注目の「エグザンティア」ディーゼル試乗

1998.12.29 自動車ニュース
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注目の「エグザンティア」ディーゼル試乗(12/29)

欧州ではディーゼル車がルネサンスを迎えている。燃費のよさが評価されているのだ。あいにく日本で欧州のディーゼル乗用車に乗れる機会は少ないが、「シトロエンエグザティア」のターボディーゼルが輸入されたのでさっそく試乗した。

「エグザンティアブレークターボディーゼル」はマニア受けするフランス車を扱うことで知られる東京・世田谷の「ル・パルナス」がさきごろ販売開始したモデルだ。エンジンは1.9リッター4気筒SOHCの副室燃焼型ディーゼルエンジンで、国産メーカーもお世話なっているロバートボッシュ社によるVE型分配式燃料ポンプを備えている。

ターボチャージャーを備えた1.9リッターディーゼルエンジンの最高出力は90ps/4000rpm、 最大トルクは20kgm/2250rpmとなる。ギアボックスは5段マニュアルで、サスペンションは油圧と窒素ガスからなるシトロエン独自のハイドロニューマチックだ。

「ル・パルナス」取締役社長の渋谷さんからクルマを受け取った私は、さっそくギアを1速に入れクラッチをゆっくりつないでみた。低回転域からトルクのあるエンジンはアイドリングでも「スルスル」とクルマを発進させるほどの力強さがある。

試乗では東名高速・東京ICから御殿場ICまで高速を走った。まず印象に残ったのは、ガソリン車のような加速感だ。とくに2000rpmからのターボバンドを使えばかなり軽快に走る。ディーゼルエンジンは低中速トルクが厚いのだが、高速道路のだらだら上り坂のような高速高負荷時には低中速トルク型では間に合わず、馬力が必要となる。そこでターボチャージャーによってパワーを補うことが多い。「エグザンティア」の場合もターボチャージャーの恩恵で勾配のきつい登り坂でもストレスなく走っていける。

好ましい印象はそのあとの走った箱根の峠道でも変わらなかった。日本のディーゼル車というと、エンジンが比較的重いためフロントへビーになり、いっぽうそれをサスペンションのチューニングでカバーするという努力も怠りがちなので、走りの印象は鈍重という場合が多い。しかしこの「エグザンティア」は違う。タイトなコーナーが連続する箱根の山でも、不安定な挙動でドライバーに不安を与えることがないのだ。

日本でディーゼル車を敬遠するむきは、運動性能の悪さに加えて、発進・加速時の黒煙を理由のひとつにあげるが、それは日頃の整備状態が良ければ、かなり解消されるはずだ。「エグザンティアブレーク」もほとんど黒煙を出していなかった。近い将来、直噴コモンレールディーゼルエンジンが搭載されれば、排ガスのクリーン化はさらに進むだろう。

ディーゼル車の魅力として、一定走行であれば燃料と空気の比が最大でガソリン車の100分の1ですむため、ガソリン車よりも低燃費を実現できる点があげられる。ドイツを含めたヨーロッパでいまディーゼル車の人気が上がっているのはそこを評価されてのことだ。つまりディーゼルエンジン車に乗ることは資源の節約につながる、と考えられているのだ。

今回私が乗ったクルマの総合燃費はリッター14キロだった。燃料の軽油はリッター70円だったので、100キロ走るのに500円しかかからない。この「エグザンティアブレークターボディーゼル」は「ル・パルナス」で扱っている。価格は問い合わせていただきたい。

最近フォルクスワーゲンが直噴コモンレールディーゼルエンジン搭載の小型ハッチバック、ルポを発表して話題を呼んだ。リッター当たり30キロ以上という超低燃費が謳われていたからだ。欧州ではこれからもディーゼルエンジン搭載のニューモデルが次々と市場に投入されるだろう。もちろん、ヨーロッパは高速道路が整備され、日本に較べると渋滞も少なく、一定速度での走行が可能という点で彼我の違いはあるが、日本でも黒煙や窒素酸化物(NOX)の少ない電子制御ディーゼルエンジン搭載車が増えて、一般道や高速道のインフラが整えば、ディーゼル車が活躍する機会は増えていくだろう。(報告 松本英雄)

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