横浜にニスモの新たな本拠地が誕生

2013.02.27 自動車ニュース
鶴見区に誕生したニスモの新社屋。外観は、日本人の磨き抜かれた感性と緻密な技術の象徴である「日本刀」をモチーフにしたという。
横浜にニスモの新たな本拠地が誕生

ニスモが横浜市鶴見区に新社屋をオープン

2013年2月26日、日産のモータースポーツ事業を担当するニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)は、横浜市鶴見区のグローバル新本社を報道陣に披露した。

エースナンバーの「23」をつけた、ニスモワークスの今季のGT500用「GT-R」の前でガッチリと握手を交わす日産のカルロス・ゴーン社長(写真左)とニスモの宮谷正一社長。
エースナンバーの「23」をつけた、ニスモワークスの今季のGT500用「GT-R」の前でガッチリと握手を交わす日産のカルロス・ゴーン社長(写真左)とニスモの宮谷正一社長。
ショールームに足を踏み入れると、壁面に飾られた、1998年のルマンで総合3位に入賞した「R390」が出迎えてくれる。
ショールームに足を踏み入れると、壁面に飾られた、1998年のルマンで総合3位に入賞した「R390」が出迎えてくれる。
ショールームの一角にある「大森ファクトリー」のショップコーナー。パフォーマンスパーツはもとよりアパレルなどのニスモグッズまでもがそろっている。
ショールームの一角にある「大森ファクトリー」のショップコーナー。パフォーマンスパーツはもとよりアパレルなどのニスモグッズまでもがそろっている。

■グローバル展開に備えて本拠地を移転

古くは黒澤元治、長谷見昌弘、星野一義らそうそうたるドライバーを輩出した、日産の宣伝部傘下のワークスチームだった通称「大森ワークス」を母体に、日産のモータースポーツ活動を統括する組織として、1984年に設立されたニスモ。現在ではモータースポーツ活動のみならず、市販車を含めた日産のパフォーマンスブランドとして広く浸透している。

そのニスモの本社が、住み慣れた品川区大森から横浜市鶴見区に移転した。もともと横浜は日産発祥の地であり、新社屋もパワートレイン技術開発部署と同じ日産の鶴見事業所内にあるから、里帰りしたというべきか。これまで分断されていた各機能をひとつの建屋内に集約することで、業務効率を飛躍的に高めることが可能となった。例えばモータースポーツで培った技術をロードカーの開発へフィードバックするといったことも、従来より格段にスピーディーかつ効率的に行えるというわけだ。

オープニングセレモニーでは、まずあいさつに立ったニスモの宮谷正一社長が新社屋の概要を説明したのち、彼いわく「ニスモの一番のサポーター」という日産のカルロス・ゴーン社長が登壇。ニスモブランドのロードカーを中心とするグローバルな戦略を語った。

ゴーン社長によれば、すでに市販されている日欧に加え、3月には「ジュークNISMO」をアメリカでも発売。これに続いて、欧州市場に新型「370Z NISMO」を投入する。また、中期経営計画「日産パワー88」の期間中に、フラッグシップの「GT-R」を含むニスモブランドのロードカーを少なくとも毎年1車種リリースする予定で、商品ラインナップ、そしてブランドアイデンティティーをいっそう強固にしていくとのこと。そして「小型車であれスポーツカーであれ、ニスモバッジが付いたモデルであれば、ニスモ特有の品質や機能、スタイリング、スポーティーなハンドリング、そしてダイナミックなパフォーマンスを提供することを約束する」と結んだ。

「大森ファクトリー」の整備場。手前のR33「スカイラインGT-R」は、パワートレインからサスペンションまでを外してリビルド作業中。
「大森ファクトリー」の整備場。手前のR33「スカイラインGT-R」は、パワートレインからサスペンションまでを外してリビルド作業中。
「レースカー整備場」では、「リーフNISMO RC」、2003年のGT500チャンピオンマシンである「ザナヴィ・ニスモGT-R(R34)」、日産初のグループCカーである「R91CP」、1966年に開かれた第3回日本グランプリの優勝車である「R380-I」などが整備を受けていた。
「レースカー整備場」では、「リーフNISMO RC」、2003年のGT500チャンピオンマシンである「ザナヴィ・ニスモGT-R(R34)」、日産初のグループCカーである「R91CP」、1966年に開かれた第3回日本グランプリの優勝車である「R380-I」などが整備を受けていた。
テストベンチをそろえた「エンジン実験室」。鈴鹿サーキットの走行シミュレーション中で、右端のモニターにコースレイアウトとマシンの現在位置が示されている。これでエンジンの特性や耐久性、オイル消費、燃費などを評価する。
テストベンチをそろえた「エンジン実験室」。鈴鹿サーキットの走行シミュレーション中で、右端のモニターにコースレイアウトとマシンの現在位置が示されている。これでエンジンの特性や耐久性、オイル消費、燃費などを評価する。

■ショールームの一般公開は3月1日

オープニングセレモニーの後は、新社屋の施設見学が実施された。
セレモニー会場となったショールームは、最大8台の車両を展示することが可能な広さ。隣接する「大森ファクトリー」のショップも、従来の約2倍のスペースを確保している。
一般ユーザーの車両の整備やチューンナップなどを行う「大森ファクトリー整備場」は、8基の2柱式リフト、高精度なアライメントテスター、1200ps対応のシャシーダイナモなどを完備。4基の2柱式リフトと4基の整備用ピット(床下埋設)を備えた「レースカー整備場」では、GT500マシンの整備から1960年代のマシンのレストアまで行うという。
そのほか、最大6基のエンジンが整備できる「エンジン整備場」、レーシングエンジンのサーキット走行シミュレーションなどを行う、テストベンチを4基備えた「エンジン実験室」、CFRP製部品が内製できる「カーボン工作室」などの施設が公開された。

日産の今後のモータースポーツおよびロードカー戦略にとって欠かせない、唯一無二のパフォーマンスブランドであるニスモの、グローバル展開を拡大する拠点としての役割を担う新社屋。日産およびニスモファンにとって新たな聖地ともいえるこの施設のうち、大森ファクトリーはすでに1月から営業開始しているが、ショールームは2013年3月1日にいよいよ一般公開される。

(文と写真=沼田 亨)

実のところ、一番驚かされたのがショールームのトイレ。壁面にカムシャフトがズラリと並び、ドアの取っ手もカムシャフトだった。
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