ユニークな2CVレース開催

1998.11.11 自動車ニュース
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ユニークな2CVレース開催(11/11)

602ccの小さなフランス車、シトロエン2CVを使ったオートクロス「2CVクロス」が日本にもやってきた。フランス人が好む独特のレースの参戦記をお伝えする。

「2CVクロス」はフランスでは大変人気がある競技で、19年間続いている。各地方で年間180戦にもおよぶレースがあり、上位入賞者を集めて最後にフランス国内のチャンピオンを決める。 その第5戦(フランス公認のシリーズ戦!)がなんと長野県野沢温泉近くにある「野沢モーターランド」で11月1日に開催された。

「野沢モーターランド」における「2CVクロス」第5戦は、本国の規約に基いて約1.2キロのダートコースを、15周周回して競い合うというものだ。今回の出場車は4台。そのうち2名は年間参戦している。このレースはJAF公認の「野沢オートクロス」に組み込まれていた。

2回の予選タイムでグリッドを決める。スタートは横一列に3台並び、予選4位以下は、その後ろに並ぶ形式だ。つまり今回は2列目にいたのは1台だけ、ということだ。さびしい。ベストラップを獲得すると好きなグリッドを選べるので、乾いた路面のグリッドからスタートできる。

「野沢オートクロス」のシリーズチャンピオンを目ざしている貴志浩治さんは、今回が初めての競技経験だったが、2CVクロス用のコンプリートカーをフランス車の輸入販売などを手がける東京・世田谷の「ル・パルナス」で購入しての参戦だった。

今回私はNAVIの佐藤記者といっしょに出場した。予選トップは私、松本英雄だった。日頃2CVベースで作られたAMI6に乗っているのでエンジンの出力特性とギア比に知悉しているのが幸いしたのだろうか、2位以下に大きくリードを広げ、ちょっと有頂天気味であった。

いよいよ決勝スタート、私はロケットスタート(笑)を決め、クルマ1台ぶんリード、さらに1コーナーで差をひろげ、もはや後続車が見えなくなった。「このペースを守って走れば十分だ」と思うのだが、右足が言うことを聞かず、スピードがどんどん上がっていった。

インフィールドの細いセクションのコーナーにさしかかっても、スピードをたいしてゆるめずよりいっそうの引き離しを決行することにした。一番タイトなヘアピンで通常は内側をグリップ走行するところ、私は手前アウト側からクルマをドリフト状態に持ち込みインをかすめて出ていく、というイメージを描いた。が、はたして、外側の車輪がわだちにはまり、車体は激しく上下に「ボヨンボヨン」と跳ね、コース脇の土塁に突っ込んでしまった。こうして2CVは亀の子状態になり万事休す。結局私は優勝どころか1周もせずにレースは終了したのだった。

結果は貴志選手が念願の1位/シリーズチャンピオンシップを獲得、2位は「ル・パルナス」の春田選手、3位NAVIの佐藤選手、だった。松本英雄はリタイヤ(くどい)。

「2CVクロス」の魅力は、ひとつには速度があまり上がらないためそこそこのレベルでレースが楽しめること、それからストロークの長いサスペンションによる独特の操縦感覚が独自のおもしろさを味わわせてくれること、だと思う。

「2CVクロス」で使用されている車両は、ベースは2CVだがサスペンションアームは上級車であるアミのものを使用している。これは剛性が高くて曲がりにくいためだという。エンジンはノーマルだが、マフラーは直管タイプとなる。「ル・パルナス」ではコンプリートカーを130万円で販売しており、「2CVクロス」にのみスポット参戦したいというひとには5万円でレンタルもするそうだ。来年も開催されるので、いちど参戦してみることをオススメします。2CVを運転したことのないひとでも、すぐに慣れるのでご心配なく。(リポート=松本英雄)

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