スバルのミニバン「トラヴィック」発売

2001.08.23 自動車ニュース

スバルのミニバン「トラヴィック」発売

富士重工業は、7人乗りの新型ミニバン「スバル・トラヴィック」を、2001年8月22日に発売した。




■ドイツの血をひく「トラヴィック」
英語のTravel(旅行する)とQuick(機敏な)を組み合わせた名前の「トラヴィック(Traviq)」は、スバルブランド久々のニューモデル。「1人で乗っても7人で乗っても楽しい7人乗り」がテーマのミニバンだ。しかしその実体は、「オペル・ザフィーラ」のOEM版なのである。

1999年12月、富士重工業とゼネラルモーターズ(GM)は戦略的提携を発表。「トラヴィック」は、その提携により生まれた初のモデルというわけだ。GM傘下のオペルから基本コンポーネンツの供給を受ける一方、1.8リッターから2.2リッターに拡大されたエンジン、国内仕様向けにチューンされた足まわりを採用し、「スバルらしい“走りの良さ”を追求」(プレスリリース)。すでに国内で販売されているザフィーラとの差別化を図った。
ザフィーラがドイツにあるオペルのボッホム工場で生産されるのに対し、トラヴィックはタイにあるGM工場で造られ、日本GMにより輸入される。




■パッケージングはそのまま、エンジンは拡大
日本に輸入される「ザフィーラ」より403cc大きい、2198cc直4DOHC16バルブエンジンはオールアルミ製。147ps/5800rpmのパワーと、20.7kgm/4000rpmのトルクを発生する、オペル・アストラやベクトラ、本国版ザフィーラに使われる「サターン」オリジンのパワーユニットだ。2200rpmから5300rpmまでの回転域で最大トルクの90%以上を出す、実用重視型ユニットである。

組み合わされるトランスミッションは電子制御4段AT。走行状況に応じ、「エコノミー」「スポーツ」「スノー」の3モードを選ぶことが可能。また、停車時にブレーキペダルを踏むと自動的にギアがニュートラルに入り、燃費と静粛性を向上させる、オペル自慢の「Nコントロール機構」が備わる。駆動方式はFFのみ。スバルだからといってヨンクはない。

取り回しのいいコンパクトなボディに、様々なアレンジが可能な7人乗りシートを載せる優れたパッケージングは、ザフィーラゆずり。ボディサイズは、全長×全幅×全高=4315×1740×1675mm(ルーフレール未装着車は高さ1630mm)、ホイールベースは2695mm。最小回転半径は5.3mと、ミニバンにしては小回りがきく。

ザフィーラで「フレックス7」と呼ばれるシート機構は、トラヴィックでは「マルチシーティングシステム」として継承された。2人掛けの3列目シートは、取り外すことなく床下に収納可能。2列目は前後に300mmスライドできるほか、荷物が多い場合は、2列目を畳み、1列目のシートバックに寄せてしまうことで、最大1705リッターのカーゴスペースが確保される。

「走りのスバル」を特徴付けるべく採用されたサスペンションは、前ストラット式、後トーションビーム式トレーリングアームと形式は同じものの、ダンパー設定をトラヴィック専用とし、乗り心地や操縦安定性、直進安定性の向上を図った。さらにスポーティなグレード「Sパッケージ」には、ダンパーの減衰力を高めた専用スポーツサスペンションを付与。ベーシックグレードより1インチアップされた16インチアルミホイールと組み合わせ、「走り」に訴える。

■バーゲンプライス
トラヴィック最大の特徴は、その安さにある。ザフィーラが289.0万円なのに対し、トラヴィックはなんと199.0万円から(!)。アンダースポイラーなどでお化粧したスポーティ仕様「Sパッケージ」は224.0万円、ウォッシャー付きヘッドランプやSRSサイドエアバッグを奢った上級仕様「Lパッケージ」でも、234.0万円となる。

ドイツ生まれのミニバンが、タイで造られ、スバル伝統の「六連星エンブレム」をつけて日本市場に登場。世界最大の自動車メーカーGMが放つ戦略的モデル「トラヴィック」は、「ミニバン大国」ニッポンでどう戦うのか?

(webCG 有吉)

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