日立、クラリオン、ザナヴィが合弁会社を設立

2000.12.20 自動車ニュース
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日立、クラリオン、ザナヴィが合弁会社を設立(12/20)

(株)日立製作所、クラリオン(株)、(株)ザナヴィ・インフォマティクスの3社が、車載情報機器を扱う合弁会社「(株)エイチ・シー・エックス」(以下HCX)を設立、2001年1月より営業開始すると発表した。

新会社HCXが扱う主な事業は、カーナビゲーションを中心とした車載情報機器の開発/製造である。カーナビは現在でも市場の成長が著しい産業だが、今後ITS(高度道路交通システム)が進展していくに伴い、車載情報機器の分野は新たな需要が見込まれている。つまりITSの本格始動に向けて車載機器を開発しようというのが目的だが、商売となるのはまだ先の話。当面は次世代カーナビを開発することが急務の課題である。これとても、各社が別個に開発、製造するには莫大な費用がかかる分野。HCXの核となるクラリオン、ザナヴィが、それぞれ得意分野を持ち寄って効率的な開発/製造を行なおうというのが当初の目的となる。

HCXの所在地は埼玉県戸田市のクラリオン埼玉事業所内。代表者には日立製作所・自動車機器グループの開発本部長を務めていた古橋俊夫氏が就任。従業員は60名。内訳は日立から2名、残りは半数ずつクラリオン、ザナヴィから出向という形を採ってスタートする。
新会社からの新製品第1号は、2001年秋ごろにカーナビが共同開発という形で発表される予定。もっとも製品はひとつに集約されるわけではなく、それぞれが独自の味付け(カスタマイズ)を施して2ブランドから発売されるという。

[解説]
そもそも3社は密接な関係にあった。3社の関係は日産自動車を加えて考えるとわかりやすい。ザナヴィ・インフォマティクスは日産自動車と日立製作所が共同出資で作った会社である。また、日産はクラリオンの株主でもある。クラリオンは日立、ザナヴィと直接資本の関係はないが、2年前、日産、日立、ザナヴィとともに業務提携を結ぶという間柄にはあった。そうした背景からすると今回の合弁会社の設立はすでに下地が出来上がっていたといってよい。今回、4社間における大きな変化といえば、日立がこれまで日産が所有していたザナヴィの株をすべて買い取り、完全子会社化したことだ。つまり4社の関係の中でひとり日産が抜けた格好になる。新会社HCXはこれまでザナヴィやクラリオンが日産に対して細かく気をつかってきたようなことは必要なく、他の自動車メーカーなどに向けて事業を広く展開できるようになったことは注目すべきだ。

そうした企業間の関係はともかく、新会社設立のメリットはどこにあるのかといえば、開発費と製造に関するコストの削減にある。とかくカーナビの開発には膨大なコストがかかることはよく知られている。2000年9月にマイクロソフト社のWindows CE for Automotiveというフォーラムが発足、カーナビ開発の共通プラットフォームにWindows CEを利用しようという動きがあった。これも開発コストの削減が目的だった。これに参加したメーカーの中にはクラリオン、ザナヴィも名を連ねており、したがって来秋発表されるという新しいカーナビは当然Windows CEベースのものになる可能性が高い。
いずれにしてもクラリオンとザナヴィが共同でカーナビを作り上げることは業界でも注目されている。発表会の席上でも「両社の得意なところを組み合わせて新製品を作る」としており、これが実現すればかなり強力なカーナビが実現することになる。クラリオンの、かゆいところに手の届く商品企画、ザナヴィの抜きんでた測位性能と地図データベース(特に一方通行情報)などは当社刊「カーナビの達人2001」でも高く評価したばかりだ。これに日立の販売力、さらにいえば政治力なども加わればITS分野でも強力な存在になっていくことは間違いないだろう。(web CG 尾沢)

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