【スペック】全長×全幅×全高=4795×1915×1310mm/ホイールベース=2750mm/車重=1810kg/駆動方式=FR/5リッターV8DOHC32バルブスーパーチャージャー付き(550ps/6500rpm、69.3kgm/3500rpm)/価格=1750万円(テスト車=同じ)

ジャガーXKR-Sクーペ(FR/6AT)【試乗記】

大人のクルマ、男のスポーツカー 2012.09.04 試乗記 ジャガーXKR-Sクーペ(FR/6AT)
……1750万円

ノーズの下に550psの心臓を隠す、ジャガー史上最強の公道マシン「XKR-Sクーペ」。このこわもてのスーパースポーツは、ドライバーに何を語りかけてくるのか?

優雅なだけがジャガーか

人気のない山中でレーシングスタートのまね事を試してみる。荒れた舗装面を削り取るような猛然とした、だがほとんど姿勢を乱さない模範的なホイールスピンを演じて見せる圧倒的なパワーと強固な駆動系。全開加速中でも正確な手ごたえを失わないステアリングとミシリともいわないオールアルミボディー。これはこれは。良い子にまねされるといけないので、周囲を見回してからほくそ笑む。また一段と素晴らしいじゃないか。やはりジャガーは筋が通っている。私の思い描くスポーツカーとはこういう車のことである。

と書いてしまってからふと考えた。今の日本で、比較的若い層には果たしてジャガーはどのように思われているのか? 英国好きのオヤジが乗る、優雅でクラシカルな旦那サルーン……? まあ、一時はそれもあながち外れていたわけではないが、最近ではそんなイメージさえ薄らいでしまったかもしれない。

何しろ、フォード傘下に入った後のここ15年ぐらいを振り返ってみても、フォードとコンポーネンツを共用したジャガーらしくないコンパクトモデルを作ったり、親会社がタタ・グループに変わったりと揺れ動き、首尾一貫したメッセージを発信するのがなかなか難しい状況だったからだ。

もっとも、現行ジャガー各モデルは「XF」も「XJ」も、そしてこの「XKR-S」のベースである「XK」もプロダクトとしては皆一級品であり、ドライバーズカーとしての本質にはブレがない。クラシックな英国調からメトロセクシャル(という言葉も既に死語か)なモダンブリティッシュへ大胆に変身したスタイルに目を奪われがちだが、その奥には骨太で筋肉質な実像が隠されている。しかもその筋肉は見せびらかすためのものではない。はやり言葉で言えば体幹が見事に鍛えられているのだ。

カーボンのスプリッターや縦長のサイドインテークが、ただならぬ気配を放つ。
カーボンのスプリッターや縦長のサイドインテークが、ただならぬ気配を放つ。
「ソフトグレインレザー」で覆われた上質なインテリア。ボディーカラーに合わせてブルーのパイピングとステッチが入る。
「ソフトグレインレザー」で覆われた上質なインテリア。ボディーカラーに合わせてブルーのパイピングとステッチが入る。
16方向の電動調節機能を持った「パフォーマンスシート」が標準で装着される。
16方向の電動調節機能を持った「パフォーマンスシート」が標準で装着される。

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