「中古のATの鑑定法」

2001.05.30 クルマ生活Q&A トランスミッション

「中古のATの鑑定法」

マニュアル大好き!の私でしたが、結婚のため、オートマを購入することになりました。本当は2台所有できれば言う事ないのですが、クルマの保有はやめて住宅購入の頭金になどという恐ろしい案もでたのです。もちろん却下しましたが。とーぜん「ちょっと、古い、くるま」フランス車篇、もしくはイタリア車篇になりそうですが、80年代後半から90年代初頭のAT車には不安もあります。そこでプロフェッサー松本にATの見分け方を伝授していただければと思っているのですが。(SKさん)

お答えします。中古車のオートマティックトランスミッション(以下AT)の良し悪しは、クルマの外見から見極めるのは極めて難しいことと思います。どこを見て、実際乗ってみてどの部分に注意しなければならないか、お教えしましょう。国産車もヨーロッパ車も見分け方は同じです。

まず考慮すべきはクルマが使われていた条件です。ストップアンドゴーが多い市街地での走行が多いクルマは、走行距離のわりにATが傷んでいる場合が少なくありません。発進時にエンジン出力に対して流体クラッチの滑りが多いと、そのときのエンジンのエネルギーは熱に変わるため、ATの血液ともいうべきフルードの劣化が早くなってしまうからです。

渋滞の少ない道を走行していたクルマであれば、滑りぶんが少ないことに加え、走行による空気の流れのためにATの油温が安定しているというよい状態が続いていたことになります。

つぎに重視しなくてはならないのがATフルードの管理状態です。前のオーナーがどれだけのサイクルでフルード交換を実施していたかが、ATの状態にかかわってきます。日本製ATのフルードは、通常5ないし6万キロ無交換でも問題はないとされていますが、2ないし3万キロのサイクルでフルード交換されていれば、かなり状態も良いのではないでしょうか。

すこし前の外国製のATは現地と使用条件が違うせいか、フルード交換をまめにしないと5ないし6万キロで不具合が出ていました。シフトアップする瞬間に一度ニュートラルに入ったように回転が上がってしまう「滑り」もその一例です。この件でヨーロッパのATメーカー、A社に話を聞いたことがあります。すると彼らは、「うちの製品はオーバーホール(OH)を前提に考えて作られています」と言っていました。

OHをさせないで長持ちさせることを念頭においた欧州の自動車メーカーの一部は、日本製のATを積極的に使っています。日本での使用状況を考えると日本製ATのほうが信頼性が高いのでしょう。

中古車に試乗するときは、ATのセレクターをパーキングの位置からDレンジに入れたとき注意してください。反応が遅いようであれば問題ありです。さらに、走らせてみて、シフトアップする瞬間、回転があがったり、シフトアップポイントが回転の高いところにずれたり、速度を徐々に落としたときに変なシフトショックがある、などのときは要注意です。ATから音が出ているようであれば乗る必要すらありません。ところで上記のチェックはかならず、ATのフルードが暖まってからするようにして下さい。