アウディは2種類の最新エコカーを発表【ジュネーブショー2013】

2013.03.09 自動車ニュース
「A3スポーツバック g-tron」
アウディは2種類の最新エコカーを発表【ジュネーブショー2013】

【ジュネーブショー2013】アウディは2種類の最新エコカーを発表

フォルクスワーゲン・グループの一角をなすアウディブース。2013年のジュネーブショーでは、いかにも「コンセプトカーでございっ!」といった感じの非現実的なモデルはなく、プラグマティックな展示に終始した。

「A3スポーツバック e-tron」
「A3スポーツバック e-tron」
 
アウディは2種類の最新エコカーを発表【ジュネーブショー2013】の画像
 
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■66.6km/リッターのPHV:A3スポーツバック e-tron

アウディは次世代技術の分類として、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に「e-tron(イートロン)」というサブネームを与える。「A3スポーツバック e-tron」(以下A3 e-tron)はPHV。パワートレインはPHV用に最適化した1.4リッターTFSIエンジン(最高出力150hp、最大トルク25.5kgm)とモーター(同100hp、同33.7kgm)の組み合わせで、モーターはデュアルクラッチトランミッションのSトロニックに組み込まれている。
前輪駆動。エンジンとモーターはともに駆動に用いられるが、それぞれの特性を生かしてスタートから2000rpmあたりの領域をモーターが、1750-4000rpmあたりをエンジンが受け持つ。また、モーターとエンジンを同時に駆動に使うブースティングモードを選ぶこともできる。リアシート下に積まれるリチウムイオンバッテリーの容量は8.8kWh。

動力性能は0-100km/h加速が7.6秒、最高速222km/h、燃費は1.5リッター/100km(66.6km/リッター。欧州PHV用モード向け規格)、CO2排出量35g/km。EVモードでの最高速130km/h、航続距離は最大50km、エンジン併用での航続距離は最大940kmを誇る。

PHVの代表的モデル、「プリウスPHV」の燃費は57.2〜61.0km/リッター。計測条件が異なるが、A3 e-tronの66.6km/リッターとほぼ互角だ。
電池容量はプリウスPHVの5.2kWhに比べ、A3 e-tronは8.8kWh。この容量の違いがEVでの最大航続距離の違いとなって表れている。プリウスPHVは24.4〜26.4km、A3 e-tronは50km。プリウスPHVは電池の寿命やレスポンスを重視して容量の半分程度しか使用しないよう制御されているが、A3 e-tronの詳しい制御は明らかになっていない。エンジンの性能も含めた全体的な動力性能は少しずつプリウスPHVを上回っていて、プリウスPHVがベンチマークとして機能した可能性もうかがえる。

「A3スポーツバック g-tron」
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アウディは2種類の最新エコカーを発表【ジュネーブショー2013】の画像
 
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■1300km航続できる:A3スポーツバック g-tron

「A3スポーツバック g-tron(ジートロン)」は圧縮ガスとガソリンを併用して走行することができるモデルで、2013年内にドイツ本国での発売が予定されている。ラゲッジスペースに安全性の高いガスタンクが2本設置され、1本あたり7kgのガスを最大200バールの圧力で充塡(じゅうてん)することができる。このガスを使って400kmの走行が可能。天然ガスを使い切ると自動的に燃料がガソリンに切り替わって900kmの走行が可能、合計で1300kmの航続距離を実現している。

A3スポーツバック g-tronは「アウディe-gas(イーガス)プロジェクト」の一環として開発された。化石燃料である天然ガスを充塡して走行することもできるが、アウディがドイツ・ニーダーザクセン州のヴェルルテに建設した生産設備で精製されたメタンガス「アウディe-gas」を使うことで、よりCO2排出量の低減に寄与できるという仕組み。
この生産設備は、まず再生可能な電力を生産し、その電力を使って水から水素と酸素を取り出し、最終的に燃料電池車用の水素を確保することを目的としている。しかし、現状では燃料電池車は普及していないため、取り出した水素をCO2と化合させ、再生可能な化学合成メタンガスに転用している。このガスこそがアウディe-gas。アウディe-gasは天然ガスと同様に流通させ、使用することができるが、そもそもが再生可能な電力から生まれているため、CO2ニュートラルとして扱われるというわけ。

自動車メーカーがエネルギー連鎖をコントロールし、総合的なCO2排出量を減らすという複雑かつ壮大な計画の発表なのであった。

(文と写真=塩見 智)

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