ナチュラルでしなやか、新型シルビアに乗る

1999.03.18 自動車ニュース
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ナチュラルでしなやか、新型シルビアに乗る(3/18)

フルモデルチェンジされた「日産シルビア」に試乗した。洗練された動力性能をもつ、大人びたスポーツクーペに変身した。

1月19日に発表された新型シルビアは、これで7代目となる。今回のモデルは運動性能の向上を大きなテーマにして開発されたという。ボディサイズを5ナンバー枠に縮小して剛性を向上させ、ドライブトレインやサスペンションは従来型のものを熟成させている。

搭載されるエンジンは2種類で、2リッター直4DOHCの「SR20DE」型と、これにターボを装着した「SR20DET」型がある。どちらも旧型を熟成させたユニットで、「SR20DE」は排ガス浄化性能を向上させてLEVとし、「SR20DET」は出力を250psに向上させ、6段MTやヘリカルLSDと組み合わせたモデルも設定している。

今回試乗したのは、「スペックS Gパッケージ」(4AT 197.7万円)。自然吸気版のエンジンを搭載した「スペックS」に、15インチアルミホイール、オートエアコン、CDプレイヤー付オーディオ、本革巻ステアリングホイールなどを装備した、どちらかといえばスポーツカーというよりデートカー的な性格のモデルだ。

走り出してみてすぐに、コンパクトなサイズによる、取り回しのしやすさに気がついた。四隅の見切りもよいので、運転がしやすい。乗り心地は適度に固めだけれど、首都高などの段差などを超えても、「トンッ」と心地よい音とともに衝撃を吸収して、不快な突き上げを感じさせない。ボディの剛性の高さと、サスペンションチューニングの良好さを感じさせる。

160psの最高出力と、19.2kgmの最大トルクを発生する自然吸気ユニットは、低回転域から必要なだけのトルクがあり、途中ややトルクが落ちこむけれど、4000回転前後からモリモリとパワーが出てくる。エンジン音が少々蛮勇ではあるけれど、元気よく回る気持ちのよいユニットだ。

組み合わされている電子制御4ATは、最近のさまざまな「スポーツモードAT」に背を向けるかのような、ごく普通のATである。おそらく「ATのユーザーは、スポーツドライビングを求めない」との割り切りの上での設定だろう。それでもレスポンスやシフトスケジュールなどに、とりたてて不満は感じなかった。しかし、やはりこのエンジンはマニュアルで味わうのが一番だろう。

新型シルビアのいちばんの美点は、やはりそのハンドリングの素晴らしさだろう。今回は高速道路中心の試乗だったけれど、ステアリングフィールは自然で、正確であり、ハンドルを切るという、その行為の感触が上質で、気持ちがいい。しなやかに機能するサスペンションが、その気持ちのよさに拍車をかける。挙動の変化はプログレッシブで唐突さはなく、安心感がある。ブレーキアシストとABSをそなえたブレーキの感触もいい。これらの要素が調和して、新型シルビアは、心を熱くさせるというより、節度のある大人びたスポーツドライブが楽しめるクルマになっている。マニュアルなら欲しいな、と思った。

ただ、エクステリアのスタイリングが、個人的にはちょっと引っかかる。たしかにプロポーションはいいと思う。エレガントさとアグレッシブさのバランスを取ろうとしている意図も理解できる。でも、30をすぎた大人の男が乗るには、ちょっと気恥ずかしさを覚えてしまうのは、ひとえに私の趣味のせいなのだろうか。(Web CG スヤマ)

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