【スペック】全長×全幅×全高=5070×1905×1495mm/ホイールベース=3050mm/車重=1900kg/駆動方式=FR/3.6リッターV6DOHC24バルブ(286ps/6350rpm、34.7kgm/4650rpm)/燃費=9.2km/リッター(JC08モード)/価格=538万円(テスト車=同じ)

クライスラー300Cラグジュアリー(FR/8AT)【試乗記】

正統派フルサイズセダンの変身 2012.12.18 試乗記 クライスラー300Cラグジュアリー(FR/8AT)
……538万円

モデルチェンジを受けたクライスラーのフラッグシップセダン「300」が上陸した。フィアット傘下でアメリカンフルサイズはどう生まれ変わったのか。

見違えるほどの出来栄え

近頃、おしゃれすぎるホテルやレストランなるものからすっかり足が遠のいてしまった。以前は物珍しさというか興味本位で、いわゆるデザイナーズホテルや和モダン旅館をいろいろとのぞいてみたものだが、まあ中身はほとんど似たようなものでそのうちに食傷気味になってしまった。もうカッコつける年でもないのに、わざわざ気疲れするためにホテルに泊まるのでは意味がない、と自分にとって本当に心地良く落ち着けるところを、素直に選べるようになった。もっと早くから確かな目を持て、という話だろうが、若いころはやはり見えというか新奇さへの憧れを捨てることができないものだ。その意味ではオヤジになるのも悪くない。

実は同じような“おしゃれ疲れ”を新型車が出るたびに感じていた。スポーツカーならいざ知らず、SUVからセダンまで皆、猫も杓子(しゃくし)もデザインの重要性を強調し、ダイナミックでスポーティーでアグレッシブなわがブランド独自のスタイル、なんて言われると、もうその形容詞を聞いただけで勘弁してほしいという気持ちになる。機能的にはあまり意味を持たない異様にアグレッシブなデザインのグリルや、LEDの個数を競うようなつり上がったヘッドランプなど、強烈な印象を与えることを最優先させたエモーショナルなデザインに晒(さら)されてちょっと疲れてしまっているのかもしれない。こういうのは“エモーショナル疲れ”とでも言うのだろうか。

そんな中で発売された「クライスラー300」を見ると、どこかほっとするだけでなく、今やかえって新鮮に感じるのだ。クライスラー・ジャパン改めフィアット・クライスラー・ジャパンにとって実に4年半ぶりの日本向けニューモデルになる新型300は、基本プラットフォームや四角いボディーのプロファイルについては従来型を踏襲しつつ、パワートレインや装備を一気に現代的に洗練させたものである。
これぞセダンと言いたい全長5mあまりの堂々としたボディーは、やはりクラシックでコンサバな雰囲気を漂わせているが、決して古臭く見えないのは、細部に至るまで美しく入念に仕上げられているからだろう。ボディーパネルの合わせやマットなクロムトリムのフィニッシュはもちろん、バックアップモニター用小型カメラとテールゲートのオープナーボタンをハイマウントストップランプの両端にきれいに組み込んだ手法などは、失礼ながらこれまでのアメリカ車には見られなかった芸の細かさである。

インテリアは格段に洗練され、上級グレード「300Cラグジュアリー」のインパネやセンターコンソールには、伊ポルトローナ・フラウ社製のレザーが張られる。日本仕様は右ハンドルのみの設定。
クライスラー300Cラグジュアリー(FR/8AT)【短評】
サファイアブルーのLED照明が大型の二眼メーターをクールにともす。
クライスラー300Cラグジュアリー(FR/8AT)【短評】
シフトセレクターは航空機のスラストレバーを思わせるデザイン。「アウディA8」からも影響を受けた? トランスミッションはZF製の8段AT。
クライスラー300Cラグジュアリー(FR/8AT)【短評】
旧型と比較してやや長く(+60mm)、幅広く(+15mm)、そして低く(−5mm)なった。トランクリッドのエッジはスポイラーとしても機能する。
クライスラー300Cラグジュアリー(FR/8AT)【短評】

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