今度は本気? モンテゼーモロ氏政界進出の動き

2012.12.18 自動車ニュース
2011年ジュネーブモーターショーでのモンテゼーモロ氏(左)。
今度は本気? モンテゼーモロ氏政界進出の動き

今度は本気? フェラーリ会長モンテゼーモロ氏に政界進出の動き

フェラーリ会長のルカ・コルデーロ・ディ・モンテゼーモロ氏が政界進出を模索していると思われる動きが活発になってきた。

NTV社の高速鉄道「イタロ」のモデルとモンテゼーモロ氏。
今度は本気? モンテゼーモロ氏政界進出の動き

■意味深な発言で憶測が広まる

モンテゼーモロ氏は65歳。2013年のイタリア国会議員選挙に、自らが発起人を務めた団体「未来のイタリア」から立候補する考えがあることを、2012年9月にニュース雑誌『レスプレッソ』誌の取材で明かした。
「未来のイタリア」はモンテゼーモロ氏が2009年に設立した政経研究会。すでにイタリア各地方に支部があり、政党への格上げは容易とみられている。

また同月、モンテゼーモロ氏はモンティ現首相の続投を「未来のイタリア」として支持することを表明した。彼は2012年11月にローマで「未来のイタリア」が開催した数千人規模の政治集会でも、あらためて現首相支持を唱えた。ちなみにモンティ首相が12月8日、近日中の辞任を表明したあと、モンテゼーモロ氏はモンティ氏に続投を求めている。

しかしモンテゼーモロ氏はかねて政界進出のうわさがあったことや、現首相の突然の辞任表明というタイミングから、「モンテゼーモロは国会議員にとどまらず、自身が次期首相を目指しているのではないか」といった憶測が広まっている。

そうした観測ムードを盛り上げたのは、2012年11月に著名ジャーナリストのブルーノ・ヴェスパ氏が行ったインタビューだ。
「もし、首相候補に推す声があれば、それを受け入れるか」との質問に、モンテゼーモロ氏は「これから数週間は、大きな賭けといえる。新しい風を国民から政界に送り込まなければならない。今やらなければ、将来はないだろう」と、首相への意欲を否定しない発言をしたためだ。
そのため、前述のように、目下のところ本人は現首相支持の姿勢を変えていないにもかかわらず、モンテゼーモロ氏自身への首相待望論が一部で高まった。

いっぽう、モンテゼーモロ氏とベルルスコーニ前首相との関係は複雑だ。モンテゼーモロ氏はイタリア経団連の会長時代から、前首相の政策に疑問を呈する発言をたびたび行ってきた。そうした中、2012年9月、前首相が復帰を目指す代わりに、モンテゼーモロ氏を自らの政党「自由国民党」による首相候補として擁立する構想を立案中との報道が流れた。
ただしこの“奇策”ともいえる同盟をモンテゼーモロ氏は「『自由国民党』幹部と政策を話しあうことはあっても、合流はあり得ない」と否定した。
ちなみにベルルスコーニ氏は2012年12月になって、「次期首相選には立候補しない」としていた従来の見解を一転。自ら再選を目指すことを表明した。

参考までに、イタリア共和国憲法では、大統領が首相を指名することになっているが、実質的には大統領や両院議長、政党党首などによる協議で決められている。

最近のモンテゼーモロ氏は2010年にフィアット会長を同社創業家出身のジョン・エルカンに譲ったあと、その後も会長職にあったイタリアの高速鉄道会社「NTV」も、2012年10月に「個人色が強くなりすぎるのは良くない」として退任した。こうしたことも、彼が政界シフトを進めるのではないかと考えられるようになった要因と思われる。

なお、前述の『レスプレッソ』誌によると、現在も続投中のフェラーリ会長職は、近い将来ジョン・エルカンの弟で、現在ファッション・ブランド「イタリア・インディペンデント」を主宰しているラポ・エルカンに明け渡す予定という。

(文=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>/写真=Akio Lorenzo OYA、NTV)

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