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【スペック】ポルテ1.5G:全長×全幅×全高=3995×1695×1690mm/ホイールベース=2600mm/車重=1170kg/駆動方式=FF/1.5リッター直4DOHC16バルブ(109ps/6000rpm、13.9kgm/4800rpm)/価格=174万円(テスト車=225万7350円)

トヨタ・ポルテ1.5G(FF/CVT)/スペイド13X(FF/CVT)【試乗記】

もうフツーのには戻れない!? 2012.08.16 試乗記 トヨタ・ポルテ1.5G(FF/CVT)/スペイド13X(FF/CVT)
……225万7350円/182万9750円

助手席側に大きなスライドドアを持つ個性派コンパクト「トヨタ・ポルテ」が、8年目にして初のフルモデルチェンジ。使いやすさを向上したという新型を兄弟車「スペイド」とともに早速試した。

クルマのデザインじゃない!?

「あぁ〜。やっぱムリだわ……。」

ポカンと口をあけたような「ポルテ」の顔を見た瞬間、シュルシュル〜ッと全身の力が抜けてきちゃいました。インパネにいたっては、ドアを開けた途端、「見なかったことにしよう」と、ドアを閉めてしまったほど。丸や四角の造形がボコボコ飛び出し、スタイリッシュさとは無縁。特にフロマージュのインテリアは、ベージュにブラウン、どぎついオレンジ色と、狭い空間に3色もの配色が施されている。なんで、こんな風になっちゃったんだろ!?

ところがその後、開発陣の一言で、胸のつかえがスーッと消えていくのを感じたんです。
「インテリアは“クルマ”という概念からなるべく離れるようにデザインしています」
そうだったのか!

ティッシュボックスが入るグローブボックスに、500ミリリットルの紙パックや化粧ポーチなどが入る深めの収納など、形も大きさもさまざまな日常のこまごまとしたものを収めるこのスペース、家の中でたとえるなら、そう、台所よ! インパネをシステムキッチンと考えれば、とってもよく整理されている。大小ある鍋やフライパン、フタやザル、そんなものが所せましと乱雑にひしめいているウチのキッチンとは大違い。
ここまで整理できたら、たいしたもんです! 主婦のかがみです!!

「ポルテ」の内装は、インストゥルメントパネルがベージュの「フロマージュ」とブラックの「プラム」の2種類のテイストが用意され、グレードによりシートタイプやカラーが異なる。写真は上級グレード「G」のフロマージュ内装。本革巻きステアリングホイール&シフトレバーや「ナノイー」、オートエアコンなどが標準装備される。
「ポルテ」の内装は、インストゥルメントパネルがベージュの「フロマージュ」とブラックの「プラム」の2種類のテイストが用意され、グレードによりシートタイプやカラーが異なる。写真は上級グレード「G」のフロマージュ内装。本革巻きステアリングホイール&シフトレバーや「ナノイー」、オートエアコンなどが標準装備される。 拡大
こちらは、「スペイド」の廉価グレード「X」のプラム内装。ダッシュボード上部中央にあるアナログ式センターメーターは、フロマージュ内装とプラム内装とでデザインが異なる。
こちらは、「スペイド」の廉価グレード「X」のプラム内装。ダッシュボード上部中央にあるアナログ式センターメーターは、フロマージュ内装とプラム内装とでデザインが異なる。 拡大
 
トヨタ・ポルテ1.5G(FF/CVT)/スペイド13X(FF/CVT)【試乗記】の画像 拡大

安定感のある走りも自慢

“扉”という意味を持ち、大開口のワイヤレス電動スライドドアがウリのポルテ。2代目となる新型には、運転席側にもう一枚スイングドアがプラスされ、さらに使い勝手をよくしています。インテリアを共通にしながらも、エクステリアは、癒やし系の「ポルテ」と、今回新しく設定された精悍(せいかん)な印象を与える「スペイド」の2タイプから選ぶことができる。見た目はまったくの別物。

エンジンは1.3リッターと1.5リッターの2タイプで、ともに「カローラ」や「ラクティス」に搭載されているのと同じ型のエンジン。全車にCVTを搭載し、加速性能をよくしているほか、燃費アップにも貢献。アイドリングストップ機能がオプション設定され、アイドリングストップ機能を搭載した1.5リッターFF車のJC08モード燃費は20.6km/リッターを達成しています。

まずは、1.5リッターモデルの「G」に試乗。すると走りだしから、しっとりした足まわりに思わずうっとり。低速からトルクが太く、加速もなめらか。走行中、室内がとても静かなことも、ポイント高いです。それに、全高が1690mm(4WD車は1720mm)もある背高モデルながら、ハンドルの切れもよく、コーナリングも思いのほか得意なことにビックリ。

続いて1.3リッターモデルの「X」に試乗。こちらは、アクセルを踏み込むと「ウイーーーン」という音が車内に響き、非力感があるのは否めないものの、いったんある程度加速してしまうと、その後はすーーっと軽やかに走ってくれました。余裕をもってドライブを楽しむなら、断然1.5リッターがおすすめですが、街でのちょい乗りが中心で、エンジン音にさえ慣れてしまえば、1.3リッターモデルでも問題なく使えそうです。

とにかく、新型ポルテのソフトな乗り心地や、安定感のある走りには驚かされました。そもそも、この手の機能満載のファミリーカーっていうものに対して、「動けばいい」程度の期待しかしてなかったんで……。ポルテ、大きな扉だけじゃなくて、走りもイイです!

「ポルテ」は、グレードによりフロントのシートタイプが異なる。上級グレード「G」は運転席に快適温熱シートを採用するセパレートシート、「F」は撥水(はっすい)タイプのセパレートシート、「Y」はベンチシート、「X」はセパレートシート(写真)となる。助手席は乗車時で520mmの前後スライドができ、バックレストを前に倒してテーブルモードにすると700mmのスライドが可能となる。
「ポルテ」は、グレードによりフロントのシートタイプが異なる。上級グレード「G」は運転席に快適温熱シートを採用するセパレートシート、「F」は撥水(はっすい)タイプのセパレートシート、「Y」はベンチシート、「X」はセパレートシート(写真)となる。助手席は乗車時で520mmの前後スライドができ、バックレストを前に倒してテーブルモードにすると700mmのスライドが可能となる。 拡大
 
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今回新たに「ポルテ」の兄弟車として登場した「スペイド」は、水平基調のラインを強調したクールなデザイン。筆者はどちらかというとこちらのほうが好み。グレード体系はポルテと同じ。
今回新たに「ポルテ」の兄弟車として登場した「スペイド」は、水平基調のラインを強調したクールなデザイン。筆者はどちらかというとこちらのほうが好み。グレード体系はポルテと同じ。 拡大
運転席側にスイングドアを1枚追加したことで、リアシートへのアクセスが一段と容易になり、使い勝手が向上している。
運転席側にスイングドアを1枚追加したことで、リアシートへのアクセスが一段と容易になり、使い勝手が向上している。 拡大

とにかく機能が豊富

冒頭で散々悪態をついておきながらなんですが、室内を細かくチェックしていくと、さまざまな機能がてんこ盛りなんですよ。

収納スペースだけでも、それぞれに工夫がされているんです。例えば、助手席アッパーボックスは、収納の一番下にティッシュボックスを逆さに入れることによって、下からペーパーが取り出せる仕組みに。美容院などで棚の下からタオルを引っ張って取り出す方式をヒントに取り入れた工夫とのこと。これはクセになりそう!

ステアリング奥には、ストローをさしてそのまま飲める500ミリリットルのブリックパックがぴったり入るスペースが用意されるほか、隣には女性の化粧ポーチなどが入る深めのスペースが。先代から好評だったという傘立てには、受け皿が付き、きれいに雨水を拭えるようになっています。

小さな子供を持つファミリーにうれしいのが、高さ300mmという低いフロア高。ベビーカーの前輪をフロアまで持ち上げて、そのまま畳まずに室内に収納することができます。車内でオムツ替えをすることも考え、運転席の下に、オムツ袋がそのまま入るよう設計されているのには「ここまでやるか!」と脱帽。

特に面白いと思ったのは、スライドドア側のセンターピラーに付いている目盛り。これは子どもの身長を測るメジャーで、洋服を買いに行ったりするときにも便利だし、家族の会話も増えそうです。

助手席のスライド機能にかなり力を必要とすることだけが、唯一“難あり”な点ですが、それ以外は本当によく考えられています。もう、ワガママは言いませ〜ん!

こちらはフロントがベンチシートタイプになる「Y」グレードのフロマージュ内装。運転席と助手席の間にはカップホルダー付きのクッショントレイが備わる。
こちらはフロントがベンチシートタイプになる「Y」グレードのフロマージュ内装。運転席と助手席の間にはカップホルダー付きのクッショントレイが備わる。 拡大
ステアリングの奥には、深さのあるボックスやブリックパックがぴったり収まる四角い収納スペースが用意される。
ステアリングの奥には、深さのあるボックスやブリックパックがぴったり収まる四角い収納スペースが用意される。 拡大
6:4分割可倒式のリアシートは、FF車のみリクライニングとクッションチップアップ機構が備わる。なお、「X」グレードは一体可倒式のシートとなる。
(写真をクリックすると、助手席と後席のシートアレンジが見られます)
6:4分割可倒式のリアシートは、FF車のみリクライニングとクッションチップアップ機構が備わる。なお、「X」グレードは一体可倒式のシートとなる。
	(写真をクリックすると、助手席と後席のシートアレンジが見られます) 拡大
【スペック】スペイド1.3X:全長×全幅×全高=3995×1695×1690mm/ホイールベース=2600mm/車重=1120kg/駆動方式=FF/1.3リッター直4DOHC16バルブ(95ps/6000rpm、12.3kgm/4000rpm)/価格=155万円(テスト車=182万9750円/スマートエントリーパッケージ=4万5000円/ナビレディパッケージ=3万円/SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグ=4万2000円/オーディオ スマートナビ<G-BOOK mXモデル=16万2750円)
【スペック】スペイド1.3X:全長×全幅×全高=3995×1695×1690mm/ホイールベース=2600mm/車重=1120kg/駆動方式=FF/1.3リッター直4DOHC16バルブ(95ps/6000rpm、12.3kgm/4000rpm)/価格=155万円(テスト車=182万9750円/スマートエントリーパッケージ=4万5000円/ナビレディパッケージ=3万円/SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグ=4万2000円/オーディオ スマートナビ<G-BOOK mXモデル=16万2750円) 拡大
助手席側のセンターピラーに刻まれる目盛り。
トヨタ・ポルテ1.5G(FF/CVT)/スペイド13X(FF/CVT)【短評】

マネのできない、細かい心配り

再び、冒頭で散々悪態をついておきながらなんですが、試乗したり、室内チェックしたりしてるうちに、「一度ポルテユーザーになったら、もうほかのクルマに乗れなくなっちゃうな」とまで思うようになってしまいました。これはポルテの魔法でしょうか!?

ポルテって、クルマというより家に近いんですよ。例えば、センターピラーの目盛りは、「柱に背丈をしるす」という家の習慣から生まれた発想だし、よく整理された家の中のように、導線がうまく機能して、欲しいものがすぐ手に届く場所にある。だから、ムダな動きをせずに"生活"できるんです。

荷室容量は5名乗車時で354リッター(4WD車296リッター)を確保。後席のシートを倒すことでスペースを拡大できるが、荷室床はフラットにはならない。
(写真をクリックすると助手席と後席のシートバックを倒した状態が見られます)
トヨタ・ポルテ1.5G(FF/CVT)/スペイド13X(FF/CVT)【短評】

通常、クルマのデザインは左右対称なので、片側だけデータを作り、それを反転させればいい。ところがポルテの場合は左右非対称なため、データは2倍。それだけコストもかかったのだとか。つまり、それだけたくさんの機能が詰まっているってことなんですよ。

ポルテは、おもてなしの心が宿る日本だからこそ生まれたクルマ。日本が誇るオンリーワンカーといってもいいんじゃない!?
だって、私もティッシュ、下から取ってみたいですもん(笑)。

(文=スーザン史子/写真=荒川正幸)

【テスト車「ポルテ1.5G」のオプション装備】
ボディーカラー(エアグリーンパールクリスタルシャイン)=3万1500円/スマートエントリーパッケージ=4万5000円/ドレスアップパッケージ=6万5000円/HIDパッケージ=5万5000円/ナビレディパッケージ=3万円/アイドリングストップ機構=5万4600円/SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグ=4万2000円/オーディオ エクセレントナビ(G-BOOK mXモデル)=19万4250円
トヨタ・ポルテ1.5G(FF/CVT)/スペイド13X(FF/CVT)【短評】
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