話題の「サターン3ドアクーペ」に乗る

1999.01.13 自動車ニュース
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話題の「サターン3ドアクーペ」に乗る(1/13)

サターンジャパンが1月15日より発売する3枚のドアをもったクーペ「サターンSC2」に試乗した。サターンジャパンが名づけた「リアアクセスドア」は使い勝手がよい。

「サターンSC2 3ドアクーペ」は従来の2ドアクーペをベースに左側に後ろヒンジで開く3枚めのドアを設けるというユニークなモデルだ。126psを発生する2リッター4気筒DOHCエンジンなど、ドライブトレインやそのほかのスペックに違いはない。当面、2ドアクーペと併売されるが、やがてクーペは3ドアに1本化されるかもしれない。

グレードはスタンダード(185.5万円/5MTは7.5万円安・以下同)に加え、アルミホイールと電動スライディングルーフ装着の「Gパッケージ」装着車(201.5万円)、さらに本革シートに革巻ステアリングホイールなどを装備した「GLパッケージ」装着車(210.5万円)だ。2ドアクーペとの価格差は6万円となる。

3ドア化で最も懸念されるのはボディ剛性の低下だろう。なにしろ構造上重要な左側のBピラーをとりさってしまっているのだ。しかしサターンジャパンによれば、ドアを閉めたときには構造材として機能し、衝突安全性も実証ずみだという。はたして乗ってみると、たしかにボディがよじれるようなかんじはいっさいない。そもそもスペースフレーム構造を採用しているサターンの場合、ボディは硬すぎるぐらいだったが、その印象は変わらない。

3枚めのドアはなかなかよい。一見どこにアウタードアハンドルがあるかわからないが、じつはドアの断面部に設けてあるので、前席ドアを開けないかぎり操作はできないようになっている。これは後ヒンジのドアの安全対策でもあるのだ。このリアアクセスドアが90度近い角度で開くため、後席への乗り降りはかなり楽だ。おとなでも窮屈な思いをすることなく、出入りが出来る。ドア開閉の操作も楽なので、左ハンドル仕様があれば車椅子を使っているドライバーにとってもよさそうだ。

運転したかんじは、2ドアと変わるところがない。昨年秋から静粛性の増したドライブトレインはパワフルな印象こそないが、トルク特性が比較的フラットなので通常走っているぶんには力不足を感じさせることはない。ただあいかわらずオールシーズンタイヤを履いているせいでハンドリングがあいまいなのが不満なのだが、踏面もサイドウォールも固いラジアルタイヤを装着すると乗り心地が悪くなるかもしれない。速度が上がるとピッチングが気になるサスペンションは、いまいちど全体のセッティングを見直してほしいところだ。クルマにおける諸性能を全方位的にそこそこのレベルにもっていく、というのがサターンのクルマづくりの方針だとすると、そこがどうも画龍点睛を欠いているように思えるのだ。

3ドアクーペというのはなかなかおもしろい発想である。はたしていかなるニッチ(すきま)に入りこむのか、それは市場が決めることなのだが、僕個人のことを考えるならドライバーズサイドにもう1枚ドアがあると荷物の出し入れがラクになって嬉しい。もちろん世のなかには、このサターンの3ドアクーペそのものを待っていた!というひともいるだろう。ただニッチ商品というのは限定された用途に対して企画されるものなので、すべての順列組み合わせが用意されるにこしたことはないのだ。ひとつ言えるのは、「クーペをあきらめないでください」というサターンジャパンの広告にもあるように、クーペという車型がもつ魅力はここにもちゃんとある、ということだ。クーペというのはカッコいいものである。ドアの数に関係なくサターンのクーペもしかり、である。(Web CGオガワ)

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