激戦の全日本GT選手権、開幕戦をGT-Rが勝利

2000.04.05 自動車ニュース
000405_016.gif

激戦の全日本GT選手権、開幕戦をGT-Rが勝利(4/5)

2000年全日本GT選手権が開幕、4月1、2日に栃木県ツインリングもてぎで第1戦、「もてぎGTチャンピオンレース」が行われた。

予選は3台のNSXが、ライバルのスープラ、GT-Rを抑えて上位を独占した。レースでも予選ダントツ1位の脇阪寿一/金石勝智組TAKATA童夢NSXがリード。ところが、GT-R勢トップの、エリック・コマス/影山正彦組のロックタイト・ゼクセルGT-Rが、途中ペースカーが入ったことにも助けられて2台のNSXをパス。
そして後半40周目、トップのTAKATA童夢NSXが、当初から懸念されていたギアボックストラブルに襲われ、コース上でストップ。ロックタイトゼクセルGT-Rが首位に上がり、そのまま後続をひきはなして見事に勝利を飾った。2、3位はCastrol無限とMobilのNSX、4位にF/Kマッシモ・スープラが入った。GT300クラスでは、ポールトゥフィニッシュでシェルタイサンアドバンGT3Rが優勝した。

〜GT選手権を戦う主役たち〜
GT選手権を走るマシンは、市販のGTカーをベースにしている。全日本GTは、年々戦いのレベルが上がっていて、特に総合優勝を争うGT500ではトヨタ、ニッサン、ホンダが、それぞれスープラ、GT-R、NSXを投入、他を圧倒するスピードを見せつけている。一方で、プライベーター達が、思い思いのGTカーを仕立てて参戦しているのも、GT選手権の魅力のひとつ。今回は、その中でも特にこのシリーズに華を添えている、GTの本場ヨーロッパのスポーツカーのいくつかを紹介してみよう。

■特製のランボルギーニ・ディアブロ
まさにGTならではのスーパースポーツが、ランボルギーニ・ディアブロだ。チームオーナーの則竹さんは以前、F1のランボルギーニのチームを鈴鹿で面倒を見ていた関係でランボルギーニを走らせている。このクルマはラルースがシャシーを製作、ランボルギーニが専用にドライサンプのエンジンを仕立てた。今回は予選中に駆動系トラブルが出たが、本戦は15位で完走。参戦当初はポイント獲得もできたが、選手権は厳しくなり今ではなかなか入賞できない。シャシーは日本のワークスマシンと比べ、改造範囲も広くなく車重も重い。「ランボルギーニを愛する人のためにやるというのが、ここで走らせる動機です」という則竹さん、シングル入賞をねらって、夏からはすごい新車を投入予定という。

■ルマン・ウィナーも苦戦
マクラーレンF1GTRは今年、2台が走る。マクラーレンは96年JGTCのチャンピオンマシンで、今回予選6位ながら決勝は惜しくもリタイアした綜警マクラーレンGTRはこのマシンを購入したものだ。以前からプライベーターとしてポルシェでGT500に参戦していたこのチームは、性能的に勝てるマシンを探していたところ、ちょうど日本にあったマクラーレンを選んだという。もっともこのレースではGT500では500馬力に性能が均一になるよう、エンジンの吸気制限が行われているので、もともとルマン24時間も優勝するようなマシンでも、なかなか勝てないのが実状だ。

■911はGTの中のGT
GT300クラスで、一番多いのはポルシェ911だ。速さも際立っていて、今回もチームタイサンの最新型996のGT3Rがポールトゥウィンを飾った。GT3Rは他にも910レーシングが2台を走らせ、そのうち1台はピット作業でロスをして4位となったが、途中までトップを追い上げた。このクルマは日本に来てから10日しかたっていないほとんどノーマル状態。チームオーナーのナインテンコーポレーションの安永さんは「生産車に一番近いレーシングカーです。まさに『GTカー』といえるクルマだと思います」と語る。プライベーターにとってポルシェは部品の供給がしっかりしているので、レース運営もしやすいのだという。やはり911はGTの中のGTといえるかもしれない。

■ボクスターレーサーも登場
レースの世界では珍しいポルシェ・ボクスターが今年からGT300に参戦、話題を呼んでいる。このクルマは参戦が決まってから、なんと70日という異例な早さで作り上げたという。もともと911のエンジンとギアボックスを逆にして重量配分が有利なミッドシップにして走らせようという計画があったが、このボクスターで実現したもの。本当はGT3Rの水冷を載せると一番良いようだが、まだポルシェからデリバリーがないので、今はGT2のものを積んでいる。まだまだ速くなる余地はあるようで、今回は最下位ながらまずは完走を果たした。

■スポーツカーの華といえば
GTの華、フェラーリも走っている。ドライバーの真希遊世さんは、アマチュアとしてF355のワンメイクレースで走っていたが、さらに上のレースをやりたくて、全日本戦のGTに参戦し始めたという強者。「フェラーリはミッドシップでテクニックがいるので、テールも流れるしドライビングは難しい」と語るが、6位以内入賞を目指してがんばっている。今回はGT300クラス9位だった。空力パーツのデザインなど、フェラーリの美しさを損なわないように気づかっているというが、やはりフェラーリはGTレースになくてはならない存在である。

リポート=武田 隆
写真=須藤 章一

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。