ジュネーブショー報告(前編)

2001.02.28 自動車ニュース
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ジュネーブショー報告(前編)(2/28)

特定の自動車メーカーに支配されないニュートラルな自動車ショーとして、今後のトレンドを掴みやすいといわれるジュネーブショー。webCGエグゼクティブディレクター、大川 悠が、現地から報告する。

2001年2月27日、寒いけれどとてもいい天気(とはいっても会場内は関係ないが)のなかで、21世紀のヨーロッパ最初のモーターショー「第71回ジュネーブショー」はオープンした。「ジャガーのXタイプとプジョー307以外は大した新車はないだろうから、仕事は楽だ」と思ったのが大間違い。適度な広さの会場は、予想以上の興味深いクルマによって埋め尽くされた。ヨーロッパ人はまだ、クルマに夢を持っている、クルマを愛している、そう感じた。

■よりジャガーらしく
リポーターは、ジャガー・グループとして来ているから、まずジャガーのブランニューモデル「Xタイプ」から紹介しよう。これはもう半年前からオフィシャル写真が出ていたから、気にしているヒトにとってはとうになじみのクルマだが、実際に見ると、「S」タイプよりははるかに「XJ」系の伝統の典雅さがある。それに意外と大きい。全長約4.6m、全幅1.8mという外寸からは、決して「小さなジャガー」の感じはない。
というのも、ベースとなったフォード・モンデオ自体が、ひとクラス大型化したからだ(モンデオとしては、高性能版V6を搭載したSTがコンセプトカーとして発表された)。ジャガーXは、モンデオとプラットフォームを共用しているとはいえ、FF(前輪駆動)のベースモデルに対し、よりアグレッシブな4WDの駆動方式をとる(いずれニ駆も追加されるだろう)。モンデオとの共通バーツは、20%に過ぎないという。
とはいえ、リポーター自身は、共通部品の割合にさほどこだわる必要はないと考える。どこの出自であろうが、うまくプラットフォームを使い合っていけば、お互いの美点を生かしたクルマが比較的簡単にできる……というか、各ブランドにとって何が大切かが明瞭になるから、むしろ前向きにとらえるべきだと思う。
実際、Xタイプは、内外装といい、Sタイプ以上に伝統のジャガー・ムードがあふれていて、個人的には気に入った。

同じフォードグループ内のアストンマーチンは、前の晩、PAG(フォードの高級ブランド)のトップ、ウォルフガング・ライツレと、ニキ・ラウダの2人で、ヴァンキッシュを発表した。新型V12を持つアルミとカーボンファイバーボディ(やはり伝統の味わいがある)をもったこのクルマ、最高速は約300km/hという。

■元気なフランス勢
今年はパリサロンがないから、フランス組はこのショーで頑張った。
まず、かなり出来がいいのがプジョー307。206を一回り大型化し、しかもよりシックな雰囲気を持たせたボディ外寸は、全長×全幅=4.2X1.73mで、1.6/2リッターの4気筒と、2リッター・ディーゼルをもつ。ただし、今のところマニュアルギアボックスしかないので、日本にはいるのはオートマチックトランスミッションが用意される秋以降になる。

一番驚いたし、「いいナ」と思ったのが、ルノーの大型サルーン、ヴェル・サティス。サフランに代わってルノー帝国のトップに君臨する予定のこのクルマ、ルノーがここ数年コンセプトカーで試行していた、大胆なデザイン・モチーフを採り入れた4ドアサルーンである。2.8mという長いホイールベースの上に、全長×全幅×全高=4.86×1.86×1.58mと大きく高いボディが構築される。「Sセグメント」への参入を狙い、3.5リッター、235psのV6を載せる。実はコレ、日産のVQユニットである。ついにルノーにも日産の血が入り始めたわけだ。

残るフランス組のシトロエンは、2000年のパリサロンで発表したエグザンティアの後継車C5のブレーク(ワゴン)版を披露した。あまり面白みはないけれど、ハイドラクティブとワゴンボディの相性はいいから、道具としては最高だろう。

(webCG大川 悠)

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