F1兄弟対決、ラルフに軍配が上がる

2001.06.11 自動車ニュース
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F1兄弟対決、ラルフに軍配が上がる(6/11)

F1第8戦カナダGP決勝が、2001年6月10日、モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキット(4.421km)を69周して行われた。兄ミハエル対弟ラルフ、シューマッハー兄弟の争いで白熱したレースは、ウィリアムズBMWのラルフが勝利し、第4戦サンマリノGP以来の自身2勝目を記録した。兄ミハエルは2位、兄弟の1−2フィニッシュは、F1史上初の快挙だ。

快晴の空のもと開催された今年のカナダGP。スタートでは、予選でひとり1分15秒台をたたき出しポールポジションを獲得したフェラーリのミハエル・シューマッハーと、トップスピードに長けたウィリアムズで兄のマシンに迫るラルフが、そのままのオーダーで1コーナーへ進入。レース後半まで、テールトゥノーズの兄弟対決が繰り広げられた。

チャンピオンシップでミハエルに次ぐ2位のデイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)が3位につくが、ルーベンス・バリケロ(フェラーリ)がオーバーテイクし、フェラーリが1、3位。しかしバリケロはヘアピンで単独スピンし後退してしまう。

20周目、10位を走行していたラルフのチームメイト、ファン・パブロ・モントーヤがコースアウトし、ウォールにヒット。バリケロが巻き添えをくってスピンし、両者ともリタイアした。マシンでコースが塞がれたため、セーフティカーが24周目まで導入された。

再スタート後も、シューマッハー兄弟のマッチレースが続いた。30周を過ぎた辺りから、両者の差は1秒以内に。最高速330km/hオーバーを記録するラルフの駿足マシンが、バックストレートでミハエルの「跳ね馬」を捕らえようとするが、ワールドチャンピオン、ミハエルの巧妙なブロックにあい、なかなか抜けない。しかし、ラルフの方が速いことは、誰の目にも明らかだった。

転機はピットストップで訪れた。46周目、燃費で劣るといわれるミハエルのフェラーリが、先んじてピットイン。目の上のタンコブがとれたラルフは、立て続けにファステストラップをたたき出し、リードタイムを稼ぐ。50周目、ピットでタイヤ交換、給油を終えたラルフがコースに戻ると、首位逆転、弟が1位、兄が2位という順位になっていた。
その後、ラルフを脅かす存在はあらわれず、自身2回目の優勝を飾った。

「(ミハエルが)ミスしてくれなかったので、ピット作戦で抜くことを考えたんだ」、表彰台の中央に立ったラルフがレース後に語ったコメント。いっぽう弟の優勝に誇らしげな2位ミハエルは、「6点とったし、弟は勝つし、素晴らしい結果だ」と、笑顔で記者に語った。

3位でフィニッシュしたのは、マクラーレン・メルセデスのミカ・ハッキネン。なんと、今季8戦目にして初の表彰台である。シューマッハー兄弟に負かされた感想をたずねられ、「3人兄弟じゃなかったのが幸いだよ」と冗談で返した。
もう1台のマクラーレン、クルタードは、55周目にマシンから白煙を出し、今季初のリタイアをきっした。

以下、4位にはハッキネンと同郷のキミ・ライコネン(ザウバー・ペトロナス)、5位に現役最年長のジャン・アレジ(プロスト・エイサー)、6位にジャガーのペロド・デ・ラ・ロサが入り、それぞれポイントを獲得した。

地元のヒーロー、BARホンダのジャック・ヴィルヌーヴ(写真)にとっては、最悪の週末だった。金曜日のフリー走行でマシンをクラッシュさせたビルヌーヴは、土曜2回目のフリー走行までまともに周回できず。予選で9番手につくも、スタートでエンジンをストールしかけ、15位まで後退。35周目、ドライブシャフトのトラブルでグランドスタンド前にマシンを止めた。

全17戦中、8戦を終了。ランキングトップはミハエル・シューマッハーで、トータル58点を獲得。今レースで2位クルタードの差を18点と広げた。バリケロが24点で3位、ラルフが22点で4位についている。コンストラクターズランキングでは、フェラーリが82点で首位、マクラーレンが48点、ウィリアムズが28点でこれを追う。

次戦は、6月24日、ヨーロッパGP。シューマッハーの故郷に近いニュルブルクリンクサーキットで行われる。

(webCG 有吉)

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