F1、分裂の危機!?

2001.04.09 自動車ニュース
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F1、分裂の危機!?(4/9)

F1のテレビ放映権をめぐり、独メディアグループ、キルヒ/EM.TVと、エンジンを供給する欧州自動車メーカーの対立が深刻化している。

はじまりは、F1のテレビ放映権、興行権を取り仕切るバーニー・エクレストンが所有するSLEC社が、キルヒ/EM.TVに株式の75パーセントを売却したことに端を発する。キルヒ/EM.TVは、F1全戦を「ペイ・パー・ビュー」(有料放送)化する意向を表明。これに対し、F1エンジンを製造している欧州自動車工業会(ACEA)のメンバー、フィアット(フェラーリの親会社)、フォード、ルノー、ダイムラークライスラー、BMW各社は、「宣伝の機会が減る」と反発。
ACEAのパオロ・カンタレラ会長(フィアット会長)は、5日に発表した声明文の中で、「できるだけ早い時期に、新しいフォーミュラカーのレースを運営する会社を設立することで一致した」と、F1とは別のシリーズを立ち上げる用意があることを明らかにした。

さらにカンタレラ会長は、「(F1エンジン供給のため)巨額の投資をしているにもかかわらず、メーカーの発言権がなさすぎる」とメーカーのF1運営に対する不満にも言及。問題は放映権、興行権のみならず、F1の運営自体にまで広がりを見せている。

F1には、1980年代初頭に、運営主体のFISA(国際自動車スポーツ連盟)とチーム側FOCA(F1製造者協会)が政治的に対立したという「苦い経験」がある。その反省を踏まえて、F1の運営は参加全チームの満場一致の決議によるという「コンコルド協定」が生まれた。
コンコルド協定は、チーム(コンストラクター)に権利を認めるものだが、エンジンを製造するメーカーは含まれない。現在のF1は、ダイムラークライスラー(メルセデスベンツ)がマクラーレンチームの株式を保有するなど、自動車メーカーとの関わりが深くなっているゆえ、ACEAの「訴え」を軽視するわけにはいかないだろう。

かといって、自動車メーカーとて、独自のフォーミュラシリーズを立ち上げるのは容易ではない。FIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレー会長は、「彼ら(ACEA)独自のシリーズが立ち上がるのは、数年先になるだろう」と示唆。コンコルド協定の期限が切れる2007年までは、具体的なアクションはないとする見方も多い。

いずれにしても、あまりに政治的な争いは、F1のイメージを悪化させることになる。争いは、サーキットの中だけにしてもらいたいものだ。

(webCG 有吉)

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