ラリーの祭典「レース・オブ・チャンピオンズ」開かれる

2000.12.15 自動車ニュース
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ラリーの祭典「レース・オブ・チャンピオンズ」開かれる(12/15)

「グランカナリア」と聞いて、ピンとくる人は、かなりのラリーファンではないだろうか。
グランカナリアは、スペイン・カナリア諸島の中心となる島で、アフリカ大陸のモロッコ沖に位置している。日本でガイドブックなどを見ても、詳しい解説を見かけることは少ない。
しかしラリーファンにとっては、毎年WRC公式戦の終了後に「ROC(レース・オブ・チャンピオンズ)」が開催される島として有名なのだ。

■2台同時走行で勝負
初めて聞いたという方に、このイベントの成り立ちを簡単に説明しておこう。ROCは、グループBラリーカーが全盛時代、ランチア・デルタS4で、ラリー中に不慮の事故死を遂げたH・トイボネン選手の追悼イベントとして、12年前に始まったイベントだ。そして、トイボネン選手と激しいバトルを繰り広げたライバルが集い、加えて、当時としては非常に斬新だった2台同時スタートでの勝ち抜き戦という競技形態を取り、エポックメイキング的なイベントとなった。このグランカナリアで開催されるようになったのは1993年から。

■メインイベントがレース・オブ・チャンピオンズ
現在ももちろんトイボネン選手を追悼する気持ちは変わっていないのだが、イベント自体の内容でも、世界中のラリーファン垂涎の的になっている。何にしろ、WRCトップドライバーの走りを一箇所でまとめて見ることができてしまうのだ。
今年は、地元ドライバーによるカナリアンマスターズ、スパニッシュマスターズ、国別対抗のナショナルカップ、一線を退いたドライバー(でも速さはまだ一線!!)によるレジェンズ、ラリーマスターズ、そして、メインイベントのレース・オブ・チャンピオンズという盛りだくさんのクラス構成で行なわれた。

■レジェンズには歴代チャンピオンがズラリ
日本でもおなじみのドライバーが登場するということでは、メインイベントのレース・オブ・チャンピオンズに勝るとも劣らない、「レース・オブ・チャンピオンズ・レジェンズ」。T・サロネン、S・ブロンクビスト、P・エクルンド、M・ビアシオン、H・ミッコラ、B・ワルデガルドといった、かつてWRCの一時代を築いた選手が顔を揃えた。しかも、1回戦とセミファイナルでは、70年代に活躍したフォードエスコート・マーク?を使用マシンの内の1台にチョイスするなど、「レジェンズ」のタイトルどおりの演出を見せるサービス。

■ブロンクビスト、ワルデガルドがレジェンズ・ファイナルで当たる
1回戦では一番現役に近いビアシオンが敗れ去り、セミファイナルではサロネンとシードのブロンクビスト、ミッコラとシードのワルデガルドが当たる。そしてファイナルでは、古くはサーブ、記憶に新しいところでは日産パルサーGTI-Rで活躍したブロンクビストと、長年トヨタの顔として活躍したワルデガルドが当たる展開となった。
そのファイナルでは、「今日はとても楽しく、そしていい走りができた」と語っていたブロンクビストが、ドライビングミスのあったワルデガルドを退け優勝を飾った。

■レース・オブ・チャンピオンズは8人のドライバーで
レース・オブ・チャンピオンズに参戦したのは、招待選手の2000年ワールドチャンピオン、M・グロンホルム、D・オリオール、G・パニッツィ、T・マキネン、それにレジェンズを勝ちあがったS・ブロンクビスト、ラリーマスターズから勝ち残ったA・シュワルツと地元のA・アロンソ、ナショナルカップに参加したバイクのライダーの中最速だったV・ロッシ、合計8選手。

■ファイナルは、チャンプのグロンホルム対マキネン
8名中セミファイナルまで生き残ったのは、グロンホルム、オリオール、パニッツィ、そしてマキネン。現在のWRCシーンを見てみれば、勝ち残って当然の選手たちだ。セミファイナルでは、カローラWRCを乗り慣れているはずのオリオールがグロンホルムに大敗。ファンサービスとも思えるような、激しい走りを見せたマキネンがパニッツィを下した。
決勝戦のファイナルは、マキネンが明らかに勝ちを意識した手堅い走りを見せ、チャンピオンのグロンホルムをストレートで下してしまうという、意外な展開で幕を閉じた。レース後、2人のフィンランド人は、お互いの健闘を称えあっていた。

■ ナショナルカップには日本チームも参加
決勝前日に行なわれた、冠スポンサーのミシュランタイヤユーザーによる「ナショナルカップ」には、日本チームとして篠塚建次郎、加藤寛規、青木宣篤の3名が参加した。二輪が本職の青木は「まだ、攻めるところまでいっていない」と語り、少々戸惑いもあったようだ。そして日本チームは、残念ながら一回戦で姿を消してしまった。
優勝はフランス、2位にイタリアという結果となった。

リポート=飯嶋洋治
写真=須藤章一

ミシュラン「レース・オブ・チャンピオンズ」サイト:
http://www.imp.mc/ROC2000/roc.htm

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