ニスモが今年のモータースポーツ活動計画を発表

2013.02.28 自動車ニュース
柿元総監督を中心に、SUPER GTのGT500クラスに参戦する4チームの監督とドライバーたち。
ニスモが今年のモータースポーツ活動計画を発表

ニスモが2013年のモータースポーツ活動計画を発表

2013年2月26日、日産自動車とニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)は、2013年のグローバルモータースポーツ活動計画を発表した。

発表は、横浜市鶴見区に移転オープンしたニスモのグローバル新本社で行われた。以下に、その概要を紹介する。

GT500クラスに参戦する「MOTUL AUTECH GT-R」。(写真=日産自動車)
GT500クラスに参戦する「MOTUL AUTECH GT-R」。(写真=日産自動車)

ニスモが今年のモータースポーツ活動計画を発表の画像
上の写真2点は、GT500用「GT-R」のリアウイング翼端板とディフューザー後端に採用された「シャークティース」。言葉のごとくサメの歯のようなギザギザ形状になっており、床下まわり形状の最適化と併せて、ダウンフォースを維持しつつ、ドラッグを大幅に低減したという。
上の写真2点は、GT500用「GT-R」のリアウイング翼端板とディフューザー後端に採用された「シャークティース」。言葉のごとくサメの歯のようなギザギザ形状になっており、床下まわり形状の最適化と併せて、ダウンフォースを維持しつつ、ドラッグを大幅に低減したという。

■GT500のエースドライバーが交代

1. SUPER GT
・GT500
国内最高峰のGT500は、2014年からDTMと車両規則が統一されるため、今季は現行規則の「GT-R」で戦う最後のシーズンとなる。車両に関しては空力とエンジンの改善に重点をおいて開発を行い、前人未到の同一メーカー3連覇を目指す。

チーム体制については、NISMO、MOLA、TEAM IMPUL、KONDO RACINGの4チーム、4台のGT-Rが参戦することは昨季と同じだが、ドライバーラインナップが変更された。一昨年、昨年と2連覇したMOLAの柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組がNISMOに移り、エースナンバー23(ニッサン)のマシンでエントリーする。タイヤはミシュランを使用。「非常に困難な連覇を成し遂げた2人が、エースの座に就くのは当然のこと」と、日産系チームの総監督を務めるニスモの柿元邦彦氏は語った。

いっぽう2002年からNISMOの顔として活躍してきた本山哲は、心機一転MOLAから参戦。2011年の全日本F3王者である若手の関口雄飛と組み、後進の育成にもあたる。タイヤはミシュランを使う。
TEAM IMPULは松田次生/J.P.オリベイラと変わらず、タイヤも引き続きブリヂストン。
KONDO RACINGは安田裕信は残留だが、ペアを組むのはベテランのミハエル・クルム。タイヤは長年のパートナーであるヨコハマ。なお、クルムは今季からニスモのグローバルアンバサダーも務めるという。

・GT300
「GT-R NISMO GT3」で参戦。今季はNDDP(ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム)RACINGのほかに3台のプライベートチームを加え、計4台がエントリー。タイヤはすべてヨコハマを使用する。

2. スーパー耐久
KONDO RACINGと日産自動車大学校のコラボレーションにより、授業の一環としてレースに参戦する「GT-R NISMO GT3」の他、3チームから6台の「フェアレディZ」が参戦する。

SUPER GTで日産系チームをまとめる柿元邦彦総監督。来年から車両規定が変わることを見据えた上で、今季のチーム体制を構築したという。
SUPER GTで日産系チームをまとめる柿元邦彦総監督。来年から車両規定が変わることを見据えた上で、今季のチーム体制を構築したという。
高い開発能力と3カ国語(ドイツ語、英語、日本語)を操る才能などを生かして、ニスモのグローバルアンバサダーも務めることになったミハエル・クルム。
高い開発能力と3カ国語(ドイツ語、英語、日本語)を操る才能などを生かして、ニスモのグローバルアンバサダーも務めることになったミハエル・クルム。
今季の体制を発表するニスモの宮谷正一社長。モニターに映し出されているのは、オーストラリアV8スーパーカーズ。地元メーカーであるホールデンとフォード、そしてメルセデスと日産のV8エンジン搭載セダンで争われる、オーストラリアで一番人気のシリーズという。
今季の体制を発表するニスモの宮谷正一社長。モニターに映し出されているのは、オーストラリアV8スーパーカーズ。地元メーカーであるホールデンとフォード、そしてメルセデスと日産のV8エンジン搭載セダンで争われる、オーストラリアで一番人気のシリーズという。

■2014年にはEVでル・マン参戦を予定

3.ブランパン耐久シリーズ
ヨーロッパで開催されているブランパン耐久シリーズに、ニスモのビジネスパートナーでもあるJRMとRJNの2チームがそれぞれ2台の「GT-R NISMO GT3」で参戦。このうちRJNの2台は、「バーチャルの世界から現実のレーシングカーに」をキーワードに2008年に始まった、ゲームソフト「グランツーリスモ」によるバーチャルレース「GTアカデミー」の優勝ドライバー4名が駆る。

4.オーストラリアV8スーパーカーズ
オーストラリア日産が、2011年にFIA GT1のチャンピオンに輝いた「GT-R」に搭載されていた、5.6リッターV8を積んだ4台の新型「アルティマ」で参戦。

5.ルマン
ルマン24時間に参戦するLMP2クラスの17台のマシンに、かつてSUPER GTで使っていた4.5リッターV8エンジンを供給。WECや各地域のルマンシリーズに参戦するマシンにもエンジンを供給していく。

この他、日産のカルロス・ゴーン社長からは、2014年のルマン24時間耐久レースに、環境技術を採り入れた特別枠である「ガレージ56」から参戦することも発表された。マシンについてはゼロエミッションテクノロジーを用いた革新的なコンセプトのレーシングカー、すなわちEVということだったが、この参戦は新しいパワートレインをテストすると同時に、最新テクノロジーを用いたレーシングカーが、将来ルマンのトップカテゴリー(LMP1)に出場する際の、ACO(ルマン24時間の主催団体)とFIAへの必要なデータ提供も目的としているという。

ゴーン社長は「ルマンへの復帰は、当社の市販車とレーシングカーの双方にとって、もっとも厳しい環境下での実験の場への復帰となる」と語ったが、将来的にはLMP1クラスへの復帰の可能性も出てきたわけである。

(文と写真=沼田 亨)

2014年に「ガレージ56」枠からルマン24時間に参戦することを明らかにした、日産のカルロス・ゴーン社長。
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