ホンダ「インサイト」試乗記

1999.11.01 自動車ニュース
 
 
991101_001.gif

ホンダ「インサイト」試乗記(11/1)

本田技研工業が11月1日より発売するハイブリッドカー「インサイト」に横浜で試乗した。

「インサイト」は、超低燃費35km/リッターを謳った2人乗りのハイブリッドカーである。新開発の1リッター3気筒リーンバーンVTECエンジンに薄型のモーターを組み合わせた「ホンダIMAシステム」を搭載した前輪駆動車だ。NOx吸着型触媒などにより、HC、CO、NOxそれぞれの排出量を、平成12年度規制の50パーセント以下に抑えているという。

トランスミッションは、5MTと無段変速のホンダマルチマチックSの2種類が用意されている。軽量化のためにシャシーをはじめ、各所にアルミが多用されているのも特徴で、さらに専用タイヤは、ころがり抵抗を約40パーセント低減(同等サイズ比)しているそうだ。 価格は5MTが210万円、ホンダマルチマチックが218 万円となる。

ようやく乗れました、「インサイト」の完成車に。いままで何度も乗る機会があったんですが、どれも「まだ試作の段階」とメーカーから釘を刺されていたんです。たしかに乗ってみると、回生ブレーキの効きがマイルドになっていたり、「ふつう」の乗用車っぽくなっていました。

最初の印象は、「スポーツカーみたい」というものでした。アルミ製なのですごく軽いんです。走りだしても車重が軽いことを感じさせられます。軽自動車より軽い、車重820キロというだけありますね。ホンダが使用しているアルミ板は塗装することによって強度があがるという、熱処理型の比較的高価なものなんです。このあたりは凝ってますね。ただし一般のひとにこれが伝わるかどうかはギモンですが。今回の試乗会では、燃費競争というのをやりましたね。本牧からアクアラインを通って「海ほたる」まで走るのにリッター何キロでいけるか、と。メーカーのエンジニアが記録した数値は、リッター31.5キロということでした。

我われが乗ったのはMT車でした。1リッターエンジンゆえ発進トルクが細いのですが、それをカバーするために電気モーターがアシストします。さらに1速がかなりローギアードになっているので、発進はスムーズです。2速からは燃費重視のせいでしょう、各ギア間がかなり離れていますが、トルクが落ち込んでも、ここでもモーターがアシストしてくれるので、それほどパワー不足は感じさせません。で、僕はアクセルペダルを踏み込まないようにして、なるべくエンジンをリーン領域(空気対ガソリンの混合比が14.7対1の理論空燃費より薄い状態)におくように心がけました。エアコンもいれずに、窓をしめきって空力が乱されないようにして、下り坂ではギアをニュートラルにいれました。で、結果はというと、リッター35.9キロ! 達成感はありますが、速度が出せないので、ストレスがたまるような運転でした。

僕は同じコースを海ほたるから本牧まで走ったのですが、このときはなるべくふつうに、を心がけました。で、結果はというと、リッター22.5キロでした。けっして悪くありません。

クルマとしてみると、乗り心地はゴツゴツしていてよくないし、高速では操作系のころがり抵抗を低減しているせいで、慣れないうちはフラつきぎみになるしで、ハードウェアとしての煮詰めは甘いかんじです。

まあ、凝ったアルミフレームだし、アルミニウムパネルも高価なものだし、ボディはある意味では斬新な空力形状だし、ホンダっぽい要素が詰まっているという点では、ファンにはプリウスより価値があります。

松本英雄

小川フミオ

 
 

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

インサイトの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • ホンダ・アコード ハイブリッドEX(FF)【試乗記】 2016.6.13 試乗記 誕生から40年を迎えた今年、「ホンダ・アコード」が大幅なマイナーチェンジを受けた。よりパワフルかつトルクフルに進化したパワーユニットの出来栄えはいかに? 変更されたエクステリア、インテリアの印象と併せて報告する。
  • BMW X1 xDrive18d Mスポーツ(4WD/8AT)【試乗記】 2016.12.5 試乗記 「BMW X1」に、ディーゼルエンジンを搭載した4WDモデル「xDrive18d」が追加された。BMW SUVラインナップのエントリーレベルを担うコンパクトモデルの実力を、ガソリンエンジン搭載車に対するアドバンテージとともにリポートする。
  • ホンダNSX(4WD/9AT)【試乗記】 2016.12.1 試乗記 初代の生産終了から10年あまりの時を経て、ようやく現実のものとなった新型「NSX」。ホンダ渾身(こんしん)のハイブリッド・スーパースポーツの走りと、それを支える技術的ハイライトについて詳しく報告する。
  • 第4回:究極のATSセダンの実力は?(最終回)
    キャデラックATS-Vに試乗する
    2016.11.24 特集 2カ月にわたってお届けしてきた「キャデラックATSセダン」の長期試乗記もいよいよ最終回。今回は470psを誇る3.6リッターV6ツインターボエンジン搭載のスーパーセダン「ATS-V」の走りをリポートする。
  • トヨタ、「マークX」をマイナーチェンジ 2016.11.22 自動車ニュース トヨタ自動車は2016年11月22日、FRセダン「マークX」にマイナーチェンジを実施し、販売を開始した。“洗練された格好良さと遊び心を両立した大人のスポーティセダン”をテーマとして、フロントを中心にデザインが一新されている。
ホームへ戻る