プジョーのニューモデル「206」に乗る

1999.05.17 自動車ニュース
 
 
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プジョーのニューモデル「206」に乗る(5/17)

インチケーププジョージャパンの手で輸入開始されたプジョーの「新世代コンパクトモデル」、「プジョー206」に試乗した。

「プジョー206」は106と306の中間に位置するハッチバックで、ボディは2ドアと4ドアが用意される。日本で発売されるモデルのエンジン排気量は、1.4リッター(5MTと4AT)と1.6リッター(5MT)となる。遅れてスポーティな2リッター「S16」、さらに年末には1.6リッターのATモデルが導入されるという。

「206」シリーズはさまざな組み合わせがありますね。当面はラグジュアリー系の「XT」が1.4リッターと1.6リッターに設定されていて、1.4リッターには2ドア(5MTと4AT)と4ドア(4AT)、1.6リッターには4ドア(5MT)というボディ設定になります。スポーティな「XS」は1.6リッターに設定されておりボディは2ドア(5MT)のみとなります。そして最もスポーティな2リッター「S16」が2ドアボディで用意されます。ここの部分、途中で読むのをやめたひともいるでしょうね。

乗り心地がいい、というのが全体的な印象ですね。路面からの急激なつきあげ、つまりダンパーのピストンスピードが早いという場合でも、うまく処理しているんです。高速道路で継ぎ目を乗りこえるときなど、国産の大衆車より上質なかんじがあります。

もっとも価格だって1.4リッターで165.0万円もするわけですから、日本人には「大衆車」ではないですよ。トヨタキャバリエなんて2.4リッターで価格はもっと安いんです。

まあ、「206」にもこのクルマならではの魅力がありますよ。たとえばシャシーは剛性感が高くて、サスペンションが設計者の意図どおり動いているかんじは好きですね。とくにリアのトーコントロールなどは前輪駆動車特有のアンダーステアをうまく抑えこんでおり、ドライバーに安心感を与えてくれています。このクラスでこのレベルというのは国産車にはなかなか見当たらないですよ。

今回試乗したのは1.4リッターのMTとAT、それに1.6リッターMTでした。結論からいうと、最も好ましく思えたのは、1.4リッターMTですね。乗り心地もハンドリングも最も軽快な印象なんです。サスペンションとタイヤ(ミシュラン165サイズ)のコンビネーションが効を奏しているのでしょうか。重量もAT車より60kg軽いから、そのせいもあるでしょう。エンジンを回して走ると楽しいし、そうすればけっして非力な印象はありません。

反対にガッカリしたのは「1.6XS」ですね。スポーティなモデルのはずなのですが、太いタイヤにサスペンションがついていかず、ワインディングロードでも高速でもややフワついた印象で、いまひとつ楽しくないんです。これよりは1.4リッターATのほうが好きです。学習機能をもった「AL4」という新世代のトランスミッションは、坂ののぼりくだりでパワーバンドを有効に使える設定になっているのに感心しました。エンジンブレーキを多用することなく走れるんです。さらに国産のこのクラスではめずらしいロックアップ機構を備えているのですが、好感をもてるのです。いくら燃費がよくなるからといってもむやみに高いギアでのロックアップをきかせてドライバーに非力な印象を与えることなく、一定速度の走行のときのみにかぎられているんです。開発者はドライビングというものをよく理解しているんですね。

このクラスのライバルと比較すると、フィアットプントにはしっかり感で勝ち、オペルヴィータにはコーナリング性能で勝ち、フォードKaにはスタイリングで勝ち、フォルクスワーゲンポロにはハードウェアの完成度で負けスタイリングで勝ち、ルノールーテシアには乗り心地で負け、といったところでしょうか。

プジョーはこれから電動でスチールのルーフが開く「ツーオーハート」や、WRCのホモロゲーションモデルなどを発売していくらしいですね。そういうスポーティなイメージを、「206」のアグレッシブなスタイリングは早くも反映していると思います。ボディカラーは面の表情がよく出るものを選ぶとよりいい、と助言をさせていただきます。

=松本英雄

=小川フミオ

 
 
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