フランクフルトショー報告(後編)

2001.09.19 自動車ニュース

フランクフルトショー報告(後編)

2001年9月13日に開幕したフランクフルトモーターショー報告の第2弾。自動車ジャーナリスト、金子浩久が現地の模様を紹介する。

フォードのエントリーモデル「新型フィエスタ」


■VW「1リッターカー」は、こなかった

1リッターで100kmの距離を走るという通称「1リッターカー」が登場するのでは、と注目されていたフォルクスワーゲン。400cc単気筒エンジン(!)を超軽量ボディに積んだ2シーターモデルとして、ホンダのハイブリッドカー「インサイト」もビックリの超低燃費を実現するというふれこみだった。が、広いブースを探せど見つからない。美人の説明員にシツコク尋ね、マネージャーにも確認した結果、出展していないことが判明した。残念。

しかし、フルモデルチェンジされたコンパクトカー「ポロ」はみることができた。日本では、2000年5月にマイナーチェンジ版が発売されたばかりなのに、本国ではもう新しくなってしまった。スタイリングとパッケージングがウリのニューポロは、プラットフォームが完全に新しくなった。ボディは若干大きくなったが、それ以上に室内が広くなったことが印象的。ゴルフIIIに匹敵するほどだった。

■「アバント」の最高級モデル「アヴァンティッシモ」

アウディは、「A4」のオープンモデル「カブリオレ」とワゴン「アバント」を展示していた。
2002年の春に発売が予定される「A4カブリオレ」は、全自動で開閉するソフトトップを備えた、2ドアの4シーターオープン。パワーユニットに、2.4リッター(170ps)と3リッター(220ps)、2種類のアルミニウム製V6エンジンを用意。アウディのCVT「マルチトロニック」か5段MTを介し、前輪を駆動させる。
A4ワゴンの「アバント」は、新型の2リッター直4(130ps)、3リッターV6(220ps)ガソリンエンジンを含め、9種類ものパワーユニットを用意。トランスミッションは、5段、6段のマニュアルと、CVT「マルチトロニック」の3タイプから選べる、バリエーションに富んだモデルとなっている。

アウディ一番の注目株は、アバントの最上級という意味の「アヴァンティッシモ」と呼ばれるステーションワゴンだろう。アウディがルマン24時間レースで培ってきた技術を取り入れたという4.2リッターV8ツインターボを搭載している、ハイパフォーマンスモデルである。

■超高性能車な“恐竜カー”「ベイロン」

フォルクスワーゲンが商標をもつフランスの名門メーカー、ブガッティは、スーパースポーツモデル「ベイロン」を出展した。630ps(!)を出力する8リッターW型(!!)16気筒ユニットをミドに搭載し、最高速400km/hを目指した“超ド級”スポーツカーだ。

今回は、ミシュランの400km/h規格のタイヤを装着、またサイドウォールにはメーターを振り切ったマークが付いて、“悪ノリ”に磨きがかかっていた。
インテリアは、座るのが惜しいほど、純白の革を多用。ドアハンドル、シフトノブ、メーターリングなどに、銀メッキらしき素材を配し、タコメーター、スピードメーターの左にはスロットルメーターを設けていた。フロアから伸びるシフトノブはすごく短かく、またステアリングホイール左右にパドル式シフターを装備していた。超高性能な“恐竜カー”とでもいうべきか?

次世代ロータリーエンジンを積む、マツダ「RX8」のデザインモデル


■ジャガー、コンセプトカー「Rクーペ」を披露

フォードグループのPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ)メーカー、ジャガーは、デザインスタディモデルとして「Rクーペ」を披露した。

4シーター(2+2というべきか?)の2ドアクーペボディにV8エンジンを搭載。プラットフォームはまったくの新設計で、もちろん、FRである。ジャガーF1プロジェクトから、ステアリングを握ったままシフト操作できる「パドルシフト」を流用。ステアリングの向きに対応して動く4灯ヘッドランプや、音声でコントロール可能な車載情報システム「テレマティックシステム」など、ハイテク装備を備える。

イアン・カラムが手がけたデザインは、伝統の“ブリティッシュクラシック”に流れず、新しいデザインワークに挑んでいるのが評価できる。

■フォードはエントリーモデル「フィエスタ」を発表

フォードは、エントリーモデルたる新型「フィエスタ」を発表した。新型は、ひとまわり大きくなって、5ドアのみとなって登場。パッケージングを改善し、室内空間の拡大につとめた。たしかに室内は広く、ミニバンかというほど。でも、ドライビングポジションはドライバーズカーというべきもので、日本のミニバンみたいに座面を高くしたり、ハンドルをかかえこむようにはなっていない。ぜひ乗ってみたい1台だ。今後、3ドアが出るかどうかが興味大。

■「RX8」、カッコよかった

マツダの次期ロータリークーペ「RX8」は、実にカッコよかった。ぜひあのままで発売していただきたい。
「大人4人のためのスポーツカー」をコンセプトとした4ドアモデル「RX8」は、ハイパワー、低燃費、ローエミッションを目指した軽量・コンパクトな新型ロータリーエンジン「RENESIS」を搭載。Bピラーを取り払った「フリースタイルドアシステム」を採用し、後席の乗降性、利便性を向上させたという。世界唯一のロータリーエンジンモデル「RX7」の後継モデルに注目だ。

(報告=金子浩久/2001年9月19日)

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