【スペック】全長×全幅×全高=3835×1675×1520mm/ホイールベース=2390mm/車重=1090kg/駆動方式=FF/0.9リッター直2SOHC8バルブターボ(85ps/5500rpm、14.8kgm/1900rpm)/燃費=19.3km/リッター(JC08モード)/価格=260万円(テスト車=同じ)

クライスラー・イプシロン プラチナ(FF/5AT)【試乗記】

その魅力は変わらない 2013.01.06 試乗記 クライスラー・イプシロン プラチナ(FF/5AT)
……260万円

イタリアのランチア改め、アメリカのクライスラーブランドで国内販売が始まった、新型「イプシロン」。巨匠 徳大寺有恒が、その印象を語る。
リアドアのノブを目立たなくするなど、5ドアでありながら3ドアのスタイリングが演出される「イプシロン」。美しいデザインは、大きなセリングポイントだ。
リアドアのノブを目立たなくするなど、5ドアでありながら3ドアのスタイリングが演出される「イプシロン」。美しいデザインは、大きなセリングポイントだ。
新型「イプシロン」を前に語り合う、徳大寺有恒氏(写真右)と松本英雄氏(写真左)。
新型「イプシロン」を前に語り合う、徳大寺有恒氏(写真右)と松本英雄氏(写真左)。
上級グレード「プラチナ」にはレザーシートが与えられる。
上級グレード「プラチナ」にはレザーシートが与えられる。

ワケあって、この名前

松本英雄(以下「松」):今日の試乗車は、クライスラーブランドを冠した新しい「イプシロン」です。
徳大寺有恒(以下「徳」):了解。しかし、フィアットとクライスラーの提携はともかく、まさかランチアとクライスラーが相互OEMをするとは思わなかったなあ。

松:たしかに。これがまた少々ややこしくて、ヨーロッパ大陸ではイプシロンはランチアブランドのままで、逆に「クライスラー300」が「ランチア・テーマ」として販売されているんですが、イギリスにはランチアブランドはなく、300もイプシロンもクライスラーブランドで売られているそうですよ。

徳:なぜイギリスだけ違うんだろう?
松:フィアットとクライスラーがジョイントする前にランチアが撤退しており、いっぽうクライスラーは存続していた。つまり日本とほぼ同じ状況だったようですよ。

徳:なるほど。新たにランチアの販売網を構築するのは大変だから、クライスラーブランドで売ることにしたわけか。
松:そうです。日本にもランチアはしばらく正規輸入されていなかったから、販売網はありません。加えてイギリス向けに作ったクライスラーブランドの右ハンドル車がすでに存在するのだから、クライスラー・イプシロンとして売ったほうが手っ取り早いというわけで。

徳:そりゃそうだ。不思議と島国同士が似たような状況だったんだな。しかし、イギリスにおけるクライスラーのブランドイメージってどうなんだろう。
松:と言いますと?
徳:かつてクライスラーUKって会社があったからさ。ライバルのGMとフォードが戦前からヨーロッパに進出していたのに対して、大きく出遅れていたクライスラーは、1960年代中盤、半ば強引にイギリスのルーツグループを傘下に収めて、クライスラーUKとしたんだ。
松:ルーツグループって、ヒルマンやサンビームなどを擁していたメーカーですよね。

徳:そう。いっぽうフランスではシムカを乗っ取りクライスラー・フランスとして、英仏の統合化を進めていったんだ。クライスラー本体の弱体化によって、70年代後半には、英仏そろってプジョーに吸収されちゃうんだけどな。
松:クライスラーが英仏と密接に関わっていたことはわかりましたが、イタリアとはどうなんでしょう?

エントリーグレード「ゴールド」の15インチアルミホイール。「Y(イプシロン)」をモチーフにしたスポーク形状に注目。
エントリーグレード「ゴールド」の15インチアルミホイール。「Y(イプシロン)」をモチーフにしたスポーク形状に注目。
クライスラー・イプシロン プラチナ(FF/5AT)【試乗記】の画像

徳:50年代から60年代にかけて、クライスラーはイタリアのカロッツェリア・ギアとコラボレートして、コンセプトカーをいろいろ作っていたよ。
松:そういえば、インペリアル(かつて存在したクライスラーの最高級ブランド)のリムジンは、ギアでボディーを架装していたとか。
徳:よく知ってるじゃないか。

松:思い出しましたが、デトマゾ傘下時代のマセラティと組んだ「クライスラーTC・バイ・マセラティ」なんてのもありましたね。
徳:あったあった。残っていれば、かなりの珍車だよな(笑)。

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