Tとt、新型サーブ9-3はどう違う?

1998.12.16 自動車ニュース
 
 
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Tとt、新型サーブ9-3はどう違う?(12/16)

「サーブ9-3」の1999年モデルに、山梨県河口湖周辺で試乗した。今回からエンジンがすべて2リッター・ターボに統一されたのが特徴だ。加給圧の違いで「T」と「t」が設定されている。

「サーブ9-3」シリーズ1999年モデルの大きな特徴は、2リッター直4DOHC低圧ターボエンジンを搭載する「2.0t」がセダン、カブリオレともに設定されたことだ。これにより、2.3リッター直4の「2.3i」が生産中止となり、我が国に輸入されているサーブ車はすべてターボつきとなった。また今回からオートエアコンが全車に標準装備となっている。

まず、新しいロープレッシャーターボエンジンを搭載する「9-3 2.0t」(340.0万円)に乗ってみた。154ps/5500rpmの最高出力と22.3kgm/3600rpmの最大トルクを発生するエンジンは、低回転域から十分なトルクがあり、そこからフラットにトルクを発生させる。ターボラグもほとんど感じられず、扱いやすさが印象に残った。ただしエンジンノイズはやや大きく、回転の感触にも価格相応の質感が不足している感じがした。また、中低速でステアリング中立付近の不感帯がやや大きいのが気になったけれど、これは馴れてしまえば気にならなくなる程度のことだ。

室内の居心地のよさはサーブのよき伝統だ。モダンなデザインのフロントシートは小ぶりだが、クッションの硬さと柔らかさのバランスがちょうどよくて、かけ心地はよい。後席は決して広くはないけれど、大人2人なら十分にくつろげる。さらに「包まれ感」の強い室内造形とあいまって、洞窟の中にいるような独特の安心感がある。サスペンションの設定は柔らかめで快適なのだが、荒れた路面ではリアサスペンションの突き上げが大きく、後席に座っていると落ち着かないのが少し気になった。

つぎに「9-3 SE 2.3T」(395.0万円) にも試乗してみた。こちらは同じ直4DOHCターボながらブースト圧を高めたモデルだ。最高出力は185ps/5750rpm、最大トルクは23.5kgm/2000rpmとなっている。低圧ターボ版と比べるとさすがにパワーに余裕があり、追い越し加速でイライラするようなことはない。2000rpm以下の回転域こそ相対的にトルクが細い感じがするものの、そこから上では豊かなトルクをフラットに発生する。信号グランプリでカタルシスを得たりするようなタイプではないが、高速道路をクルーズしたりするには気持ちのよいエンジンだ。

タイヤサイズは「小文字のt」が195/60VR15に対して大文字のT」では205/50ZR16に拡大されている。そのせいなのかサスペンションの設定に多少の変更があるのか、「大文字のT」のほうは低速域でこそ細かな凹凸を拾うけれど、時速80kmを越えるあたりから乗り心地がしっとりと落ち着いてくる。そこから時速140kmあたりまでがこのクルマのいちばん得意とする速度域だろう。そのミズスマシのように軽快で滑らかな走行感覚は、さすがに航空機メーカーの作ったクルマだなあという感じがした。

「小文字のt」と「大文字のT」の価格差は55万円。装備の差としてはエンジンとタイヤ/ホイール、ウッドパネル、リアスポイラー程度である(本革シート、サンルーフなどはともにオプション設定)。そう考えると個人的には「小文字のt」で十分じゃないか、と思う。あるいは「大文字のT」のほうをさらにスポーティな設定にするとか、2つのグレードのキャラクター分けをもう少し明確にしたほうがよいのではないか、と思われた。

ちなみに試乗会場には1999年はじめに導入される「9-5シリーズ」の追加モデル、「9-5グリフィン3.0t」と、「9-5SE 2.3t エステート」も展示されていた。とくにサーブとしてはひさびさのワゴンとなるエステートは、デザインが個性的で、使い勝手もよさそうだった。早く乗ってみたいものです。(Web CG スヤマ)

 
 

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