ルマン速報、全車車検をパスし予選に向けて始動

2000.06.15 自動車ニュース
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ルマン速報、全車車検をパスし予選に向けて始動(6/15)

今日はルマン24時間の車検2日目。いよいよアウディと日本チームのペイノズが登場する。

車検2日目は、朝9時から始まり、プロトタイプやGTS、GT各クラスのプライベーターなどバラエティに富んだマシーンが勢ぞろいした。今年のルマンがあいかわらず、充実したエントラントを集めていることを感じさせた。

今日のスター、そして今年の優勝候補アウディR8は午後3時過ぎに、カーNo.7、8、9が3台揃って現われた。3台のR8はボディがドイツのナショナルカラーのシルバーに、コクピットまわりが、それぞれ黒、赤、黄に塗られている。造型の美しさ、フィニッシュの高さなど、完成度の高さを感じさせる。ゴールまでに何があるかわからない厳しいルマンでは、昨年断然優勢といわれたトヨタが勝てなかったように、ふたを開けてみなければわからない。とはいえ5大ワークスが揃った昨年に比べ、ライバルの数も少なく、アウディの優勢は動かしがたい。というのも、ポルシェ・エンジンで何度も優勝を飾っている、経験豊富なヨーストがオペレーションを担当していることに加え、昨年も初参戦で表彰台をとったほどの実績を持っているからだ。テストも充分にこなし、ライバルより一歩もニ歩も先を行っていることは確かなようだ。

しかし何が起こるかわからないのがルマン。アウディに対抗する筆頭候補ペイノズは、昨年、予備予選でトヨタに迫るほどのタイムも出しており、今年はそのマシンを進化させて持ち込んだ。アメリカン・ルマンシリーズでの実戦経験も積んで、その実力はメーカーワークスでないとはいえ、全く侮れない存在だ。

昨日はアメリカ本国チームが車検を受けたが、今日は日本のTV朝日チームのペイノズが登場した。

テストデイで総合7位のタイム、そして5台のペイノズ勢の中でトップタイムを出したのがTV朝日チームの23号車なのだ。そのマシーンを駆った影山正美選手は、「勝つにはいろんなことがないと勝てないと思うが、とりあえず表彰台圏内でフィニッシュすることを目指したいと思っている」と語ってくれた。

「前回の予選7位はまだペイノズのポテンシャルを引き出せていない状態。去年のペイノズはトヨタと遜色ないタイムを出しているんだから。原因は2000年のレギュレーションにあわせて変更した空力の失敗。対策はアメリカチームで講じられており、かなりタイムは縮められるはずです」

ペイノズ23号車はアメリカチームと基本的に同じマシーンであり、メインテナンスもアメリカチームと同じ、デイヴィド・プライスが担当している。もちろんサポート体制などはアメリカチームに比べ、不利は否めない。だが「アメリカチームに比べ、走行回数が少ないのに予選トップだった。自分の中ではアメリカのチームに負けてるとは思ってない。予選でもし、やれと言われれば、ペイノズのトップはねらっていくつもりです」と、力強く予選への意気込みを語ってくれた。

ドライバーはほかに影山正彦、鈴木利夫、飯田章、土屋圭市、近藤真彦ら、スター選手が勢ぞろい。さらに関谷正徳、高橋国光という大御所が2台の監督について、チームは豪華な布陣だ。

カップヌードルのスポンサーカラー、金色の龍が描かれたマシーンは、かなりの存在感。チームのスタッフは日本から大所帯でやってきており、おまけに着物姿の、チーム姫も車検場に現われ、フランス人プレスの人気を買っていた。会場でひときわ目立っていたジャパニーズチームであった。

日本人ドライバーといえば、LM−GTクラスに参戦するチームタイサンのポルシェ911GT3Rも車検場に現われた。インディで負傷したエースの松田秀士選手は欠席し、福山選手、余郷選手は暑さに少々参っている様子。LM−GTクラスはポルシェGT3Rのワンメイク状態だが、いろとりどりに塗られた911の中で、日本のGT選手権でクラス最強を誇るクルマと同じカラーリングのマシンには、やはり日本人として親近感を感じる。本場ヨーロッパのポルシェ達とどこまで張り合えるだろうか。期待したい。

さらにポルシェ911GT2の池谷選手、WRプジョーで走るミスター・ルマン、寺田陽次郎も忘れてはならない存在だ。

今年、自らのチーム、オートエグゼからの参戦を絶たれた寺田選手は、WRプジョーについて、「マシーンのポテンシャルはあると思う。熟成されれば速いと思う。LMP675クラスで勝ちに行くほどの速さはないが、ゴールまで走り続ければチャンスはある」と語った。寺田選手は今回でルマン参戦22回目。アンリ・ペスカローロやボブ・ウォレックにはかなわないが、フランス人以外では寺田選手は現役で最多参戦を誇る。「まだまだルマンで走りたい」と、まだまだやる気充分。会場舞台でのインタビューでは、テラダサン、テラダサンとインタビュアーに呼びかけられて、ルマンの名物ドライバーとして、地元にもすっかりとけ込んでいるようだった。

さあ、明日はいよいよ予選1日目。19時から24時まで、2回のセッションに分けて行われる。どういった速さを見せるか、また明日リポートしよう。

リポート=武田 隆
写真=須藤章一

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