燃費自慢の新型「日産ノート」デビュー

2012.08.28 自動車ニュース
国内生産にこだわった新型「ノート」。発表会も、その現場である日産自動車九州の工場で行われた。傍らに立つのは日産自動車 志賀俊之COO。
燃費自慢の新型「日産ノート」デビュー

燃費自慢の新型「日産ノート」デビュー

日産自動車は2012年8月28日、コンパクトカー「ノート」の新型を発表した。同年9月3日に販売を開始する。

リアビュー。「フェアレディZ」や「ジューク」などにも見られるブーメラン型のランプが採用される。
リアビュー。「フェアレディZ」や「ジューク」などにも見られるブーメラン型のランプが採用される。
「スカッシュライン」と呼ばれるサイドのキャラクターラインは“跳ね返るボールの軌跡”がモチーフ。躍動感が表現される。
「スカッシュライン」と呼ばれるサイドのキャラクターラインは“跳ね返るボールの軌跡”がモチーフ。躍動感が表現される。
「X DIG-S」のインテリア。上級グレード「MEDALIST」では、シート表皮がスエード調トリコットと合成皮革のコンビになる。
「X DIG-S」のインテリア。上級グレード「MEDALIST」では、シート表皮がスエード調トリコットと合成皮革のコンビになる。

■広さは“ひとクラス上”

日産のコンパクトハッチバック車「ノート」がフルモデルチェンジを果たした。国内において、「ノート」はもとより「ティーダ」の後継モデルとしての役割も担う新型は、車体の大きさはほぼそのままに、ボクシーだった外観を、より一般的なハッチバックスタイルに変更。
エンジンは、従来の1.5リッター直4NA(自然吸気)と1.6リッター直4NAに代え、1.2リッター直3NAとスーパーチャージャー付きの1.2リッター直3を搭載。最高25.2km/リッターというカタログ燃費(JC08モード、「S DIG-S」グレード)を引っ提げての登場である。
価格は、「S」(FF/CVT)の124万9500円から「MEDALIST」(FF/CVT)の167万4750円まで。

新型「ノート」は、先代モデルと同じ2600mmのホイールベースに、全長×全幅×全高=4100(+80)×1695(+5)×1525(−10)mmのボディーを載せる(FF車、カッコは先代モデルとの比較)。「ティーダ」と比べた場合、全長は150mm短く、全幅は同じ。全高は10mm低くなる。Vプラットフォームを使用することで機関部のスペースを削減。「セダンの『ティアナ』に匹敵する室内の広さを実現した」というとおり、先代「ノート」に比べ、室内の前後長は145mm、後席のニールームは85mm拡大されている。

主要マーケットが、日本、ヨーロッパに加えアメリカにまで広がることもあり、ボックス型のスタイルは、より流麗な、一般的なハッチバックスタイルに変えられた。勢いのあるルーフラインに、「スカッシュライン」と呼ばれるボディーサイドのキャラクターライン、「フェアレディZ」や「ジューク」にも見られるブーメラン型のリアコンビランプなどがジマンだ。エアロダイナミクスも良好で、Cd値(空気抵抗係数)は0.29。

インテリアは、世界戦略車ということもあり、比較的シンプルにまとめられる。シート地にバリエーションはあるものの、内装色は黒を基調とした1種類のみ。
その運転席からは上下に広い視界が確保されるとともに、サイドウィンドウには三角窓を採用。バックウィンドウの左右幅も広げられている。「エルグランド」や「セレナ」の装備として知られる、複数の小型カメラを使って駐車などをサポートする「アラウンドビューモニター」が一部グレードで選べるのもトピックである。

後席の様子。リアドアの開閉角度は先代モデルの65度から85度へと拡大。利便性の向上が図られた。
後席の様子。リアドアの開閉角度は先代モデルの65度から85度へと拡大。利便性の向上が図られた。
新開発の「HR12DDR」ユニット。「1.5リッター並みの加速性能を有しながら、ハイブリッド車を除く1.2リッタークラスで最高の燃費を実現する」とうたわれる。
新開発の「HR12DDR」ユニット。「1.5リッター並みの加速性能を有しながら、ハイブリッド車を除く1.2リッタークラスで最高の燃費を実現する」とうたわれる。

■小さくなってもパワフルなエンジン

エンジンは、現行型の「マーチ」にも積まれる1.2リッター直3(79ps/6000rpm、10.8kgm/4400rpm)と新開発の1.2リッター直3スーパーチャージャー付き(98ps/5600rpm、14.5kgm/4400rpm)
後者は、通常の4サイクルエンジンとして始動したのち、ミラーサイクルへの切り替えを行う。圧縮行程で、吸気バルブが閉じるタイミングを遅らせ、ポンピングロスを低減する仕組みだ。ミラーサイクルエンジンは低回転域でのトルクが細くなりがちだが、新型「ノート」では、スーパーチャージャーが加勢することで、これを補う。スーパーチャージャーは電動クラッチを備え、必要に応じて過給をオン/オフする。「1.5リッター並みの力強いトルクを発生し、キビキビとした気持ちの良い走りを実現した」という。

組み合わされるトランスミッションは、いずれも副変速機付きの「エクストロニックCVT」。副変速機を持つことで、広い変速比と軽量コンパクト化を実現。重量で約13%、全長で約10%減っている。またプーリーを小型化することで、オイル面との距離を十分に確保。攪拌(かくはん)抵抗低減などにより、フリクションも約30%減少した。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラットの独立式、リアがトーションビームの半独立式と、コンベンショナルなもの。タイヤサイズは、185/70R14と185/65R15。駆動方式は、FFのほか、モーターアシスト式の4WD(NAエンジンのみ)もカタログに載る。

荷室の容量は、先代モデル(338リッター)よりわずかに少ない330リッター。後席を倒すことで、大きな荷物にも対応する。
荷室の容量は、先代モデル(338リッター)よりわずかに少ない330リッター。後席を倒すことで、大きな荷物にも対応する。
コンパクトクラスでは、初めてアラウンドビューモニターを搭載。4つのカメラから得られる周辺映像は、ルームミラー上で確認することができる。
コンパクトクラスでは、初めてアラウンドビューモニターを搭載。4つのカメラから得られる周辺映像は、ルームミラー上で確認することができる。
「日産ノート」の詳細な画像はこちらでチェック
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■徹底的に燃費を追求

新型「ノート」のカタログ燃費(JC08モード)は、4WD車が18.2km/リッターと20km/リッターを切っているほかは、1.2リッターNA車が22.6km/リッター、同スーパーチャージャー付きが24.0〜25.2km/リッターと優秀なもの。いずれも先代「ノート」の最高値であった18.0km/リッターをしのいでおり、このうちスーパーチャージャー付きは、エコカー減税のレベルが「免税(100%減税)」となっている。

上記エンジン単体に関する技術のほか、燃費アップのポイントとして挙げられるのは、プラットフォームの一新である。安全基準を確保しながらも、これまでの「ノート」と比較して約70kgの軽量化を実現できた一因となっている。さらに、空力に優れたボディーデザインや新しい動力系も燃費向上に貢献する。

そのほかFFモデルには、アイドリングストップ機能を搭載。オン/オフが可能なほか、登り坂でのアイドリングストップ時には、副変速機内のクラッチを締結させることで車両が後退しない工夫も採り入れられた。
また、発進時のアクセルコントロールを制御しスムーズな加速を実現する「スムース発進アシスト」や減速時にオルタネーターを駆動して回生充電させる頻度をアップする「オルタネーター回生制御」を採用。スーパーチャージャー付き過給器付きエンジン車には「ECOモード」ボタンを設けた。ドライバーが特に意識しなくても、エンジンとCVTが協調制御して、低燃費走行してくれるモードだ。

価格は、FF車の1.2リッターNAモデルが「S」の124万9500円と「X」の129万8850円。1.2リッタースーパーチャージャー付きは「S DIG-S」の144万9000円から「MEDALIST」の167万4750円まで。モーターアシスト式4WD車は1.2リッターNAに限られ、155万7150円となる。

(文=青木禎之)

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