鈴鹿戦はNo.1 S Road REITO MOLA GT-Rの圧勝【SUPER GT 2012】

2012.08.20 自動車ニュース
ポールポジションから勝利を手にした、柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組のNo.1 S Road REITO MOLA GT-R。
第5戦鈴鹿はNo.1 S Road REITO MOLA GT-Rの圧勝

【SUPER GT 2012】第5戦鈴鹿はNo.1 S Road REITO MOLA GT-Rの圧勝

2012年8月19日、SUPER GTの2012年シーズン第5戦が三重県の鈴鹿サーキットで開催され、GT500クラスはNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)が、GT300クラスはNo.66 triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹/吉田広樹組)が、それぞれ勝利をおさめた。

スタート前のグリッドは、夏らしい青空に包まれた。
スタート前のグリッドは、夏らしい青空に包まれた。
GT500クラスのスタートシーン。予選トップのGT-Rに、2台のSC430が続く。
GT500クラスのスタートシーン。予選トップのGT-Rに、2台のSC430が続く。
2位に入った、国本雄資/アンドレア・カルダレッリ組のNo.35 KeePer Kraft SC430。今年の鈴鹿は「GT-R」が1、3、4、5位を占める奮闘をみせた。
2位に入った、国本雄資/アンドレア・カルダレッリ組のNo.35 KeePer Kraft SC430。今年の鈴鹿は「GT-R」が1、3、4、5位を占める奮闘をみせた。

■「GT-R」の独壇場

4年ぶりに1000kmレースとして開催されたSUPER GT第5戦鈴鹿大会。その予選でフロントローを獲得したのは、いずれもミシュランユーザーのNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)とNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)だった。
MOLA GT-Rといえば、昨年はミシュランタイヤが圧倒的なパフォーマンスを発揮し、これがタイトル獲得の原動力となったことは記憶に新しいところ。けれども、今年はなぜかフランス製ラバーが本来得意とする「酷暑のレース」でも勢いがなく、雨がらみとなった第2戦富士でNo.39 DENSO KOBELCO SC430が優勝したのを除けば、これまで印象に残るレースはなかった。

その要因をミシュランの小田島広明モータースポーツ・マネージャーは次のように説明する。
「確かにそう見えるかもしれませんね。けれども、第3戦セパンでも、第4戦菅生でも、決勝のペースはそれほど悪くありませんでした。ただし、予選で何らかの不運に見舞われたために上位グリッドからスタートすることができず、あまり印象的なレースをご披露できなかったのかもしれません」
これと並んで小田島マネージャーが要因として挙げたのは、ライバルであるブリヂストンの躍進だった。
「われわれは、これまで苦手としていた寒いレースでのパフォーマンスを大幅に改善し、いまでは表彰台が見えるところまできていますが、同様にライバルメーカーさんも暑いレースでの性能を大きく向上してきたように思います」

そうしたなか、ひとつだけ未知数として残っていたのが、今年、鈴鹿サーキットが西コース部分を対象に行った路面改修工事の影響だった。実は、工事そのものはかなり以前に終わっていたのだが、その確認をする唯一のチャンスだった7月のSUPER GT合同テストがウエットコンディションに見舞われたため、新しい舗装の影響を確認することができなかったのだ。

「結果的に、どのタイヤメーカーさんも“エイヤー”で決めた部分はあると思います。だから、もしも他メーカーさんとの比較で見たとき、われわれが安定性よりもパフォーマンスに振った方向のタイヤを持ち込んでいるとしたら、予選はよくても決勝ではあまり好成績を望めないことになってしまいます」

GT500クラスの表彰式。写真左から2位のNo.35 KeePer Kraft SC430(国本雄資/アンドレア・カルダレッリ)、優勝したNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)、そして3位のNo.24 D'station ADVAN GT-R(ビヨン・ビルドハイム/安田裕信)。
第5戦鈴鹿はNo.1 S Road REITO MOLA GT-Rの圧勝

しかし、それらは杞憂(きゆう)に終わった。173周のレース中、No.1 S Road REITO MOLA GT-Rが首位に立てなかったのはわずか46周だけ。残る大半の周回をトップで走り続けた柳田とクインタレッリが、うれしい今季初優勝を遂げたのである。
ちなみに、今回は「日産GT-R」勢が全般的に好調で、一時は、今季参戦している4台のGT-Rがトップ4を独占するかに見えたほど。最終的にも2位に食い込んだNo.35 KeePer Kraft SC430(国本雄資/アンドレア・カルダレッリ組)を除けば、上位5台のうち4台がGT-Rによって占められたのである。
なお、No.1 S Road REITO MOLA GT-Rとともにフロントロウに並んだNo.39 DENSO KOBELCO SC430は、メカニカルトラブルにより81周でリタイアに追い込まれた。

GT300クラスでトップからスタートしたのは、ハイブリッドカーのNo.16 MUGEN CR-Z GT(写真中央)だった。
GT300クラスでトップからスタートしたのは、ハイブリッドカーのNo.16 MUGEN CR-Z GT(写真中央)だった。
No.66 triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹/吉田広樹組)の走り。
No.66 triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹/吉田広樹組)の走り。
レース後は鈴鹿名物の花火が打ち上げられ、熱戦のフィナーレに華を添えた。
レース後は鈴鹿名物の花火が打ち上げられ、熱戦のフィナーレに華を添えた。

■GT300はアストン・マーティン初勝利

GT300クラスを制したのはNo.66 triple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹/吉田広樹組)だったが、こちらはNo.1 S Road REITO MOLA GT-Rとは異なり、紆余(うよ)曲折を経て栄冠を手に入れた。

実は、前日の予選でNo.66 triple a vantage GT3はトップタイムをマークしていたのだが、再車検で燃料タンクの容量が規定を上回っていることが発覚。このため、予選タイムは抹消され、最後尾からのスタートとされた。ところが、No.66 triple a vantage GT3はわずか15周でGT300クラス車両の全車を抜いてトップに立っただけでなく、レース終盤には2位以下の全車を周回遅れとする圧倒的な速さを示したのである。

しかし、ドラマはそれだけでは終わらなかった。
レースが残り10周を切ったあたりからNo.66 triple a vantage GT3のエンジンが異音を発し始め、がっくりとペースが落ちてしまったのだ。幸い、それまでの貯金があったため、トップを守ったままチェッカードフラッグを受けたが、ウイニングラン中にエキゾーストパイプ付近から出火。ステアリングを握っていた星野は慌ててコックピットから降りると、コースサイドにあった消火器を用いて自ら消火にあたる一幕もあった。

なお、GT300クラスの2位はNo.3 S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正/佐々木大樹組)、3位はNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸 学/青木孝行/澤 圭太組)だった。

(文=小林祐介/写真提供 GTA)

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