッチバックスタイルのクーペとして登場。
「ベントレー・フライングスパー」
「ベントレー・フライングスパー」
同じく「ベントレー・フライングスパー」のリアビュー。
同じく「ベントレー・フライングスパー」のリアビュー。

■ロールス・ロイス第3のモデル「レイス」がデビュー

ロールス・ロイスブースの正面左側には、新たに発表された「レイス」が飾られていた。レイスはファストバックボディーを持つ、2ドア4シーター。ルーフからトランクエンドまでほぼ一直線になだらかにつながっている。グリーンハウスを一周している太いクロムメッキモールディングがアクセントになっている。
とても大きなクルマだが、大きなことを厭(いと)わない造形は遠慮しなければならないものが存在しないロールス・ロイスならではだ。
パープルが少し混じったブラウンメタリックと淡いシャンパンゴールドのツートーン塗装は華やかだ。
存在感の強烈さは今回のショーでも一、二を争っていたと思う。このクルマが自分の町を走っている姿を想像してみてほしい。それが「ファントム」だったらフォーマルリムジンユースなのだから、それ相応の人物が相応の目的をもって乗っていると納得できるだろう。でも、パーソナルな巨大ファストバックをいったい誰が乗るのだろう? クラクラしてくる。
V12エンジンは最高出力624psと最大トルク81.5kgm。8段ATを介して、0-96km/h加速4.4秒。

一方ベントレーでは、「フライングスパー」が大きく変わったのが最大のニュース。丸形ヘッドライトを4つ配したフロントフェイスこそ先代から変わらないが、ボディーもキャビンもテールもガラリと変わった。
グリーンハウスを縁取る太めのクロムメッキが「ミュルザンヌ」のそれを思わせる。
前後フェンダーのエッジ部分の鋭さは「コンチネンタルGT」にも共通しているが、フライングスパーでも変わらない。前後フェンダーそのものの張り出しも大きくなり、リアフェンダーなどは5センチぐらいも張りだしている。小型カメラぐらい置けそうだ。
インテリアに変更点は見当たらなかった。極上質の革とウッドと金属をふんだんに用いた豪奢(ごうしゃ)な空間がコンチネンタルGTと同じように広がっている。

ブランドの創立100周年を祝う「アストン・マーティン ヴァンキッシュ」の特別限定車。
ブランドの創立100周年を祝う「アストン・マーティン ヴァンキッシュ」の特別限定車。

またアストン・マーティンは、創業100周年を記念した巨大なケーキと一緒に「ヴァンキッシュ」とパワーアップした「ラピードS」を持ち込んだ。マネージングダイレクターのデイビッド・リチャーズとCEOのウルリッヒ・ベッツもブースに姿を見せていた。「DBR1」やそれが活躍した1960年代のレースの記録フィルムなどを流しながら自身の100周年を祝っていた。
100周年は立派で、アストン・マーティンがモータースポーツと高級車の世界でいかに輝かしい歴史を築き続けてきたかを、今回の展示は物語っている。だが、他の高級スポーツカーメーカーと比べて余裕のようなものが感じられないのは、狭いブースに多くのモデルをたくさん並べているからなのか? それとも、それらのモデルがそろってモデルチェンジのタイミングをうかがっているからなのだろうか?

「ジャガーFタイプ」
「ジャガーFタイプ」
「Fタイプ」の発表会に登場した、ノーマン・デュイス(Norman Dewis)氏。
「Fタイプ」の発表会に登場した、ノーマン・デュイス(Norman Dewis)氏。
ルマン参戦車両にあやかって、伝統のガルフカラーをまとう「モーガン3ホイラー」の特別仕様車「ガルフエディション」。
ルマン参戦車両にあやかって、伝統のガルフカラーをまとう「モーガン3ホイラー」の特別仕様車「ガルフエディション」。

■往年の名手も「ジャガーFタイプ」のデビューを祝福

「ロールス・ロイス レイス」のほか、今回のジュネーブショーでは、昨年のパリ自動車サロンで発表されたジャガーの新型スポーツカー「Fタイプ」の市販版も姿を現した。
オープン2シーターで後輪を駆動するジャガーとしてはすでに「XK」シリーズが存在するが、Fタイプはひと回り小さい。搭載されるエンジンはV6の自然吸気とスーパーチャージド、V8スーパーチャージドの3種類。
優美な曲線と曲面で構成される、フェミニンなスタイリングのXKシリーズに対して、Fタイプは前後フェンダーラインやテールライトなどの造形には鋭いエッジが引き立てられているところに独自性を見いだせる。

プレゼンテーションでは、ジャガー・ランドローバーのCEOラルフ・ピーシュに続いてブランドマネジャーのエイドリアン・ホールマークがスピーチした。
「Fタイプは、現行のXKシリーズはもちろん、『XK120』『Eタイプ』などジャガースポーツカーの伝統を受け継ぎ、現代のテクノロジーで作り上げられた最新のスポーツカーです」
かつて1950年代に、XK120でベルギーの公道で世界記録を樹立した時の画像と、運転していた伝説のテストドライバー、ノーマン・デュイスご本人(92歳!)を紹介した。Fタイプでは同様のトライアルを行い、”シルクカットジャガー”「XJR」でルマンを制したアンディ・ウォレスが挑戦した。

モーターショーでのプレゼンテーションや新車の発表会の最後にはテレビCMが放映されることが多いが、Fタイプのそれはとても興味深かった。Fタイプを用いた15分の作品が製作され、その一部が流された。タイトルは「Burning Desire」。中森明菜の唄のタイトルみたいだが、監督はなんとあのリドリー・スコット。『ブレードランナー』や『グラディエーター』を作った巨匠である。Webサイトで公開されるというから、どんな作品に仕上がっているのか今から楽しみだ。

もうひとつ興味深いものだったのがモーガンだ。 シブいブルーグレーで出展車のボディーカラーをそろえたモーガンブースの端に置かれていたのは、水色にオレンジ色のストライプの“Gulf colour”の「3ホイーラー」。まさか、3ホイーラーで「ポルシェ917」や「フォードGT40」のようにレースを戦うわけではないだろうけれども、モーガンのこうしたしゃれっ気が見られるのもモーターショーの醍醐味(だいごみ)のひとつだろう。

今回のジュネーブショーにはマクラーレンもブースを出展。「MP4-12C」に加え、ニューモデル「P1」を展示していた。
今回のジュネーブショーにはマクラーレンもブースを出展。「MP4-12C」に加え、ニューモデル「P1」を展示していた。

(文と写真=金子浩久)

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