F1イタリアGP、モントーヤ初優勝
2001.09.17 自動車ニュースF1イタリアGP、モントーヤ初優勝
F1第15戦イタリアGP決勝が、2001年9月16日、イタリアのモンザサーキット(5.793km)を53周して行われた。優勝は、ウィリアムズBMWのルーキー、ファン・パプロ・モントーヤ。ポールポジションから初優勝を飾った。2位はフェラーリのルーベンス・バリケロ、3位にはモントーヤのチームメイトであるラルフ・シューマッハーが入った。
9月11日に起きた米同時多発テロの影響で開催が危ぶまれたイタリアGP。レース自体は開かれたものの、様々な催し物がキャンセルされ、レース前にはドライバー、関係者すべてが黙祷をささげた。またフェラーリチームはマシンからスポンサーロゴを一切排除、ノーズを黒く塗り、テロで犠牲となった人々への哀悼の意を表した。
レース直前、安全確保を理由に、「スタート直後の2つ目のシケインまでは追い抜きしない」という考えが持ち上がった。昨年の同GP、スタート直後に起きた多重クラッシュによりコースマーシャル1名が死亡したのを受けての措置である。チャンピオンのミハエル・シューマッハー(フェラーリ)はこの考えを強く主張、しかしジャック・ヴィルヌーヴ(BARホンダ)や各チーム首脳からの賛同が得られず、まとまらないままレースが始まった。
モントーヤは、今季3度目のポールポジションから好スタート。2位バリケロ、3位ミハエル・シューマッハーが続いた。後方ではジェンソン・バトン(ベネトン・ルノー)とヤルノ・トゥルーリ(ジョーダン・ホンダ)が接触、第1コーナーのシケインは一瞬混乱したものの、幸い大きな事故にはならなかった。
さらに、“約束の”2つ目のシケインを過ぎたレズモコーナー手前では、ミハエルとラルフ、シューマッハー兄弟がサイドバイサイド。今回は兄のミハエルに軍配が上がった。
トップを快走していたモントーヤだったが、徐々にグリップを失い始め、8周目、バリケロの先行を許した。その後、迫り来るミハエル・シューマッハーを必死に抑えたモントーヤ。トップを走りながらリタイアしたブラジル、ドイツGPの悪夢が再現されるのか、と思われた。
しかし、勝利の女神は、このコロンビア人にようやく味方してくれた。
首位のバリケロは、やや早めにピットストップを敢行。しかし給油口のトラブルで16秒も停止してしまった。さらに2ストップ作戦をとったフェラーリは、レース後半にもピットインしなければならず、最終的に1ストップのモントーヤが2位バリケロに5秒差をつけて、初優勝を飾った。
4位はミハエル・シューマッハー、5位にはジャガーチームにカナダGP以来のポイントをもたらしたペドロ・デ・ラ・ロサ、そして6位にはホンダエンジンを駆るジャック・ヴィルヌーヴ(写真)が入賞した。
来シーズンの休養を表明したミカ・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)は、7番手スタートから一気に13位まで後退。その後追い上げを見せるも、ギアボックストラブルで19周目にリタイアした。チームメイトのデイヴィッド・クルタードは、6周過ぎにエンジンをブローさせ、早々に姿を消した。
今GPでデビューした初のチェコ人F1パイロット、トマス・エンゲ(プロスト・エイサー)は12位完走、マレーシア人として初めてF1に参戦したアレックス・ユーン(ミナルディ・ヨーロピアン)は44周でリタイアした。
2001年シーズンは残り2戦。次戦は9月30日、インディアナポリスで行われるアメリカGPである。
何らかのテロの影響を受ける可能性は残されているものの、FIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレー会長は、「インディアナポリスでのF1開催は我々の義務である」との見解を示している。
インディアナポリスのバンクを疾走するF1マシンを見たいというのは、ファンの正直な願いであるのだが。
(webCG 有吉)
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