地球に優しいディーゼル、新型テラノに乗る

1999.03.17 自動車ニュース
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地球に優しいディーゼル、新型テラノに乗る(3/17)

マイナーチェンジした「日産テラノ」に試乗した。新開発の直噴ディーゼルエンジンは環境配慮と高性能をきちんと両立させている。

あたらしくなった「日産テラノ」に乗ってみました。マイナーチェンジを受けて、その外観はグリルの意匠が変更されたり、ヘッドライトがキセノンランプになったりして、精悍な印象を生んでいます。しかし、もっとも変更を受けたのはその心臓部です。ディーゼルエンジンが、新開発の直噴ディーゼル「ZD30DDTI」に一本化されたのです。そこで今回は比較のために、売れ筋グレード「R3m-R」の、ガソリン仕様とディーゼル仕様の両方に乗ってみました。

ガソリン仕様の「VG33E」型エンジンは3.3リッターV6DOHC。170PSの最高出力と、27.1Kgmの最大トルクを生み出します。驚くような数字ではありませんが、実際に乗ってみるとそのフラットなトルク感には驚きます。追い越しなどの加速したいとき「スッ」とアクセルを踏み込めば、ためらいなくスマートに加速するのです。エンジン音と走りは滑らかで静かであり、アメリカの乗用車四駆にますます近づき、洗練されました。

ドライバーとパッセンジャー側のシートは、ともソフトで座り心地は悪くありません。しかし後部シートの出来はちょっとお粗末です。これでは長距離ドライブの時には疲れるのではないでしょうか。もう少し荷室を狭くしてもよいから、バックレストに厚みをつけ、全体にボリュームあるシートにして欲しかったと思います。

今回のマイナーチェンジで、日産がもっとも力を入れて開発したのが、3リッター直4DOHCの直噴ディーゼルターボエンジン「ZD30DDTi(NEO Di)」です。今ひとつ知られていませんが、実はこのエンジン、環境のことを考えながらも高出力で、乗りやすいという画期的なディーゼルエンジンなのです。

3リッターの直4ディーゼルターボで、170PSの最高出力と、36.0Kgmの最大トルクを実現しているのは驚きに値します。今までのディーゼルターボエンジンは、高速道路のだらだらした登り坂などで、どんどんパワーが落ちていき、アクセルを踏みこむとキックダウンを繰り返すのが常でした。

ところがこの「ZD30DDTi」は、登り坂でもどんどん加速して、カタログ通りの出力を体感できます。その加速感は、知らない人が乗ったらガソリン車と勘違いするほどです。また可変ノズルターボの効果か、レスポンスの悪さは感じられず、快適な走行ができます。燃費もガソリン仕様にくらべて1.5倍以上は良いでしょう。燃焼技術の改善や高圧燃料ポンプの採用、触媒の改善などが功を奏て、ディーゼル特有の黒煙も、目に見えない程度に押さえられています。

もう一つの技術として電子制御エンジンマウントを採用しています。これはアイドリングや走行状態によって違いのあるディーゼル特有の振動を少なくするというものです。確かに振動は少なくなっており、特に高速道路ではほとんど感じられませんでした。

四輪駆動システムは、ニッサンの御家芸ともいえる多板クラッチを油圧で電子制御する「オールモード4×4」システムです。これは路面状況によってトルクを前後輪に自動配分する4WDで、2WDへもスイッチ一つで変換が可能です。試乗の途中で、かなり滑りやすい路面に出くわしたのですが、後輪が滑り始めても、グリップしている前輪に、即座にトルクが配分されて姿勢を立て直し、安定して走行することができました。ですから普段の町乗りには、取り回しも楽で燃費も良い2WDで走行し、滑り易い路面の場合は、オート4WDモードに切り換えて使えば良いでしょう。

このように新型テラノは、とくにディーゼルエンジンの出来のよさが光る、快適な都市型のヨンクでした。CMに使われている、宇多田ヒカルの曲「MOVIN' ON WITHOUT YOU」は飛ぶ鳥を落とす勢いでヒットチャートを快進撃中ですが、このテラノもそうなってもらいたいものです。(リポート=松本英雄)

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