ランエボVII見参!!

2001.01.26 自動車ニュース
 
 
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ランエボVII見参!!(1/26)

■左右に続いて前後も

2001年1月26日、三菱自動車は、高性WDセダン「ランサーエボリューションVII」を発売した。価格は、街乗り用「GSR」が299.8万円、競技車ベースの「RS」が251.8万円と、破格のコストパフォーマンスである。いずれも5MTのみとなる。

1992年10月に最初のエボリューションモデルが出てから、その名の通り今回で7代目。ベースの4ドアセダンがランサーセディアへと大きくかわり、また一連の不祥事ゆえ、エボVIから「トミ・マキネン・エディション」を挟み、従来より間をあけての登場となった。

一番のニュースは、ベースがセディアになったことだが、機構的には「ACD(Active Center Differential)」と呼ばれるセンターデフが採用されたこと。従来の粘断性を利用して差動制限を実現するビスカスカプリングから、多板クラッチを油圧で制御する方式に変え、差動制限力は3倍以上を確保したという。
直進加速時などには直結4WDに近づけてトラクションのロスを減らし、一方、ステアリングをすばやく切り込む旋回時には、差動制限をフリーに近づけて回頭性を確保する。ジムカーナはじめ、競技時にパーキングブレーキを引くと、ほぼフリーになり、サイドブレーキターンが可能となる。
さらに、「舗装路」「未舗装路」「雪道」の各路面に合わせた制御ロジックをもち、モード切替が可能だ。「TARMAC」「GRAVEL」「SNOW」というメーター内のインジケーターが、ラリー好きを泣かせる。もしWRC(世界ラリー選手権)出場車にもACDが採用されたなら、きっと各ラリーステージごとに、スペシャルなプログラムが用意されるだろう。7代目ランエボは、後輪左右のトルクを「AYC(Active Yaw Control)」で、前後輪間をACDでコントロール。コンパクトなプジョー206WRカーに、スリーダイアモンドのラリーウエポンは、日本お得意の電子制御で対抗する?

■涙ぐましい60kg

新型ランサーエボリューションのボディサイズは、全長×全幅×全高=4455(+105)×1770(0)×1450(+35)mm。ホイールベースは2625(115)mm。カッコ内は、ランエボVIとの比較。フォグ、ハイ、ロウを連ねたヘッドランプ、インタークーラー丸見えのエアダム一体型バンパー、マッチョなブリスターフェンダー、そして大仰なリアウィングを特徴とする。

ボディの大型化にともない、気になる車重は、RSで60kg重い1320kg、GSRで40kg増の1400kg(カタログ値)、「に抑えられた」といっていい。軽量化のため、ボンネット、フロントフェンダーはアルミ化、ルーフパネルは薄板化された。そのほか、ロッカーカバーをアルミからマグネシウムに、カムシャフトを中空化、吸気パイプをスチールからアルミに、前後のドアガラスの厚さを10%低減など、涙ぐましい努力を重ねられた。フロントのレカロシートは、単体で従来比3kg軽い!!
一方、ボディ剛性向上のため各部を補強、ボディが拡大したにもかかわらず、ねじり剛性は先代と同等、曲げ剛性では1.5倍の強さを得たという。

■逆風をついて

パワーソースは、2リッター直4DOHC16バルブ「4G63」ユニットを引き継ぐ。吸排気系にファインチューニングを受け、280ps/6500rpmの最高出力、エボVIより1kgm太い39.0kgm/3500rpmの最大トルクを発生する。最大トルクの発生回転数が先代より500rpm高くなっているが、ターボチャージャーのタービン側ノズル面積を縮小することで、2750から5500rpmにわたって最大トルクの約9割にあたる35.6kgmのトルクを確保。応答性、中間加速性能に優れるという。
冷却性能も強化された。インタークーラーは、コア幅が20mm拡大、冷却用スプレーは、2コから3コに増加した。オイルクーラーのコアサイズも約30mm大きくなり、基準放熱量を約15%向上したと謳われる。

ギアボックスは、6段化されたライバル「スバル・インプレッサSTi」に対し、ランエボはコンベンショナルな5段MTのままだが、「高負荷運転時の耐久・信頼性をより高めるために、一部ギヤに高強度材を採用」(プレス資料)して、競技に備える。GSRのロウはギア比を落として加速を良くし、一方、GSR、RSとも5速のギアを上げて高速巡航時の燃費向上を図った。
トルクアップに合わせ、クラッチ、プロペラ、ドライブシャフトも強化された。

サスペンションは、前マクファーソンストラット/コイル、後がダブルウィッシュボーンを基本としたマルチリンク方式。形式は先代のものを踏襲するが、前後ともトレッドを拡大、バンプストロークを延ばして、ふところの深い足まわりを目指した。

ブレーキは、フロントがブレンボ製17インチ4ポット、リアが16インチの2ポット(GSR)である。フロントブレーキ冷却のため、大型アンダーカバー一体型のエアガイドが装着されたことも、ウレシイ。

三菱は、ダイムラークライスラーからの役員派遣、国内市場の低迷、といった強い逆風を、ちょっぴり上品になった(ように思える)ニューランエボで吹き飛ばすことができるか!? ちなみに2001年WRC第1戦、伝統のモンテカルロラリーは、トミ・マキネンが99年以来の3連勝を果たしている。ただし、前年モデルのエボVIでだけど。

(webCGアオキ) 

 
 

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