クラシックカーウィークエンド報告(その3)

2001.08.22 自動車ニュース

クラシックカーウィークエンド報告(その3)

ベントレーEXP2(1919年)


■試練の場
2001年8月19日、楽しかった世界最大級のクルマの祭典も最終日を迎え、いつものことだけど「終わって欲しくない!」と思う。今日はトリのメインイベント、世界で最も権威あるコンクールのひとつ、「ぺブルビーチ・コンクールデレガンス」の模様をお伝えします。

タルボラーゴT26(1950年)


このコンクールのスゴイところは、“サー”の称号を持つスターリング・モスを筆頭に、昨日ラグナセカレースウェイで遭遇したフィル・ヒルやポール・フレール御大、若きイタルデザインのホープ、ファブリッチオ・ジウジアーロなど、そうそうたる審査員メンバーが揃うこと。出展されたクルマのフィニッシュのみならず、オーナーの愛車の知識にまで鋭い質問で迫ります。まさに「クルマにかかわる精神」までが問われる“試練の場”であるといえましょう。毎年、予備審査で落とされるクルマの数は何百台にもなるといわれ、古いクルマをレストアさえすればいい、というワケにはいかないようです。

フィアット682(レースカーのトランスポーター/1957年)


■うへぇ、なんじゃコリャ!?
ペブルビーチ・コンクールデレガンスは、どうやって楽しんだらいいのでしょう?

ヒトは歳を重ねていくうちにクルマの趣味だって進化(?)させ、その知識にも磨きがかかります。しかし、「クルマについて自分はちょっとうるさいゾ」という方々の目からウロコがバリバリと剥がれていく場所がココ、ぺブルビーチなのです。「うへぇ〜なんじゃコリャ!?」が正しい“作法”とでもいいましょうか。


フォード・ホットロッド(1932年)


プロトタイプや往年のレースカーに混ざって、今年は「究極のホットロッド」といえるクルマまでもが並びました。ペブルビーチコンクールデレガンスって場所は、実は自分のクルマに対する知識範囲をはるかに超えた「今まで聞いたことさえないメーカーやクルマに素直にびっくりする場所」なのです。知らなかったからといって誰も現地では笑いません。事実、審査員ですらよく知らない車をわざと選んで持ってくるエントラントでさえもいるのです。

モービル蒸気自動車


そうなれば「よくぞここまで直して」とじっくりお好みの一台をご覧になるもよし、2万5000人にも及ぶ観客がどのクルマに集まって見ているのかを客観的に観察しながら回るのだっていい。「世の中、上には上がある!」と呆れるのもまたよし。「忘れられた納屋に眠っているあの車をいっちょう直して」と、長い間止めてあったガス湯沸器のパイロットライトのように、心の片隅の野心にポッと火が灯るヒトもいるかもしれません。

そんなことを考えながら、2001年のクラシックカー・ウィークエンドを終えました。

(文と写真=斎藤孝平)

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