2001年デトロイトショー速報 3

2001.01.11 自動車ニュース
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2001年デトロイトショー速報 3 (1/11)

■まじめな朝

デトロイトショーのプレスデイ3日目、朝起きたらホテルの窓が内側から凍っていた。会場まで運んでくれるミニバンのメーターを見たら、外気温は零下12度を示している。しかし相変わらずショー会場は熱気に満ちていた。

最近のショーでは必ず話題になる環境対応に関して、今回のデトロイトショーは、まるですっかり忘れたかのよう。レトロデザインやどでかいSUVばかりが目に付いて、まさにお祭り騒ぎ。しかし、3日目の今日は、ちょっと真面目になった。

朝から、GMは「新動力システム」のプレゼンテーションを始めたのだ。壇上にはタホ、GMCの大型ハイブリッド、フィアット・ムルティプラをベースにしたハイブリッド、オペル・アストラワゴンの燃料電池車、そしてスバルのエルテン・ハイブリッドやスズキの小型電気自動車まで並んだ。その横には、すでにバスなどで使われているアリソンのハイブリッドシステムの展示もある。GMアライアンスは真面目に新しい時代に対応している、ということを誇示しようというわけだ。
プレゼンテーションの目玉は、「パラダイGM」なるシステム。V6か4気筒エンジンとツインのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムで、イプシロンと称されるミドサイズのSUV用プラットフォームに使用される。ただし本格的な量産は2004年からだという。

■RX-8、モデルX

午前の注目すべき発表はマツダの新型ロータリースポーツカー。RX-8の名前で登場したそれは「7」のようなピュアスポーツではなく、ピラーレス観音開きの4ドアと4シーターボディを持つ。むろん心臓はヴァンケルユニットで、654cc×2で250psを発揮するツイン「RE」が搭載される。アルファ156のように2ドアクーペに見えながら、4枚のドアと結構広い室内を持ったそのスタイリングは、かなり魅力的。個人的には、この日もっとも気に入った。

その前の日、ホンダは、「RS-X」の名前で2002年型アキュラ・インテグラのプロトタイプ(次世代エンジンの第一弾たる「VTC=連続可変バルブタイミングコントロール」と、「i-VTEC」付きの2リッター、約200psのエンジンを持つ)を発表した。
今日は「モデルX」なるコンセプトカーを見せた。アメリカで開発されたこれはいわゆる「ジェネレーション1」、日本で言う「団塊ジュニア」向けのマルチパーパスカー。これもピラーレスの4ドアとハッチを持つが、言ってみればミニバンからSUV、そしてピックアップなどすべての要素を1台の小さなクルマに盛り込もうというもの。市場の反応次第で、本当に売るかも知れないという。

■マッドマックスとアルテッツァワゴン

日産の北米プレミアムチャンネル、インフィニティは、日本のシーマと基本的に同じQ45を発表した。前日の日産の記者会見と同様に、まずカルロス・ゴーン社長がスピーチし、中村史郎チーフデザイナーがクルマの解説をする(今日は開発担当のペラタも壇上で説明した)。
インフィニティは、「FX45」なるコンセプトカーも出した。Q45ベースのこれは、今年のデトロイトではやりの乗用車やスポーツカー、そしてSUVの掛け合わせ。マッドマックス調のデザイン(たとえが古いかな?)は、迫力だけは満点だ。

これに対するレクサスの応酬は、何度もショーに出てきたセルシオコンバーチブルこと「SC430」。ついに2001年から発売されることになった。価格はベースが5.8万ドルだが、フル装備で6.2万ドル。このクラスにしては安い。
それ以上に注目を集めたのが「IS300スポーツクロス」。アルテッツァベースのそれは、クロスの名前の通り、ワゴンというかスポーティハッチというか難しいところで、まあスポーツワゴンといえばいいだろう。多分日本でも販売される。その場合、2リッターモデルも出るだろう。

■ゲテモノ蔓延のデトロイトショー

アメリカ側はフォードとクライスラーがコンセプトカーを大量放出した。

フォードは近々モデルチェンジするエクスプローラーをベースにした2台。リコールで落ちたイメージを何とか回復したいのだろう。1台は「エクスプローラースポーツマン」で、なんとリポーターが愛するフライフィッシング専用車。もう1台は、徹底的に遊びを追求した、かつてのデューンバギーみたいなクルマで、名前は「EX」。

これに対するクライスラーは4台も送り込んだ。「クライスラー・クロスファイア」は、ヨーロッパ調のデザインモチーフを取り込んだという。「ジープウィリスはその名のとおり、ジープの伝統を守りつつ21世紀に向けたと言うが、これもガンダム調。
ダッヂは「スーパー8ヘミ」で、いまやミニバンやSUV、それらのフージョンなどであふれるなかで、セダンの新しい姿を追求したのだという。もう少しまじめなのが、同じダッヂの「パワーボックス」なるクルマ。スーパーチャージャー付きV6とモーターを組み合わせたハイブリッドカーだ。

というわけで、まだまだスバルやスズキもあるのだけど、ともかく疲れたから、今日はここまで。ともかく、やたらと「クロス」なる言葉が頻発したように、どのジャンルにも入れられない混血というよりは、悪い言葉を使えば「ゲテモノ」風が蔓延したデトロイトの3日目だった。

(webCG 大川 悠)

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