第278回:「富士山頂のクラウン」に続くのはどのメーカーだ?

2013.01.11 エッセイ

第278回:「富士山頂のクラウン」に続くのはどのメーカーだ?

中世貴族にとって塔は権力の象徴だった。イタリア・シエナ県サン・ジミニャーノ。
第278回:「富士山頂のクラウン」に続くのはどのメーカーだ?

神聖と欲望が入り交じる「高所」

今年も日本では「◯◯山」と名付けられたお寺や神社に新春参拝に行った人は多かったことと思う。昔から高い場所=山は、人が到達しにくいことから、俗世から切り離れて修行に専念できる格好の場であり、そこに身を置くことは孤高の精神を示してきた。

それと同時に高い場所は、世俗的な欲望も含んでいた。石垣の上にそびえ立つ日本の城は成功と権力の象徴でもあった。加えて、往年のジュリアナ東京のお立ち台に象徴されるように「目立ちたい」者が登るのも高いところだった。

イタリアでもそれは同じだ。中世の修道士は山中の修道院で、自給自足の生活をしていた。
いっぽう都市国家の貴族たちは繁栄を誇るため、自らの城塞(じょうさい)に競って塔を建てた。ちなみに侵略者は真っ先にそうした塔を倒すことによって、征服した事実を内外に示した。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住20年という脈絡なき人生を歩んできたものの、それだけにあちこちに顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーター。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストをはじめラジオでも活躍中。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。