フォーミュラニッポン、高木の凱旋勝利で開幕

2000.03.30 自動車ニュース
000330_069.gif

フォーミュラニッポン、高木の凱旋勝利で開幕(3/30)

3月26日、鈴鹿サーキットでフォーミュラニッポン開幕戦が行なわれた。レースはクラッシュが多発、赤旗中断によりフォーミュラニッポン初の2ヒートのレースとなった。コンディションは雨が降ったりやんだりと変わりやすく、またセーフティカーが2回入るなど、今回より導入されたタイア交換の見せ場が多く見られた。

優勝を飾ったのはF1帰りのPIAA NAKAJIMAの高木虎之介。高木は予選4位からスタート、途中130Rでスピンするなどして順位を大きく落とし、第2ヒートは8位からのスタートとなった。このヒートでは思い切ってスリックタイヤを装着したことも功を奏して、グングンとポジションアップ。

レースも2周となったシケインで高木は1位ミハエル・クルムを見事にかわし、そのままフィニッシュ、F1での経験と貫禄を披露してみせた。2、3位には5ZIGENのミハエル・クルム、服部尚貴が入り、優勝候補の1人、本山哲は第1ヒート1位だったものの、6位に終わった。

■見た目重視のピットクルー
優勝を飾った高木虎之介のチーム、PIAA NAKAJIMAは、さすがにピットクルーの動きもテキパキと無駄がない。今年から導入されたタイヤ交換の作業も一味違う。中嶋企画の林氏によると、「見た目を重視して、スタッフの配置なども、きれいに並ぶようにしています」。スタッフはF1並にレーシングスーツを着ているが、高木選手のF1経験に教えられるところが大きく、見た目が大事でドライバーが不安にならないように気を付けているという。決勝ではピット作業でクルムを逆転する場面もあり、「不安だったところも、うまくいきました」と、スタッフも安心したようであった。

■タイヤ交換は学生の手で
タイヤ交換のために、新たにスタッフを雇うチームもあるが、TEAM DANNDELIONでは京都デザイン専門学校の学生がスタッフとして加わっている。タイヤ交換スタッフは15人いるが、そのうち5名は同校からの応募者。他のプロと同じ扱いで、今後もタイヤ交換スタッフの役を担っていくという。リーダーの木綱君以下全員19歳で、レースメカニック志望。「いきなりフォーミュラニッポンなので、緊張をとおりすぎています」というものの、学校にあるツーリングカーなどで練習を重ねた甲斐あって、本番決勝では見事に作業をこなしていた。

ところで道上選手は接触でリタイアしてしまったが、同チームのマシンには携帯電話が積まれていた。スポンサーNTT DoCoMoの機器で、ドライバーの無線、車載映像、データの転送に使用するという。極悪なコンディションでも携帯が耐えるようにというテストでもあり、いろいろ補機はついているが、携帯の端末自体は全く市販品と同じもの。なんとレース中は繋ぎっぱなしにするので、通話代がかかるとはいえ、普通の無線よりも、よく通じるという。

■設備はF1並み
レイナード製シャシーが圧倒的多数を占める中、モリナガ・ノバはGフォース製を使用。今季の新型マシンGF03Bは、ラルフ・ファーマンが駆って予選で見事にポールポジションをゲットした。ところが本番では5周目に130Rでクラッシュしてリタイア。「ウチは本来ドタバタに強いのに最初にやられたんではしょうがない」とはノバ・エンジニアリングの森脇基恭氏。

ところでモリナガノバのピットでは、ここはF1チーム?と思わせるようなかっこいいモニターが目を引いた。ドライバーがコクピットに収まった状態でサーキットの状況が確認できるアレだ。モリナガ・ノバのそれは、スプリングで吊ったチューブで好きな位置に高さ調整できるようになっている。こうした「先端設備」の導入はもちろん、レース前にピットの床を塗りなおすなど、環境の整備がチームの意気高揚と、レースを見に来るスポンサーへの「気遣い」として、一役買っているようだ。

■1000本のタイヤ
タイヤ交換導入によりBSのタイヤそのものにも変更があった。決勝の75パーセントより3周以上前にタイヤ交換しなければならないということで、耐久性よりもグリップ重視の設計になったのだ。開発担当の本居氏によると「グリップが上がりドライバーにも好評です。ゴムはコンパウンドのみが変わっています。もてぎではソフトタイプが投入されるかもしれません」。規則で使えるドライタイヤのタイヤ本数が多くなったので、1レース約1000本が必要。BSは他のカテゴリーもやっているため、生産するのもけっこう大変だという。

リポート=武田隆
写真=須藤章一

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。