3代目セルシオ、披露される

2000.09.01 自動車ニュース
 
 
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3代目セルシオ、披露される(9/1)

東京ニューシティー管弦楽団によってムソルグスキー作曲「展覧会の絵」が演奏されるなか、舞台の上に、銀色の新型セルシオが台座に乗って、クルクル回りながら現われた。
8月31日、トヨタのフラッグシップ、セルシオの発表会が、東京は帝国ホテルでにぎにぎしく行われた。世界中の自動車メーカーにショックを与えた初代セルシオのデビューから11年。3代目にあたる新型は、ホンモノの江戸っ子、じゃなかった、プレミアムサルーンになったのか。はたまた身代をつぶすのか。

■いたれりつくせり
ニューセルシオのポイントは2つ。エンジンを、4リッターV8から4.3リッターV8に拡大したこと。ボディ長はそのままに、ホイールベースを延長したことである。後席のスペース拡大(とコストダウン)を目的に登場した先代、つまり2代目セルシオの開発方針を継承、広い室内と余裕のエンジンで、欧米プレミアムサルーンを凌駕したいところ。外寸の現状維持は、国内市場への配慮だろう。
全長×全幅×全高=4995×1830×1470〜1490mm。全長、全幅は従来型と変わらず、全高のみ55mm高くなった。車重は、1780〜1840kg。
2925mmと75mm長くなったホイールベースの恩恵は、主に後席にもたらされた。またロングホイール化は、重量物を車軸間に配置、車両運動性能を向上させることにも寄与している。いわゆるヨー慣性モーメントの低減である。さらに最大の重量物であるエンジンの搭載位置は30mm後退、燃料タンクは後席の下に置かれた。

インテリアは、「高級家具を彷彿させるシートや木目パネルなど、くつろぎの室内空間を演出」(トヨタ)。そのうえ、シフトレバー付近、足元などを「LSD光源の柔らかなアンバー色のイルミネーション」で飾ってくれる。
実用面では、前席座面長を、70mmの幅で前後に調節することが可能となった。青い目の長身エグゼクティブから、「インターネットにかけてみたいんだ!」と叫ぶ純和風体型の社長さんまでをカバーする。座面の下には、サーブ95で採用された、蒸れを軽減するシートファンを装備することも可能だ。
メルセデスCクラスに続き、金属のキー部分をもたない、つまり大きめの根本だけの「スマートキー」を採用したこともニュースだ。ドアロック、トランクの開閉はもちろん、持ってクルマに近づくだけで、ドアミラーに配されたランプが足元を照らすという。
室内空調も凝っている。外気の汚染度合いに合わせて外気の導入量を自動調整するほか、吹き出し口のレジスター首振り量までを、乗員の状態、室温に応じて変化させる。
緊急時には、自動(エアバッグ作動時)または手動(緊急通報スイッチ)で、「ヘルプネット・オペレーションセンター」に通報、オペレーターが事故車の位置を警察や消防に連絡してくれる。セルシオとともに、応接間から墓場まで。

■装備てんこ盛り
4リッターV8のボア径を拡大した4.3リッターV8は、VVT-iと呼ばれる連続可変バルブタイミング機構を搭載、280ps/5600rpmの出力と、43.8kgm/3400rpmの最大トルクを発生する。1平方インチあたり900セル、厚さ50マイクロメートルというセラミック触媒を開発、コンパクトにしたエグゾーストマニフォルドとあわせ、排ガスの浄化効率を向上、平成12年基準排出ガス75%低減レベルを実現したという。プリウスに続き、「超-低排出ガス車」に認定された。
トランスミッションは5段ATのみ。
サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン。コイルバネを使用するA、B仕様には、eRバージョンと呼ばれる欧州チューンの足まわりも用意される。エアサスペンションの開発も進み、車高を一定に保つオートレベリングのほか、ノーマル、ハイを選ぶことも可能。高速走行時には、自動的に車高が下がる。また、ダンパーの減衰力をコントロールするセミアクティブ機能をも備わる。
高速道路での巡航時など、前方のクルマとの間隔を自動的にとる「レーザークルーズコントロール」は、スロットル、シフト制御に加え、ついにブレーキペダルまで踏むようになった。セルシオの行く末は、5人乗り新幹線?

日産スカイラインGT-Rに続いて、新型セルシオのカタログでも、クルマ下面の写真が載せられた。アンダーカバーで覆い、フロアの平面化を推し進めた結果、CD値=0.25という驚異的に良好なドラッグ係数を得た。「静かな走り」「低燃費」そして「高速安定性向上」のためである。「空力ボディ」の風切り音低減には、鉄道総合技術研究所の風洞を活用、音源からの対策を講じたという。やはりライバルは新幹線? 
衝突安全GOAボディを筆頭に、前後の制動力を配分するEBD付きABS、ブレーキアシスト、アンチスピン装置VSC、トラクションコントロール、そしてタイヤ空気圧警報システムなどアクティブセイフティのてんこ盛り。
受動安全装備では、助手席エアバッグが、衝突の激しさによって、「一気に」「2段階に」と膨らみ方を変えることが新しい。サイドクラッシュには、前後席の窓にわたって展開されるカーテンシールドエアバッグで対応する。

価格は、A、B仕様が、540.0〜600.0万円。エアバネ式のC仕様が、615.0〜730.0万円。
なお、お年寄り、身体の不自由な方には、乗降性を考慮したウェルキャブシリーズが用意される。全自動助手席回転スライドシート車が652.0万円。それに車イス収納装置がついた仕様は、662.1万円である。(web CG アオキ)

 
 

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