東京オートサロン2013 チューナー系ブース評【東京オートサロン2013】

2013.01.12 自動車ニュース
2012年12月に設立が発表されたスイスのコンプリートカーメーカーのブランチ、「FAB Design ASIA」が立派なブースを構えていた。並ぶのは「マクラーレンMP4-12C」ベースの「テルソ」をはじめ高級カスタムカーのみ。
東京オートサロン2013 チューナー系ブース評【東京オートサロン2013】

【東京オートサロン2013】東京オートサロン2013会場リポート(チューナー編)

2013年1月11日に開幕した、カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2013」。メーカー系ブースに続いて、チューナー系ブースの様子を報告する。

「トヨタ86/スバルBRZ」の整形顔コンテスト・パート1。パート2以降は……キリがないので止め。
「トヨタ86/スバルBRZ」の整形顔コンテスト・パート1。パート2以降は……キリがないので止め。
「HKS」のスーパーチャージドキットを装着した「KANSAIサービス」の「トヨタ86」。約50psアップするが、キットが品薄状態でバックオーダーを抱えているとのこと。
「HKS」のスーパーチャージドキットを装着した「KANSAIサービス」の「トヨタ86」。約50psアップするが、キットが品薄状態でバックオーダーを抱えているとのこと。
「GREDDY(トラスト)」の車検対応ボルトオンターボキットを装着した「トヨタ86」の北米仕様である「サイオンFR-S」。最高出力279.4ps/7171rpm、最大トルク30.1kgm/3800rpmをマーク、全域トルクフルで街乗りでもサーキットでも扱いやすい仕様という。今春発売予定で予価51万4500円(税込み)。
「GREDDY(トラスト)」の車検対応ボルトオンターボキットを装着した「トヨタ86」の北米仕様である「サイオンFR-S」。最高出力279.4ps/7171rpm、最大トルク30.1kgm/3800rpmをマーク、全域トルクフルで街乗りでもサーキットでも扱いやすい仕様という。今春発売予定で予価51万4500円(税込み)。

■「86/BRZ」の数に驚く

出展台数が前回の630台より172台も多い過去最高の802台を数える、まさに史上最大となった今回の東京オートサロン。その飛躍的な規模増大の最大の立役者が、チューニング業界にとって待望久しいFRのスポーツクーペである「トヨタ86/スバルBRZ」の発売であることは、疑う余地がないだろう。

増床された展示スペースの9〜11ホール(北)には、「86&BRZワールド」と名付けたコーナーを開設。そこにはチューナーやショップが手を入れたおよそ20台の実車を筆頭にラジコンやミニカーなどのモデルカー、そして1/1のチョロQ風の「86Q」までが並べられていた。もちろん「86」と「BRZ」の展示はここだけではなく、メーカーをはじめチューナー/ドレスアップメーカーのブースにも数多く展示されており、その総数は3ケタに迫る勢いだったのではないかと思う。

単独車種でこれだけの数を目にしたモデルは、リポーターの取材歴においては、ちょっと記憶にない。「86/BRZ」の素材としての魅力もさることながら、業界全体がこれらを救世主として扱い、盛り上げようとしている気配が感じられた。ただしそれだけの数が並んでいても、2008年のショーに発売間もない「日産GT-R」が20台前後そろったときのような圧倒的な存在感もなければ、いっときのミニバン祭りのような過剰な感じもなかった。やはりこれは、「86/BRZ」がいろいろな意味で手頃なモデルであるからだろうか。

「86/BRZ」のカスタマイズについては、控えめなエアロパーツを装着したものから、大胆な整形手術を施したものまでバラエティーに富んでいた。とはいえ、目(ヘッドランプユニット)にまで手を入れたのは、さすがに本家「トヨタ/GAZOO Racing」だけだった。

「86/BRZ」のチューニングに関しては、もっとも多かったのは吸排気系および足まわりのライトチューンだが、エンジンに大手チューニングパーツメーカーである「HKS」のスーパーチャージャーキットを装着したものも目に付いた。またターボチューン仕様は、やはり大手チューナーの「BLITZ」と「トラスト」が出展していた。ただしこちらの方面についても、本家である「トヨタ/GAZOO Racing」が、チューナーより過激なツインチャージャー装着車とV6エンジンへの換装車を出展していたのは、ウォッチャーとしては少々複雑な気分だった。

「日産GT-R」をチューンした「Abflug×PentRoof」の「Aloof 01-R ver.02」。ストリート仕様で最高出力は680psだが、隣の「Aloof 01-RS」は最高出力1200ps、最大トルク134kgmという、とてつもないパワーを誇る。
「日産GT-R」をチューンした「Abflug×PentRoof」の「Aloof 01-R ver.02」。ストリート仕様で最高出力は680psだが、隣の「Aloof 01-RS」は最高出力1200ps、最大トルク134kgmという、とてつもないパワーを誇る。
エアサスペンションの「ユニバーサルエアー」のブースに展示されていた「アウディTT」。ヌメッとしたマット仕上げだけでも十分個性的だが、スゴイのはリアタイヤを覆うエアロカバー(?)。エアサスでロードクリアランスを上げることでタイヤの接地面が露出、見た目はほとんどこのままで走行が可能という。
エアサスペンションの「ユニバーサルエアー」のブースに展示されていた「アウディTT」。ヌメッとしたマット仕上げだけでも十分個性的だが、スゴイのはリアタイヤを覆うエアロカバー(?)。エアサスでロードクリアランスを上げることでタイヤの接地面が露出、見た目はほとんどこのままで走行が可能という。
究極のカワイイ仕様(?)とでもいうべき、埼玉自動車大学校の「SIAT500×SAVOY」。2代目「マーチ カブリオレ」をベースに顔つきを「フィアット500」風に変え、内外装はバッグブランド「サボイ」とのコラボレーションで、バッグの柄をモチーフに仕上げている。
究極のカワイイ仕様(?)とでもいうべき、埼玉自動車大学校の「SIAT500×SAVOY」。2代目「マーチ カブリオレ」をベースに顔つきを「フィアット500」風に変え、内外装はバッグブランド「サボイ」とのコラボレーションで、バッグの柄をモチーフに仕上げている。

■“大きいの”や“高いの”が人気

チューニング系の王座に君臨する「日産GT-R」の地位は依然として揺るぎないが、ここにきて出展台数は減ったような印象を受けた。チューニング度合いも、少なくとも額面の最高出力においては、前回から出現した1200psを超えるものは見当たらず。一時はけっこうな人気だった「ランエボ」や「インプレッサ」などの2リッターターボの4WD車は、めっきり見られなくなった。

ドレスアップ系に関しては、これといった車種やカテゴリーの隆盛が見られないという、ここ数年の傾向が継続していた。ただしオートサロンでは伝統的に少数派だった輸入車の絶対数が増えたような印象を受けた。ベースカーは大ざっぱにいって高価格車および大型車が多く、生産国別ではドイツ車が多数を占める。そのなかでも、以前はメルセデスの陰に隠れていたBMWやアウディが目に付くようになった。とりわけ数年前まではサッパリだったアウディが、スーパースポーツの「R8」に引っ張られるように増えてきたのが興味深い。

そのほかのドイツ車では、ポルシェはデカくてイバリの利く「カイエン」や「パナメーラ」が人気だが、「911」「ボクスター」「ケイマン」といった走りのモデルはほとんど見ない。とはいえ走りに振ったモデルがダメというわけではなく、派出で目立つモデルがウケるというショーの性質から、ランボルギーニはあいかわらず高い人気を保っている。付け加えると大型車および高価格車人気は日本車にも及んでいて、レクサスが「LS」を中心にここでは意外と健闘している。

小規模なカスタムメーカーやショップ、そして常連となった自動車専門学校による、伝統芸ともいえるFRPとパテを駆使した「切った貼った」の大胆なカスタムカーも、うれしいことに健在だ。どんなに開催規模が拡大しようと、また不景気で縮小しようと、製作者の情熱や心意気がストレートに伝わってくるそれらの作品を見るのが、リポーターにとっては、オートサロンの一番の楽しみなのである。

(文と写真=沼田 亨)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。