「暖機運転はどの程度必要でしょうか?」
2001.06.29 クルマ生活Q&A エンジン「暖機運転はどの程度必要でしょうか?」
1997年型のPEUGEOT306 STYLEに乗っています。毎日の通勤に車を使っているため、この季節はどうしてもエンジンが冷えた状態から発進する回数が多くなります。私の場合は1分程度アイドリングをした後、走りはじめの3分間ぐらいは出来るだけ回転数を上げない(3000rpm以下)ように心がけて走ります。これで水温が70度Cを少し越える程度まで上がりますので、そこからは普通の運転をします。人によっては暖機運転は全く必要ないと言いますし、別の人は水温計の針が動き出すくらいまではアイドリングをした方がいいという人もいます。私の自己流暖機運転も、時間がないときや家の近くの交通事情によっては出来ないこともあります。環境問題から不要なアイドリングはしたくありませんが、クルマをいい状態で長く保つためにはどのようにするのが最も良いのでしょうか。 (兵庫県YMさん)
お答えします。結論を先にいうと水温計が動くまでの暖機は必要ないでしょう。ただしエンジン始動後すぐに、回転を上げたり高負荷をかけるのはよくないと思います。
エンジンは9割以上が金属から成り立っていますから、熱くすれば膨張し、冷えれば収縮します。エンジンが冷えているときと十分温まっているときで、エンジン主要部分の寸法が違ってきます。このように差が生まれることをふまえたうえでエンジンをスムーズに動かすためには、金属同士に適度なクリアランスを設けることが必要になります。自動車メーカーはこのクリアランスを、エンジンが温まったときにスムーズに動くよう設定しています。
エンジン始動直後には、潤滑油の動きが悪いため隅々までオイルが行き渡らず、この状態で急発進や空ぶかしをすれば、エンジン内部を傷めつけることになります。最近のエンジンは冷えていても、電子制御インジェクションなどの細かな制御で回転が安定していますが、内部の物理的な構造は変わっていません。
冷えているときは、排出ガス中の有害物質の濃度も濃くなっています。触媒はある程度温度が上がらないと所期の性能を発揮しないからです。そのと意味では多少の暖機は必要といえます。
暖機は長ければよい、というものではありません。必要以上に長いアイドリングは、エンジン内部の燃焼状態をむしろ悪くします。結果、燃料の燃え残りが多く排出されることになり、大気を汚してしまうことになりかねません。
暖機の目安として、私の場合は1、2分程度にしています。アイドリングよりも走行したほうがエンジン内部に送られる燃料の量が多くなるので燃焼温度が高くなり、エンジンは早く温まります。ただし走り出して少しの間は、急激な加速をしないようにしてください。
自動車メーカーはできるだけ早くエンジンが温まるように研究をしています。エンジン自体の材質が開発されることで冷えていても温まっても寸法の変わらないエンジンが作られ、暖機を全くしないで高負荷をかけてもなんの問題もないようになるかも知れません。ただしそれは将来の話、です。
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