F1英GP、ミカ・ハッキネンが復活の1勝
2001.07.16 自動車ニュース
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F1英GP、ミカ・ハッキネンが復活の1勝(7/16)
F1第11戦イギリスGP決勝が、2001年7月15日、シルバーストンサーキット(5.141km)を60周して行われた。優勝は、マクラーレン・メルセデスのミカ・ハッキネン。通算19勝目、シーズン半ばにして今季初の勝利を飾った。ポイントリーダーのミハエル・シューマッハー(フェラーリ)が2位、そのチームメイトのルーベンス・バリケロが3位に入った。
ミハエル・シューマッハーは、アラン・プロストの最多勝「51」に並ぶことができるか...。記録のかかったレースで、シューマッハーはポールポジションからトップのまま1コーナーへ進入。2番手グリッドのハッキネンがそれに続いた。
しかし、3番手からスタートした、ポイントランキング2位のデイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)は、4番グリッドのヤルノ・トゥルーリ(ジョーダン・ホンダ)と1コーナーで接触。トゥルーリは0周リタイア、クルタードはリアサスペンションを壊し3周目に戦列を離れた。
「レーシングアクシデントだった」というトゥルーリ。「チャンピオンシップがかかっているんだから、デイヴィッドも1コーナーであんな張り切ることはなかったのに」。
シューマッハーに31点差をつけられていたクルタードにとって、ノーポイントは致命的な結果といえる。
ここ数戦、「ミハエルvsラルフ」のシューマッハー兄弟対決が繰り広げられていたが、今回のミハエルの相手は弟ではなく、スランプから這い上がってきたハッキネンだった。レース序盤、ハッキネンは1位シューマッハーを0.2-0.3秒差で追走。4周目の1コーナーでトップに立つと、“シルバーアロー”はファステストラップを連発しながら、瞬く間に逃げ去ってしまった。
ハッキネンは、2回のピットストップを無事にこなし、1ストップ作戦をとった2位シューマッハーに30秒以上の差をつけ、2000年8月の第13戦ベルギーGP以来の優勝を飾った。
レース後の記者会見で、「本当に素晴らしいよ!」と感想を語ったハッキネン。あと数百メートルでクラッチが壊れ優勝を逃したスペインGP、メカニカルトラブルでスタートすらできなかった前戦フランスGPなど、絶不調にあえいでいた今シーズン。一部で流された引退報道を、言葉のみならず、完全勝利で否定した。
「多くのトラブルを抱えて、今日は難しいレースだった」とは、2位フィニッシュのシューマッハー。最多勝記録に並ぶことはなかったが、(一応の)ライバルであるクルタードがリタイアしたことで、37点差という大量リードを築くにいたった。それでも、「チャンピオンシップはまだ終わっていない」と相変わらず控えめなコメントを残している。
4位には、ウィリアムズBMWのファン・パブロ・モントーヤ。チームメイトのラルフ・シューマッハーは、エンジントラブルで36周目にマシンを止めた。
5位、6位には、キミ・ライコネンとニック・ハイドフェルド、若きザウバー・ペトロナスのドライバーが入賞した。
ホンダ勢は、7位ハインツ-ハラルド・フレンツェン(写真)が最高位。ジョーダンチームは、地元で錦を飾ることはできなかった。BARホンダは、ジャック・ヴィルヌーヴが8位完走、オリヴィエ・パニスはスタート直後に(何と)ヴィルヌーヴと接触。コースアウトし、リタイアした。
2001年シーズンも6戦を残すあまり。ランキング1位のシューマッハーは84点を獲得。2位クルタード47点、3位バリケロが34点で追いかけるが、果たして独走シューマッハーをとめることができるのだろうか?
今回復活の勝利を挙げたハッキネンは19点で5位。タイトル獲得の望みは、今GPで潰えた。
コンストラクターズポイントは、1位フェラーリが118点、2位マクラーレンが66点。タイトル決定は時間の問題といえるほど、大差がついてしまっている。
次戦は、7月29日、シューマッハーの地元、ドイツGPだ。
(webCG 有吉)
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