重厚で濃密、サーブ9-5グリフィンの乗り味

1999.03.05 自動車ニュース
 
 
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重厚で濃密、サーブ9-5グリフィンの乗り味(3/5)

サーブ9-5シリーズに新たに追加された「グリフィン3.0t」に試乗した。3リッターV6ターボエンジンを搭載した最高級グレードだ。

1999年モデルから追加された「サーブ9-5グリフィン3.0t」は、「9-5」シリーズの最高級グレードで、3リッターV6DOHC低圧ターボユニットを搭載している。このエンジンは、ひとつのターボチャージャーをV6ユニットの前バンクだけに設けて作動させ、6つのシリンダーすべてに加給するという、世界初の「非対称ターボ」ユニットを採用している。最高出力は200ps/5000rpm、最大トルクは31.6kgm/2500rpmだ。

独特の北欧モダンデザインで統一されたその室内は「グリフィン3.0t」においては良質な本革シートやウッドパネルが与えられて、重厚な雰囲気をかもし出している。車内には本革の香りが濃密にこもっている。日本に輸入される車は右ハンドル仕様のみだが、ペダルのレイアウトや運転ポジション、ブレーキのタッチに違和感はなく、自然に運転できる。

ユニークな形状のシートは大ぶりでかけ心地がいい。「グリフィン3.0t」には、座面と背面の中に電動ファンが仕込まれていて、背中と太腿の湿気を取り除くという「ベンチレーテッドシート」が採用されている。今回は短時間の試乗だったので、その効果のほどはあまり実感できなかったけれど、筆者は汗かきなので、こういう装備はあるとうれしい。

走り出してみても「グリフィン3.0t」は重厚な感じである。乗り心地はどっしりしていて、そのパワーにふさわしく足まわりは固めだ。しかし前席、後席とも不快な突き上げはない。とくに後席はレッグスペースも、頭の上も、体のわきも空間がゆったりしていて、とても快適だ。ただ、個人的には「2.3t」の柔らかくしなやかな乗り心地の方が、より好ましく思えた。

V6ターボエンジンはごく低い回転域から十分以上なトルクを発生させるので、たいへん乗りやすい。高速道路を比較的速いペースで走っていても、3000rpm以下で事足りでしまうほどである。高速安定性はすばらしく、風切り音も少ないので、うっかりするとスピードが出すぎてしまうくらいだ。

そのエンジンは踏み込んでゆけばモリモリと力を増してゆくが、回転の上昇はあまりスムーズでなく、ガサガサした印象がつきまとう。だからあまり回さないで、出力200ワットの高級オーディオでいい音楽でも聴きながら、スマートに走行したほうが、静かだし、快適でいい。

ステアリングフィールは自然で、リニアな感覚をドライバーに与えてくれる。勾配のきつい箱根ターンパイクを走ってみると、速いペースで、コーナーを安心してクリアできる。ただし「2.3t」と比べると、ややノーズヘビーな感じがして、軽快感には欠けるようだ。

というわけで「サーブ9-5グリフィン3.0t」は、その乗り味もインテリア同様、重厚で濃密な感じのするクルマだった。「2.3t」が若くてはつらつとした好青年という感じだとすると、「グリフィン3.0t」は実力や地位も向上したけれど、お腹も出てきて、ちょっと脂っぽくなったもと好青年といった感じである。ちなみに価格は580.0万円。メルセデスのEクラスを買うよりは「独自の価値観を持った、個性派の自分」をアピールできることは間違いないだろう。

「9-5」シリーズは、とても個性的で、上質なクルマでした。ひさびさに「いいものに乗った」と思えた1台です。くどいですが、個人的には「2.3t」のほうがより好ましいと思いましたが。同時に発売された「2.3tエステート」の試乗記は追ってお届けします。(Web CG スヤマ)

 
 
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