走りだした「スマート」(8/14)

1998.08.14 自動車ニュース
 
 
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走りだした「スマート」(8/14)

全長2.5メートルのマイクロミニ「スマート」の試乗会が早くもバルセロナで開催された。600ccターボエンジンを積んだこの2シーター、アイディアはすばらしいが……。

デザインは好みの問題もあるが、操縦安定性を確保するために四隅に大きく張り出したタイヤをもつ造形はスタイリッシュとは言いがたい。そのぶんキャビンはおとな二人が乗っても窮屈な思いをしない。インテリアは冒険的なデザインで、都会的なオーナー向けといえる。

「スマート」には基本的に2種類のバリエーションがある。45psの「スマート&ピュア」と55psの「スマート&パルス」である。ともにエンジンは600ccの3気筒プラスターボだが加給圧の違いによってパワーに差が出ている。トランスミッションはセミオートマチック6段のシークエンシャルで、45psバージョンではオートマチックの設定がないためややせわしないシフト操作が要求される。55psモデルには「ソフタッチ」と呼ばれるオートマチックポジションが追加されているのだ。

トリディオンとよばれる強固なフレームをもつ「スマート」の車重は720kgであるから、市内ではアンダーパワーの感じはない。回転を上げてもリアの床下にあるエンジンのノイズは聞こえてこない。

乗り心地は1812mmとコンパクトなホイールベースとやや固めにセットされたサスペンションのため快適とは言いがたい。そのいっぽう郊外のワインディングロードではハンドリングを楽しむことが出来たが。

ベーシックモデルである「ピュア」には1万6480マルクという価格がつけられている。これが商業的な成功に結びつくかどうか。同じ金額でフル4シーターのミニセダンが買えるからだ。

たんに新しいコミューターを望んでいるひとたちにも、ターボ付きのガソリンエンジンしか提供されないというのも考えものだ。さらに駐車場など「スマート」のサイズを活かせるインフラが整っていないのもちょっと気になる。

アイディアもコンセプトもすばらしいのだが、またほんのちょっと未熟児のまま誕生してしまった赤ちゃんといった気がしないではない。近い将来に代替燃料で走れるようになれば、すばらしいモデルになる可能性があるが。リポート=木村宏(モータージャーナリスト)

 
 

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