もてなし上手の「ルノーラグナ」に乗る

1998.12.11 自動車ニュース
 
 
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もてなし上手の「ルノーラグナ」に乗る(12/11)

ルノーのミドルクラスセダン「ラグナ」の1999年モデルが発売された。フェイスまわりのデザイン変更や、学習機能つきAT搭載を特徴とする。299.0万円だ。

マイナーチェンジされた「ルノーラグナ」がフランスモーターズの手でさっそく日本に輸入開始された。2670ミリのホイールベースに4500ミリの4ドアボディを載せたモデルで、2リッター4気筒SOHCエンジンを搭載する前輪駆動である。日本で売られているフランス車でいうとシトロエンエグザンティアやプジョー406と同じセグメントに属するクルマだ。今回のマイナーチェンジの特徴としては、デュアルエアバッグに加えて前席サイドエアバッグの採用、ヘッドランプを中心としたフロントマスクの意匠変更、学習機能つき4段ATの搭載、右ハンドルモデル導入などがあげられる。

余裕のある室内空間に、使い勝手のいいテールゲートつきのボディ、さらに上品にまとめられたスタイリングと、「ラグナ」はなかなかよく出来たクルマなのだが、日本の市場ではいまひとつ認知度が上がらないモデルである。じつは僕は個人的に以前から「ラグナ」のこういう点を好ましく思っていたので、新しいモデルが導入されたのを待って、すぐに試乗させてもらった。

マイナーチェンジをうけて「ラグナ」がよくなった点は、学習機能つき4段オートマチックギアボックスを得て使い勝手が向上したことだ。115psのエンジンは2000から3000rpmでトルクがやや落ち込むことでATとのマッチングが完璧といいがたかった。しかし新しいギアボックスは、スポーティなドライビングをしているときは、積極的に低いギアで高めの回転を保つというセッティングとなっている。これで非力さはあるていどカバーされるようになった。同時にサスペンションセッティングがドイツ車(オペルかな)を思わせるスポーティなものとなって、コーナリングの楽しさは増している。

スポーティ志向のサスペンションを与えられたいっぽうで「ラグナ」が失っているものもある。乗り心地だ。フランス車といえばかつては雲に乗るようなソフトな乗り心地を特徴としたものだが、「ラグナ」は路面からの突き上げを伝えるうえにうねりによるピッチングをかなり感じさせる。ルノーのクルマづくり思想の変化によるものかと思ったが、しかし新型ルーテシアはすばらしいセッティングなので、「ラグナ」に固有のもののようだ。欧州のカンパニーカー市場で、ドイツをはじめとする各国のクルマと競合しなくてはいけない「ラグナ」にとって、これが一種の「国際化」なのだろうか。風切り音もけっこう大きかった。

「ラグナ」に健在なのは、居心地のいい室内空間だ。コクピットの造形、シートの素材やかけ心地、装備など、もろもろの要素がからみあっていい雰囲気を生んでいる。この点はエグザンティアをはじめ、406や、ベクトラといったライバルがかなわない点で、僕はこれゆえに「ラグナ」がいつも気になる。乗員を「もてなす」感覚だ。トヨタの主査で同クラスのクルマを担当していたひとが、「ルノーのインテリアはいいですよねえ」と言っていたこともある。残念なのは、よいデザインだったフィリップス製オーディオとステアリングコラムにマウントされていたオーディオコントローラーがオプションでも選べなくなってしまったことだ。理由は価格を下げるためと、(日本での)配線がめんどくさい、ということらしい。ちょっとコマる理由である。

たとえばエンジンが走っているようなクルマをアルファロメオが作り続けているようにイタリアのクルマには強固な独自性がある。フランスでは、ルノーがその製品づくりにおいて最右翼だと僕は思っている。トゥインゴとV6ミドシップクリオを同時にラインナップにもっているのは、ほかでは得難い個性である。「ラグナ」にもそのキャラクターがより濃く反映されるといいなあ、というのがないものねだりに近い願いであります。(Web CG オガワ)

 
 

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