軽の売れっ子「スズキ・ワゴンR」、5代目へ

2012.09.06 自動車ニュース
「スズキ・ワゴンR」
軽の売れっ子「スズキ・ワゴンR」、5代目へ

軽の売れっ子「スズキ・ワゴンR」、5代目へ

2012年9月6日、スズキは軽乗用車の「ワゴンR」「ワゴンRスティングレー」の新型を披露。「ワゴンR」を同日に、「ワゴンRスティングレー」を9月19日に発売すると発表した。

こちらは、フロント周りのデザインが異なる「ワゴンRスティングレー」。
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発表会場には「ワゴンR」のCMキャラクターを務める俳優の渡辺謙も姿を見せた。自身この新型を購入しており、9月9日に納車するとか。「ワゴンR」については「室内の広さがとても印象的ですね」。
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新開発の環境技術を示すカットモデル。
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■燃費をとことん追求

1993年の誕生以来、自らが開拓した軽トールワゴンというカテゴリーをけん引してきた「スズキ・ワゴンR」。最近では、古くからのライバルであるダイハツの「ムーブ」や「タント」はもちろん、昨年末に発売された「ホンダN BOX」も加わって市場では激しいシェア争いが展開されているが、そうした状況のなか“元祖”は5代目に進化した。

フルモデルチェンジとはいうものの、一見したところではフェイスリフトかと思うくらい、徹底したキープコンセプトである。ただし中身に関しては、軽の盟主を自負するスズキが、現時点で考え得る最良の軽ワゴンを目指して総力を傾注した内容となっている。

開発コンセプトは「軽ワゴンNo.1の低燃費を実現した新世代エコカー」。商品特徴としては「軽ワゴンNo.1の低燃費」「さらに進化したワゴンR伝統のデザイン&パッケージング」「軽ワゴンを知りつくした充実の機能&装備」の三つを挙げている。

中でも最大のアピールポイントは、「軽ワゴンNo.1の低燃費」。その核となる三つの先進的な技術については、すでにお伝えしたとおりである。(関連ニュース)
詳しくはそちらを参照していただきたいが、簡単に紹介すると、軽量・コンパクトで充電性能に優れた高効率リチウムイオンバッテリーと高出力オルタネーターを併用した減速エネルギー回生機構である「ENE-CHARGE(エネチャージ)」、停車前の減速時に13km/h以下になるとエンジンを自動で停止する「新アイドリングストップシステム」、蓄冷材によってエンジン停止中もエアコン拭きだし口から冷風を送って室温を快適に保ち、アイドリングストップ時間を拡大する「ECO-COOL(エコクール)」で、いずれも軽自動車では初採用であり、新型の全車種に導入されている。

エンジンは「アルト エコ」にも採用される「R06A」型エンジンをベースに、さらに低フリクション化が図られたもの。より高出力なオルタネーターも組み合わされる。
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運転席周りの様子。インストゥルメントパネルとドアトリムをひとつながりに見せることで、広さ感や安心感を演出したという。
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■軽さも貢献「28.8km/リッター」

これらの先進技術とともに低燃費化を支えているのが、徹底した車両の軽量化およびパワートレインなどのさらなる改良である。軽量化については、ボディー全体の約41%(重量比)に高張力鋼板を使用し、ボディー単体で従来より約15kg減量。そのほかエンジン、足まわり、内装部品などを見直した結果、基本グレードとなる「FX」のFF車の場合、先代比で最大70kgもの軽量化を達成。780kgという車重は、軽ワゴン車のなかで最軽量を誇る。

エンジンは低燃費、高い静粛性、軽量、そして豊かな低速トルクを誇る新世代の658cc直3DOHC12バルブを、さらにフリクション(摩擦抵抗)の低減を図るなど改良して搭載。NA(自然吸気)とターボ付きがあり、前者は52psと6.4kgm、後者は64psと9.7kgmの最高出力と最大トルクを発生する。

従来はグレードによって5MT、4AT、CVTの3種類が用意されていたトランスミッションは、加速性能と低燃費を高次元で両立させた副変速機付きCVTに統一された。そのほか足まわりの見直しによる転がり抵抗の低減、全高を20mm下げたことによる空力の向上など、走行抵抗の低減も低燃費化に貢献している。

こうした新技術の導入や改良の積み重ねによって、JC08モードにおけるリッターあたり燃費はNA仕様のFF車が28.8km、4WD車が27.8km、ターボ仕様のFF車が26.8km、4WD車が25.0kmを記録。
いずれも先代より30%以上、もっとも伸び率の高いターボ仕様のFF車では40%以上も改善されており、軽ワゴンNo.1の燃費性能を実現している。

 
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メーターのアップ。燃費によい走り方をすると、速度計の目盛りの色が青から緑に変わる。
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■パッケージングにも工夫

二つ目の特徴である「さらに進化したワゴンR伝統のデザイン&パッケージング」については、「伝統のデザイン」というだけあってエクステリアは前述したようにキープコンセプト。プロポーションを先代と比べた場合、最大の変化はリアサイドウィンドウ後端がキックアップしていることだろうか。ただしベーシックな「ワゴンR」に限っていえば、メッキされたフロントグリルで識別は容易である。また「ワゴンR」では、ホイール/タイヤが全車14インチとなった(先代は「FX」が13インチ)。

パッケージングに関しては、うたい文句どおりたしかに進歩している。2425mmのホイールベースは先代より25mm延ばされ、それにしたがって前後乗員間距離(前後席の着座位置の距離)も25mm長くなった。2165mmの室内長は先代比で115mmも延びている。なお、ホイールベースの延長にもかかわらず、最小回転半径は先代と同じ4.4m(14インチタイヤ装着車)である。

インテリアも、メーターが3眼式になった(全車タコメーター標準装備)ことを除いては、先代とほとんど印象が変わらない。とはいえインパネは上面を20mm低くし、オーディオ部を20mm前方へ配置する(室内空間への出っ張りを減らす)など、それこそミリ単位でパッケージングが改善されている。

 
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■外見よりも中身で勝負

三つ目の特徴である「軽ワゴンを知りつくした充実の機能&装備」。カテキン・エアフィルター付きのオートエアコンを全車に標準装備したことをはじめ、快適・安全装備はいっそう充実。豊富な収納スペースは、文字通り“軽ワゴンを知りつくした”「ワゴンR」ならではの装備といえるだろう。

軽ワゴンのリーディングブランドとしての経験と技術は、静粛性の向上など目に見えない部分の改善にも発揮されている。新型ではエンジンマウントの改良やステアリング支持部の剛性向上といった構造面からの騒音・振動の低減に始まり、各部への防音および制振材の配置を最適化することによって静粛性を高め、快適性を向上させているという。

フルモデルチェンジに際して、ベストセラーとしての立場からあえて見た目を変えなかったのか、それともすでに完成度が高すぎて変えられなかったのか、いずれにしろ大幅にブラッシュアップされた中身で勝負といった趣の新型ワゴンR。
バリエーションは「ワゴンR」がNAエンジン搭載の「FX」と「FXリミテッド」の2グレード、「ワゴンRスティングレー」がNAの「X」とターボエンジン搭載の「T」の2グレードで、いずれのグレードにもFF車と4WD車が用意される。

価格は「ワゴンR」が110万9850円から136万7100円までで、「ワゴンRスティングレー」が133万3500円から161万3850円まで。全車エコカー減税の免税対象車となっている。

(文=沼田 亨)

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