【スペック】全長×全幅×全高=4615×1760×1495mm/ホイールベース=2700mm/車重=1240kg/駆動方式=FF/1.8リッター直4DOHC16バルブ(131ps/6000rpm、17.7kgm/3600rpm)/燃費=15.6km/リッター(JC08モード)/価格=238万9800円(テスト車=同じ)

日産シルフィ G(FF/CVT)【試乗記】

佳き時代のセダン 2013.03.06 試乗記 日産シルフィ G(FF/CVT)
……238万9800円

日本におけるコアターゲットは「60代の、妻とふたり暮らしの男性」。長年セダンを乗り継いできた熱心なオーナーへ向け、日産がささげる「アガリの一台」は、どのようなクルマに仕上がっているのか。

幸せってなんだっけ?

某日の朝6時50分頃、私は新型「シルフィ G」、238万9800円のステアリングを握って、都心へと向かう渋滞ラッシュのなかにいた。でもって、文化放送の「吉田照美ソコダイジナトコ」を聞いていた。日本柔道女子代表監督辞意のニュースが駆け巡った日で、体罰は脳を萎縮させるという医学データがある、という話を出演者のドクター某(なにがし)がしていた。新型シルフィの室内はたいへん静かで、ラジオを聞くには好適な環境であった。意外なのは、乗り心地が硬めなことで、やっぱりファームなんだなぁ、という感慨があった。といって硬すぎるわけではなくて、タイヤのゴツゴツ感はまるでなく、これぞ、走りのニッサン! と膝をうつファンもいらっしゃることだろう。

ファミリーカーながらステアリングは正確で、ハンドリングはスポーティーといってよかった。いっときハンドリング世界一を目指した日産の面目躍如ではあるまいか。機械面での不満をあえてあげるとすれば、エンジンが凡庸なことだろう。新開発の1.8リッター直4DOHCは、最高出力131ps/6000rpm、最大トルク17.7kgm/3600rpmを発生するロングストロークの実用タイプで、無段変速機(CVT)と組み合わされる。CVTはエンジン回転を低めに制御して燃費を稼ぎつつ、アクセルの開閉に合わせた加速フィールをうまくつくり出していて、CVTゆえの違和感は微塵もない。だからこそ、である。足まわりとの関係でもって、自動車の魂であるエンジンにもうちょっとスポーティーな香りがあったりしたら、よりいっそう魅力的なsylph(「ほっそりした優美な少女」の意)になるのではないか? 新型シルフィは新型でありながら、少なくとも少女という感じはない。どっちかというと、おばさんである。

ないものねだりであるやも知れぬ。少女もいずれおばさんになることを、私も知っている。ひとによっては、具体的にはキャンディーズのランちゃんかミキちゃんかスーちゃんであるが、フツウのおばさんになりたい、といっときは思ったのである。平凡であることが幸福を意味したりもする。新型シルフィに乗っていると、幸せってなんだっけ、と思うのだった。

パワーユニットは1.8リッター直4エンジンとCVTの組み合わせのみ。従来型モデルと比べた場合、2リッター車に匹敵する加速性能と、1.5リッター車を上まわる燃費性能を併せ持つ。
パワーユニットは1.8リッター直4エンジンとCVTの組み合わせのみ。従来型モデルと比べた場合、2リッター車に匹敵する加速性能と、1.5リッター車を上まわる燃費性能を併せ持つ。
新開発の1.8リッター直4エンジン「MRA8DE」。既存の「MR18DE」よりシリンダーがロングストローク化しているほか、ヘッドには可変バルブ機構のツインVTCを採用。燃費と動力性能の向上を図っている。
新開発の1.8リッター直4エンジン「MRA8DE」。既存の「MR18DE」よりシリンダーがロングストローク化しているほか、ヘッドには可変バルブ機構のツインVTCを採用。燃費と動力性能の向上を図っている。
試乗したのは3種類あるグレードのうち、最上級グレードにあたる「G」。195/60R16サイズのタイヤとアルミホイールを標準装備する。
試乗したのは3種類あるグレードのうち、最上級グレードにあたる「G」。195/60R16サイズのタイヤとアルミホイールを標準装備する。

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