ボルボ「S80 T-6」は穏やかに速かった

1998.10.19 自動車ニュース
 
 
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ボルボ「S80 T-6」は穏やかに速かった(10/19)

ボルボカーズジャパンが9月16日に予約開始したニューモデル「ボルボS80 T-6」にひきつづき試乗した。ツインターボを装着した「エキサイティングなボルボ」だ。

「ボルボS80 T-6」はS80シリーズのホット・バージョン。2.8リッターの直6DOHCインタークーラー付きツインターボ・エンジンを横置き搭載して前輪を駆動するという、珍しいレイアウトを取っている。その最高出力は272ps/5400rpmで、最大トルクは38.7kgmを2000〜5000rpmにかけてコンスタントに発生する。トランスミッションは電子制御4AT。「ギアトロニック」と呼ばれるマニュアル・モードも備えている。また、頭部保護機能つきサイドエアバッグやムチ打ち防止機構つきフロントシートなど、ボルボらしく安全装備も充実している。

「S80 T-6」に試乗してみての印象を要約すれば、「アンダーステートメントなハイウェイ・クルーザー」といった感じだろうか。ツインターボ・ユニットは、低速から高速域まで豊かなトルクをフラットかつなめらかに発生させるので、パワフルでありながら扱いやすい。自然吸気版の「S80 2.9」に比べて圧縮比が低いせいか、エンジンノイズも一段と静かで、「S80 2.9」では気になった3500rpm付近のこもり音も低減されている。静かな室内で、ジャズ・ボーカルを聴きながら北海道の雄大な自然の中を走ってゆくのは、とても気持ちのよいものだった。

高速道路での直進安定性は非常に高く、シトロエンXMにも通じる安心感がある。しかし山道を走ると、「S80 T-6」はそのボディの大きさや大排気量のFF車であることを考えればよく曲がるのだが、直進状態への復元力が強く、ステアリング・インフォメーションも豊かではないので、「操る楽しみ」はあまり感じられなかった。「ギアトロニック」は、マニュアルシフトQートへの切り替えがスムーズにいかないのと、変速のレスポンスがやや鈍い感じがして、あまり楽しくなかった。サスペンションは「S80 2.9」より固められているが、しなやかさも向上しているので、乗り心地は中低速域から高速域まで「S80 2.9」よりしっとりとしていた。

ところでプレス・コンファレンスで「S90」シリーズのプロジェクト・ディレクター、ハンス・ウィッグマンさんは「S90」のことを、「社会的に成功しているのだけれど、自分の地位や富をあまり人々のための高級車である」と定義していた。なるほど言い得て妙で、ようやく「なぜ、ボルボのクルマは価格のわりに地味なのか」という長年の疑問が解けたのであった。でも、ちょっと確信犯的な気もしたけれど。(Web CG スヤマ)

 
 

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